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「戦国自衛隊」と戦車とアクション

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今は亡き千葉さんを偲んで代表作の一つの「戦国自衛隊」を再鑑賞しました。

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「戦国自衛隊」と戦車

「戦国自衛隊」、戦車やヘリコプターなどの近代兵器を装備した自衛隊が戦国時代にタイムスリップ。近代兵器が戦国時代で活躍する痛快なアクションが映画の中で描かれている場面に心惹かれ、「戦国自衛隊」は僕の生涯ベスト10映画になっています。

劇中での合戦シーンで戦車が大活躍するのですが、この戦車は本物の自衛隊の戦車ではありません。この映画のために約8000万円で作られたレプリカの戦車です。たとえレプリカでも実際に当時自衛隊で使用された61式戦車を忠実に再現しているため、本物と見間違う出来です。レプリカ戦車は実弾は撃てませんが、砲塔旋回はもちろんのこと、時速約50kmで走らせることができます。ちなみに本物の61式戦車の最高速度は45㎞で、レプリカが本物の戦車より速度が上なのです。

千葉真一版の「戦国自衛隊」ではレプリカの戦車を登場していましたが、リメイク版の「戦国自衛隊1549」では本物の戦車が登場しています。2005年に公開された「戦国自衛隊1549」は自衛隊全面協力のもと、当時の最新鋭戦車である本物の90式戦車が劇中で使用されていますが、足軽や騎馬武者に戦車が近づく場面は少なく、戦車が登場するアクションシーンはCGが多用されていました。このため、本物の戦車の迫力は感じられるものの、戦国時代で戦車が活躍する面白さは薄れています。

それに対して、千葉真一版の「戦国自衛隊」はレプリカの戦車が足軽の中に突っ込むことはもちろんですが、動いている戦車の上に生身の足軽がよじ登る危険なアクションにも挑んでいます。本物の戦車を登場させた「戦国自衛隊1549」では危険なアクションがなぜできなかったのか。これは戦車の視察装置の違いによるものです。

視察装置と戦車アクション

多くの戦車は操縦席に潜望鏡式の視察装置が設置されています。この装置は自衛隊の61式戦車や90式戦車にも設置しています。潜望鏡式の視察装置は戦車の防御力を強めることができますが視界が狭く、安全上の問題から人に突っ込む撮影は大変危険です。その点映画のレプリカの61式戦車は視察装置がガラス面になっており、潜望鏡で外の様子を見る本物の戦車よりも視界があります。

人の中に車両を突っ込ませる撮影は危険には変わりありませんが、視界の限られる本物の戦車を使うよりは安全といえるのではないでしょうか。千葉真一版「戦国自衛隊」が本物の戦車で撮影されたのなら、劇中で描かれた迫力ある戦車のアクションはかなり難しかったと思われます。 

(C)1979 戦国自衛隊 角川エンターテーメント

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