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「エリア88」の新谷かおる氏が描く、明るい飛行機乗りの物語「ファントム無頼」

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戦闘機がメインになる漫画を挙げろと言えば、やはり新谷かおる氏の「エリア88」ではないでしょうか?
あのシリアスな展開とは一味違った、同じ新谷かおる氏の手掛けた明るい戦闘機乗りの漫画「ファントム無頼」、その魅力を語っていきたいと思います。

目次

ファントム無頼とは?

「ファントム無頼」は原作 史村翔氏、漫画 新谷かおる氏の二人で制作され、1978年から1984年まで週間少年サンデー増刊号にて連載された作品です。原作の史村翔は「北斗の拳」の原作者である武論尊の別名義で、自衛隊時代の経験をもとに作られています・・・とは言え、現実を元にして実情を語り訴えるシリアスな作品ではなく、サクサクと進んでいくコメディやお色気の方が強い作品です。

でも武論尊もとい史村翔氏と新谷かおる氏ですから、コメディの中にも骨太で、ともすれば重くなりすぎる話も含まれていますが、とは言えコメディ色の強い作品の「ファントム無頼」、後味の悪さが後をひいて落ち込むことなんて事はありません。

あらすじ

では、あらすじを確認していきます。
航空自衛隊百里基地所属でパイロットの「神田鉄雄」二等空尉は基地の問題児。腕はいいが、その荒い操縦に組むナビゲーターはことごとく病院送りになり、二座式のファントムのナビゲーターは決まらない。
時を同じくして三沢基地から、パイロットの自信を叩き折り引退させてしまうタイプの優秀なナビゲーター「栗原宏美」二等空尉が百里へと転属になる。
百里基地司令・太田は「両方とも少しは変わるだろう」「最悪、どちらか一方でも負けて潰れてくれれば」と考え二人を組ませることにする。

しかし問題児×問題児、さらにどちらも腕前はピカイチとくれば、多少のいさかいはあったものの二人は意気投合し百里基地の不動のエースとなる。そんな「神栗コンビ」が主に百里基地での職務を通じて、色々な人と出会い成長して行く物語です。

この作品の魅力

あらすじだけを書くと「よくある話では?」となるので、どんなところがよいのか語りたいと思います。

まず何よりも登場人物が全員いい!
主人公の神田も最初は本当によくある「腕はいいけどワガママなガキ大将」でしたが、物語が進むにつれて、彼の矜恃や周りに対しての評価や考え方が明らかになっていきます。よくある正義のヒーローのような正義感の持ち主で、「最後の最後まで人命に手を掛けない」、平和のための自衛官であることに誇りがあります。

普段破天荒で荒唐無稽な操縦をしているのに、大型旅客機の操縦について「自分には多くの乗客の命を預かって飛ぶ度胸はない」と語ったりと、めっちゃかっこいいです。でもそんな神ちゃん(神田のこと)、お子さまランチが好きでスケベでやっぱり悪ガキとこのギャップがたまりませんね。

もう一人の主人公である栗原も、最初はよくいるインテリで人を見下すタイプのイヤな奴でした。でも神田に影響されたのか元来の性質か、熱いところが表に出てきて、多少の無茶でもやり抜きます。栗さん(栗原のこと)もノリよく神ちゃんと一緒にイタズラするし何度か女装もしています。栗さんの女装はクオリティが高く、米軍のジョーイから口説かれ(襲われかけ?)ています。

他にも太田司令や民間航空機パイロットの伊達・高田、米軍のジョーイやキャサリンなど登場人物全員の見せ場があって、コメディー食は強いけれど、かなり骨太な作品として花を添えています。

戦闘機がかっこいい

しかしやっぱり一番のオススメは何よりも戦闘機がかっこいい!
当時にあっても既に時代遅れの旧型であるファントムがイーグルを凌駕する動きを見せる。
本来起こるはずもないことが違和感なく、説得力を持って読者に現実味を与える描き方ができるのはやはり「新谷かおる」氏だからではないでしょうか?

そして神栗コンビと搭乗機であるF-4EJファントム680号の絆も見どころです。絶対にF-4EJファントム680号にも意思があった、だから二人を生かしたのだ・・・とさえ思えます。そしてファントムが二座式だから、コンビでのやり取りが、個性とコミュニケーションが物語を生み出していくのです。

読んでみて欲しい

連載の時代的に冷戦時代であり、緊迫した雰囲気も流れます。しかしその緊迫感が物語に緩急をつけ、彼らの生きている世界は死と隣り合わせなのだと思い出させてくれます。

戦闘機は好きだけど重い話は苦手で「エリア88」は脱落した私ですが、「ファントム無頼」はひたすらかっこいい&幸せが見えているので安心して読め、今に至るまで何度も読み続けています。

著:新谷 かおる, 著:史村 翔

(C) ファントム無頼 史村 翔 新谷 かおる 小学館/週刊少年サンデー

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