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Aさんの太平洋戦争武勇伝

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この話は100歳で亡くなられた、布袋さんのような風貌のおじいちゃん、Aさんの太平洋戦争当時の武勇伝です。

目次

Aさんは

当時、Aさんは私が勤務するデイケアへ元気に通所されていました。

事あるたびに戦時中のことを思えば、こんな風に若い人に世話をしてもらえて、毎日笑わせてもらって今が一番幸せだ・・・・
「ありがとう、ありがとう」と、お会いするたびに口癖のようにおっしゃっていたのがとても印象的でした。

そしてあの時、「よく耐えたもんだなぁ・・・本当にそんなことがあったんだなぁ・・・」と時折なんとも言えない表情で、淡々と太平洋戦争当時の記憶を話はじめられたのでした・・・

してやったり

太平洋戦争のさなか、ドラマに出るような鬼軍曹の下で厳しい厳しい試練に耐えていたAさんと仲間たち。
毎日汗まみれで奮闘し、もちろん入浴もままならず、不衛生極まりない生活を余儀なくされていて本当に過酷だった。
理不尽極まりないな八つ当たり、ほんのささいな理由で殴られることは日常茶飯・・・今だから話せるが大嫌いだった鬼軍曹。

はらわたが煮えくり返っていたAさんは、ある時、鬼軍曹へ復讐をしてやろうと思い立ったのです。
ある日の夕飯時、Aさんはご自分の頭の皮膚を爪でカリカリと大量にこすり取り、とんでもなく汚いであろうその皮膚をこっそり混ぜ込んだ夕飯を軍曹に渡します。
そうすると翌日鬼軍曹はおなかをくだし、しばらく寝込んでしまい、Aさんは「してやったり!」と腹の底から思ったそうです。

忘れる事のない話

それを聞いていた私は前のめりになり、「なんとまぁ大それたことを!でもまぁ今こうして生きて帰ってきてるし・・笑って聞いていていいんだよね」と思いながら耳を傾けていると、Aさんは、まるでいたずらっ子のように得意げに、満面の笑顔で語っているのでした。

Aさんの武勇伝・・・お話ししてくださった時の表情、お声を、私は一生忘れることはないでしょう。

※画像はイメージです。

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