多くの死者を出した東日本大震災後に私が見かけた、自衛官の姿について紹介します。
避難所近くに並んだ自衛隊の車
東日本大震災のとき、私の親戚は大勢が被災したので、頻繁に避難所に足を運んだり、親戚の家に行ったりして手伝いをしていました。
親戚が住んでいたのは、津波の被害が大きかった、宮古、田老地域。
本当に、想像を絶する光景で、テレビで見る以上の惨状に言葉も出なかったものです。
避難所にいたイトコは「地震の後にすぐ自衛隊が来て、まず道を綺麗にしてくれたから・・・」と教えてくれました。
そうなのか、すごいな!と話題になったのを覚えています。
昼過ぎに、その避難所から出て自衛隊の車が並ぶ場所を通りを横切り帰路についたときです。
おそらく昼休憩だったのだと思います。
被災した瓦礫以外に何もない広い土地に数え切れないほど自衛隊の車が並び、中で自衛官のみなさんが、ぐったりとした様子で休んでいました。
毎日どれだけ身体を動かしているのだろう、と思ったら見ているだけで涙が出ました。
そして、そこをそっと通り過ぎたのです。
海を眺める自衛官
やがて国道45号線沿いを車が走り始めました。
もちろんそこも、あちこちが津波の被害に遭っています。
複雑な気持ちで車を走らせていましたが、やがてある展望台のような場所で休憩を取りました。
整備はしていただいたものの、道路はまだ状況が悪く、運転しているとひどく疲れたからです。
すると、そこにはひとりの自衛官がいて、双眼鏡でじっと海を眺めていました。
身動きせず、じっと波を見ているのです。
おそらく、津波で行方不明になったかたがいないかを見ているのではないだろうか・・・と感じました。
自衛官の方々は、おそらくたくさんのご遺体を見て、これからも見続けるのだろう、この人たちによって多くの人々が救われているのだろうなと思うと、頼もしさと共に深い感謝の気持ちが込み上げてきました。
あれから年月がすぎましたが、未だに忘れられない光景です。
※写真はイメージです。
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