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教科書には載っていない、楽市楽座のもう一つの目的。

織田信長の楽市楽座は、経済活性化だけが目的ではありませんでした。

目次

「座」とは

座を廃止して市場を自由に開き、商売を盛んにして城下や領国を経済的に豊かにする。
これが楽市楽座の目的ですが、「座」とはどういうものなのでしょうか。

座は業種別に設けられた同業者の特権的な組合・団体で、特権とはその業種の仕事をする許可を与える権限・独占権のことです。つまり座に属さない人はその仕事ができないわけで、競争を排除し仕事と利益を座が独占していた、と教科書では説明しています。
しかしこれだけでは説明としては十分ではありません。

座を理解するためにはさらに踏み込んで、その社会構造を理解する必要があります。
座の独占権は上位の権力から認められてこそ効力を発揮するもので、その権力というのは大きな寺や神社、荘園領主などでした。

例えば山城(京都)大山崎の油座は石清水神宮から認められた座で、畿内などの約10ヶ国で油販売と原料荏胡麻購入の独占権を持っていました。そして座は特権の見返りとして上部権力者に多額の上納金を納めていました。

楽座のもう一つの目的

大きな寺院や神社、荘園領主とは、平安の昔からその時々で形態を変えながらも続いてきた、伝統的な領地支配層です。
強力な中央集権的な統治体制を目指す信長にとってそれは敵対勢力です。
信長は座の廃止によって、これら勢力の経済的衰退を狙いました。

楽座と同時に行われた政策には関所の廃止があります。
これについても流通を良くすることによる経済の活性化が説明されています。
この時代の関所は想像以上に多く、例えば大坂の淀川河口から京までの街道筋に約380ヶ所あったといいます。

それらはやはり伝統的領主たちが、自領の通行税を徴収するために設置したもので、彼らの収入の大きな柱でした。
つまり関所廃止の目的も、伝統旧勢力の経済力削減という側面があったのです。

楽市楽座の最終目的

信長にとって現実的に最も必要だったのは軍需物資です。
それは武器・弾薬・糧秣に止まらず、柵や兵舎用の木材から薬品、草鞋など衣類、馬の飼料など多岐にわたります。
信長の勢力範囲が広がる都度にこれら軍需物資の、より大量でより早急な調達が必要になりました。

そしてこれを達成するためには、物・金・人の無駄のない大きく早い流れが不可欠なのです。
楽市楽座と関所廃止によって城下、領国の経済活動が活発になり、必要な物・金・人がどんどん流入します。
信長はこれを狙っていました。

天才信長の政策は単なる経済活性化という、単純で一面的なものではなく、敵対する旧勢力の駆逐と軍需物資の調達という、複数の現実的目的を併せ持っていたのです。

歴史大好きじいさんです。
高度な政策は単純ではないのです。

参照:織田信長のマネー革命 武田知広
※画像はイメージです。

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