この話は介護施設で働いている時に、利用者さんから聞いたお話です。
その利用者さんが、まだ小さい子供だった頃の話です。
「私がまだ小さい子供やった時の話なんやけどな、毎日毎日空襲で警報が鳴るたびに防空壕にいってたんよ。」
「周りのみんなは怖い怖いって言ってるけど、わたしそんなんぜーんぜん怖くなかってずーっと外見ててな。」
「飛行機いっぱいくるから綺麗やなぁーって思いながら見ててん。」
「爆弾もな、流れ星みたいですっごい綺麗やったよ。それだけが楽しみやったなぁ。」
と全く怖いことはなかったそうです。
その頃の食べ物の話もしてくれました。
「ご飯は麦ご飯でな、白いご飯なんかなかったよ。」
「でもな、麦ご飯すっごく美味しいのよ。白いご飯よりも美味しいのよ。」
「あとはな、じゃがいもとかさつまいもとか、芋のツルも食べたなぁ。芋のツルがいっちばん美味しかったわぁ。」
「すいとんも美味しいのよ。すいとんっていうのはな、小麦粉に水を入れて、耳たぶくらいの固さに練って、適当な大きさにして汁に入れて煮てな、団子にするねん。」
「あれ作ってくれた時ほんまに嬉しかったわぁ。」
と話してくれました。
この話は武勇伝というべきか、笑い話というべきかは微妙なところだとは思いますが、多分すごく安全な場所にあった防空壕に避難していたんだろうなと思いながら聞いていました。
食べ物に関しては、この利用者さんが言っているから笑い話のように聞こえてきますが、今の時代から考えればすごい食生活だったんだなと思い知らされる話です。
すごく明るい性格で、昔あったことをよく話してくれるのですが、結構同じことを言うことが多いので、他にどんなことがあったのかも聞きたいのですが、なかなか聞き出すことはできません。
戦争の時の話もそれ以外の話も、すごくポジティブというか・・・絶対に悪いように言うことはありません。
どんなに大変なことがあったとしても、最終的にはこんな体験ができてよかったとなるので、そのへんは尊敬してます。
本当に大変なことがなかったのか、それともポジティブな性格なので大変と感じなかったのか、実は大変だったけど自分の中でいいように変換しているのかはわかりません。
ですが、なかなか出来ることではないと思います・・・言い方一つで変わるものだと思いました。
私が知っている限りでは、戦争中の生活なんてとてもじゃないけど楽しいことなんてない、食べ物もなく、悲惨な時代というぐらいしか知らなかったです。
でも、こういう話を聞くと人によって感じ方はさまざまであり、楽しみがなければ作ればいいということを教えてもらえたような気がします。
ここまでポジティブな人なかなかいないと思いますが・・・。
※画像はイメージです。
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