潜水艦の特殊な任務や構造故に、その乗組員には特有の憂鬱が生じます。
潜水艦内部は狭い
潜水艦乗務の24歳の三曹は彼女と会っている時、彼女の気になる行動があります。
それは彼女が缶入り飲料の空き缶を、潰さないでゴミ箱の捨てることです。
それを目撃すると「どうして,潰さないの?」とつい思ってしまいます。
極端に狭い潜水艦では、ゴミでさえその容量を小さくすることが要求され、だから空き缶も潰すのが当たり前なのです。
また乗務歴29年の曹長は乗り組み2年目に高脂血症と診断され、以来ずっとその病気と付き合ってきました。
水上艦ならランニングも可能な場所がありますが、潜水艦には縄跳びでさえする場所の余裕はありません。
またその任務の性質上、不要な音の発生は基本的に禁止なので、普段から大きな音が出るような行動は慎むことが習慣化しており、まともな運動ができないのです。
その上、潜水艦の食事は、全自衛隊の中で最も美味しいと評判です。
それは水上艦艇と比べても艦内環境や任務状況が過酷なので、ストレス解消のためともいわれていますが、その食事がしっかり1日4回あります。
結果、潜水艦乗組員は肥満傾向が高くなるのです。
潜水艦の任務は秘中の秘
潜水艦任務の基本は隠密行動です。
いつ、どこに、どれぐらいの期間、何をするのかは、ごく一部の幹部しか把握していません。
だから例えば、任務期間が推定できないように、出航前に積み込む糧秣の量さえ機密事項になっているほどです。
もちろん任務の詳細はほとんどの乗組員に知らされません。
彼らが知っているのは乗艦日時だけです。
そして当然、出航後は外部との個人的な連絡は一切禁止となります。
乗員の妻や恋人は、そのパートナーがどこへ行って、いつ帰って来るのか分からないまま送り出すのです。
一般会社でも自衛隊の他の部署でもそれは全くあり得ない、潜水艦ならではの特殊事情です。
若い乗員の悲劇
若い乗員には、恋人がそんな生活に愛想を尽かし、任務終了後連絡が取れなくなったとか、同棲していた彼女が居なくなっていたなどの悲劇が後を絶ちません。
海上自衛隊の艦艇勤務は1年間の内の相当期間に及ぶので、元々から異性との出会いの機会が少なくなります。
だからこの憂鬱は潜水艦乗組員にとって、実に切実な人生の問題なのです。
参照:兵士を追え 杉山隆男 著
※画像はイメージです。
思った事を何でも!ネガティブOK!
コメント一覧 (1件)
空き缶は潰してないですよ。
持っていってくれなくなるので…