「私が猫を飼っている」という話をおばあちゃんとした時の話です。
おばあちゃんは終戦時に12歳くらいで、子供時代はずっと戦時中でした。
「おばあちゃんも子供の頃うさぎをたくさん飼っていたんだよ。」と言われたのですが、それは純粋なペットというだけでなく、軍服の防寒着用だったと聞きショックを受けました。
子供時代のおばあちゃんがうさぎを飼っていた
私のおばあちゃんは、終戦時に12歳くらいだったのでおばあちゃんの子供時代はずっと中国での戦争や、太平洋戦争の戦時中でした。
おばあちゃん自身は北海道出身で、直接空襲を受けたりすることはありませんでしたが、「あの頃は食べ物が無くて本当に辛かった。」と言っているのはよく聞いていました。
それだけに、私が飼っている猫の写真を見せた時に、「かわいいねえ。おばあちゃんも子供の頃うさぎをたくさん飼ってたんだよ。毛がふわふわで…。毎朝お世話するのが子供たちの仕事でね。」と話してくれた時は、戦時中でも子供がペットを飼う余裕があったのかと意外に思いました。
成長したうさぎは役場で買い取って戦地の防寒着になった
しかし、子供時代におばあちゃんが育てていたうさぎは純粋なペットではありませんでした。
「ふわふわでかわいいんだけど、大きくなったらみんなで役場に持っていったんだよ。満州の兵隊さんのコートとか襟巻にするから、あの頃はたくさん必要だったんだ。」と言われ、私はショックを受けました。
「かわいそうだったけど、あの頃は仕方なかったんだよねえ。」
「それに子供には結構なお小遣いになったねえ。」と言うおばあちゃんの表情は、複雑でした。
国民全員が戦争に協力するのが日常だった
私の猫や子供時代におばあちゃんが飼っていたうさぎがふわふわでかわいい、という話の延長なのでそれ以上いろいろ質問はしませんでした。
でも、おばあちゃんの話しぶりから、当時は子供まで漏れなく戦争に協力するのが日常で、それに違和感を感じる空気すらなかったことを感じ取りました。
子供がうさぎの世話をして、毛皮を売って兵隊さんの防寒着にする、当時の子供にとってうさぎは可愛いけれどそれが普通のことだったのです。
こどもが生き物をかわいがる気持ちすらも、国が戦争を進めるために捧げなければいけなかった時代は本当に辛い時代だったのだと改めて思います。
※画像はイメージです。
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