この話は数年前におじいちゃんに聞いた話です。
おじいちゃんは、宮崎県出身で戦争のころは小学生だったそうです。
目次
ある日突然やってきた子供たち
戦争が過激になってきて食料が制限されてきたころ、おじいちゃんの通っていた小学校に数人の子供が突然来たそうです。
その子供たちはたまにしか学校に来ず、お弁当も持っていなかったそう。そしてなんといっても、全身が真っ白でやせこけており、学校中から「しろんぼ」と言われていました。
農村地帯にあったおじいちゃんの故郷は、食糧難とはいえ、まだそこまでがりがりにやせこけた子はおらず、肌の色もまったく違うため、事情の知らない子供たちはものめずらしさもあいまって、だんだんといじめの対象になっていったそうです。
おじいちゃんとしろんぼ
おじいちゃんのお父さん(私のひいおじいちゃん)は、その小学校の校長をしていた人でした。
当時の学校では校長先生はとてつもなく偉い人で、クラスメイトもその校長の息子をいじめるなんてことは微塵もせず、ある一定の敬意を払っていたといいます。
おじいちゃんは、しろんぼたちに対して他の子と同様に気味悪がって、「しろんぼ、しろんぼ」といって追い掛け回していたそうで、それがさらにいじめを助長した原因ではないかと今でも悔やんでおり、「閻魔さまがいるのであれば、俺の罪はそれだといわれるはずだ」とまで言っています。
終戦後、消えたしろんぼ
終戦後はしろんぼたちはまるで元からいなかったかのように、いなくなってしまったということでした。
数年後におじいちゃんがその話を母親に聞くと、彼らは沖縄本島から疎開してきた子供たちで、栄養失調のあまり、がりがりで肌が真っ白になっていたということでした。
※写真はイメージです。
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