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サイコパスの心理を探れ!猟奇事件で活躍するプロファイラーとは?

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海外の刑事ドラマを見ていると頻繁に登場する職業、プロファイラー。欧米では捜査にプロファイリングが取り入れられており、実際に凶悪犯の逮捕に役立っているのは周知の事実ですよね。しかしプロファイリングの技術が確立されてから、まだ数十年しか経ってないのをご存じでしたか?

今回は海外ドラマでお馴染みのプロファイラーの成立過程や、悪辣なサイコパスを追い詰めるプロファイリング技術の初歩を掘り下げていきます。

目次

意外と知られていないプロファイラーの実状

プロファイリングとは犯罪捜査の過程において、犯罪者の性格の傾向や特徴から行動科学的な分析を行い、その実像に迫っていく捜査技法です。これは精神科医が実施するプロファイリングと区別され、犯罪者プロファイリングとも呼ばれています。
プロファイリングの基本は統計学。ある事件の犯人の特徴を洗い出し、どういった性格・家庭環境の人々が関わっているか統計データをとり、そこから真実を導き出します。

上記の観察対象は大きく分けて3パターン。犯罪前の準備、犯罪中の行動、犯罪の後始末がそれに当たります。犯罪前の準備は逃走車両や逃走ルートの準備、これで犯人の土地勘の有無がわかります。
犯罪中と犯罪後の行動では犯人が執着する対象の絞り込みが可能。一部のシリアルキラーが犯行のトロフィーとして被害者の遺品や遺物をコレクションするのは有名な話ですね。

コレクションの目的は様々で、犯行の瞬間を反芻してマスターベーションに耽ったり、眺めて楽しむのが主な動機とされています。中には被害者の毛髪・歯・爪・内臓など身体の一部を持ち去る者や、拷問・凌辱・殺人・解体の過程をビデオに撮って保管する者もいます。

プロファイリングは難事件を即解決する超能力にあらず、犯人像を明確にする分析技法の一種にとどまっており、プロファイリングから全く外れた人間が逮捕されることもよくあります。
プロファイリングで浮上した容疑者が逮捕に至るまでには鑑識や現場に出入りする刑事の地道な裏付けが必要となります。海外ドラマの主人公として脚光を浴びるワンマンプロファイラーは完全なるフィクションの存在で、本来はチームワークに従事する存在なのです。

プロファイリング確立までの経緯

プロファイリングの起源は1880年代のイギリスで起きた連続猟奇殺人、切り裂きジャックから。イーストエンドの貧民窟で5人の娼婦が惨殺されたこの事件は、ヴィクトリア朝末期のイギリスを震撼させ、市民に凄まじい衝撃を与えました。メディアに犯行声明文が届いたことから、史上初の劇場型犯罪としても認知されています。
一説によると、この事件の捜査に携わった警察医のトーマス・ボンドがプロファイリングを行ったそうです。彼の成果は後世に引き継がれ、1995年に「NCOF(国立警察活動支援部)」が誕生します。

第二次世界大戦後にはナチスの戦犯追跡チームがチェックリストを作成、膨大な捕虜の中からナチス高官を炙り出すことに成功します。このリストが後にプロファイリングの項目に流用され、1970年代のアメリカにてプロファイリングチームが発足しました。
当時のアメリカ合衆国は州ごとに法制度が異なり、広域逃亡犯の確保に手をこまねいていました。
FBIと州警察の間で情報が共有されてないせいで検挙率が著しく低く、この事態を憂えた政府が、窮状の打開策として犯罪者プロファイリングに目を付けたのが事の発端。

即ちプロファイリングとは、予算と人員が限られた中で、可能な限り捜査を効率化する為に編み出された技術だったのです。
1972年、FBIに行動科学課が設置されます。当時のメンバーはジェイムズ・A・ブラッセル、ロバート・K・レスラー、ジョン・ダグラス、ハワード・テテンの4名。のちにロバート・K・レスラーは『FBI心理分析官』、ジョン・ダグラスは『マインドハンタ─FBI連続殺人プロファイリング班』を刊行し、両方ともベストセラーになっています。後者はNetflixでドラマ化されました。

1982年にはヴァージニア州クアンティコのFBIアカデミーに「NCAVC(国立暴力犯罪分析センター)」が設置され、プロファイリングの中心地として活動が始まります。
プロファイラーは捜査官ではなく、経験則をデータベース化し、警察に助言する立場に当たります。レスラーの著書が『FBI心理捜査官』改め『分析官』となっているのは、彼等が捜査官と一線を画す職分だからに他なりません。『心理捜査官ロンドン殺人ファイル』の著者デヴィッド・カンターは、自らをさして犯罪捜査コンサルタントと名乗りました。

プロアフィリングの専門用語「秩序型」と「無秩序型」とは

ロバート・K・レスラーはプロファイリングの黎明期からFBIの捜査に貢献してきたベテランプロファイラー。チャールズ・マンソンやジョン・ウェイン・ゲイシーなどのシリアルキラーと定期的な面会を行い、時に命の危険を感じながらも大量のデータを集めてきました。
膨大な数に上る凶悪犯と対話を重ねた結果、彼等の殺人衝動には幼少期の虐待や劣悪な家庭環境がに起因しているとレスラーは結論付けます。

連続殺人犯の代名詞として人口に膾炙した「シリアルキラー」の生みの親もレスラー。もともとは36人以上の女性を殺害したテッド・バンディをさす言葉で、この名称が定着する前は、シリアルマーダラーやシリアルホミサイドと呼ばれていました。
シリアルキラーの条件は1か月以上に亘り、一定の冷却期間を置きながら殺人を繰り返すこと。被害者の性別・年齢・外見・職業に共通の特徴が見られたり、自分の犯行をほのめかすサインを残すこともありました。一度に大勢を殺す場合はマスマーダーといい、チャールズ・ジョセフ・ホイットマンが起こしたテキサスタワー乱射事件などが該当します。

犯行現場の様子を「秩序型」「無秩序型」に分類したのもレスラー。秩序型は犯行現場や殺し方に偏執的な法則性が見られる一方、無秩序型は死体の損壊が著しく、部屋が荒らされているのが印象的です。
秩序型のシリアルキラーは被害者と面識や接点を持たず、入念な下見を行い、好みに合ったターゲットを選び出します。凶器は予め持参し証拠隠滅にも気を遣います。

知能が高く話術に優れ、魅力的な人物を装いターゲットを欺く……我々がサイコパスと聞いてまず思い浮かべるタイプですね。テッド・バンディやロバート・ハンセンが代表的です。
片や衝動の赴くまま犯行を繰り返すのが無秩序型。被害者の抵抗すら余興として楽しみ、力でねじ伏せるのを好むタイプで、遺体には痛ましい防御創が数多く残されます。彼等は被害者を完全に「物」として扱い、一切の人格を認めません。凶器は現場調達、知能は平均以下で社会性が極めて低いです。

秩序型シリアルキラーが被害者と会話を楽しみ、「ひょっとしたら助かるかも」と希望を持たせるのとは正反対ですね。「サクラメントの吸血鬼」リチャード・チェイスは無秩序型に属します。

ご覧の通りプロファイリングの最前線はアメリカ合衆国。日本を含めたアジア圏はプロファイリング後進国で、警察に配属されている人数も決して多くありません。
しかし2000年、北海道警察に日本初の行動分析専門班(現・捜査支援分析課)が設置されたことで状況が変わり始めました。警察庁の科学警察研究所、犯罪行動科学部内にも「捜査支援研究室」が設置され、プロファイラーたちが日夜捜査に邁進しています。

※画像はイメージです。

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