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知っているようで知らない、スナイパーとマークスマンの違い

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物陰に巧みに溶け込んだ射撃手が標的を射撃スコープの中に捉え、じっと狙いを定めてここぞと言うタイミングで一発必中の引き金を引くシーンは手に汗を握る。
こうしたシチュエーションは戦争やアクション映画やドラマでは、誰もが一度は目にしたことのある緊張感の漂う場面であり、大多数の人はその人物を「スナイパー」と呼ぶだろう。

「スナイパー」と言えば日本語では「狙撃手」と訳される事が多いが、敵標的を狙ってそうした射撃を行う人物を「マークスマン」と呼ぶ場面に遭遇した事はないだろうか。
よく似た行動を行っているように見える「スナイパー」と「マークスマン」について、厳密には何が異なるのか、定義を含めて確認していきたいと思う。

目次

「スナイパー」とは何か?

一方で軍における「スナイパー」、日本語で言うとこころの「狙撃手」は、「スポッター(観測手)」と呼称される兵と2人一組で行動し、本体と離れた場所に展開する事も多い。
「スナイパー」の有効射程は「マークスマン」よりも更に延びた約1,000メートル前後にも達し、友軍の火力支援といった側面はなく、所謂一発必中で敵標的を仕留める役割を担う。

よって「マークスマン」が使用する銃器と異なり、より命中精度が求められる任務である事を反映して、基本的には7.62mm×51mmNATO弾等のボルト・アクション式の狙撃銃が用いられる。
一般的によく知られる「狙撃手」とは正にこの「スナイパー」の事であり、軍隊に留まらず、各国の警察機構の特殊部隊などでも同様の役割を担う配置がなされていると言えよう。

「マークスマン」とは何か?

一般的によく耳にする「スナイパー」という用語と、何となく限定的に使用されている感が強い「マークスマン」と言う用語、どちらも敵標的を狙撃する行動は同義だ。
但し「マークスマン」とは主としてアメリカの陸軍や海兵隊で使用される歩兵の役割のひとつであり、日本語では「選抜射手」と訳される事が多いようだ。

アメリカ陸軍・海兵隊における最小の単位は班と呼ばれ、これを複数集めたものが分隊、分隊を更に集めた物ものが小隊であり「マークスマン」は基本この小隊単位に所属している。
「マークスマン」は「選抜射手」と訳される通り小隊で射撃技術に秀でた兵が任命される役割であり、一般的な歩兵の主力装備のアサルト・ライフルより長射程の射撃を担う。

具体的にはアメリカ陸軍・海兵隊の一般歩兵のM-16やM4カービンなどが最大約600メートル程の有効射程であるのに比して、同約800メートルまで延伸された範囲をカバーする。
よってM-16やM4カービンなど同様の5.56mm×45mm弾使用でも専用の銃器や、更に長距離での殺傷力に優れた7.62mm×51mmNATO弾等を使用する銃器などが支給されている。
「マークスマン」は一般歩兵よりも有効射程は長いものの、小隊の中で戦闘時の火力支援という位置づけであるため、基本的には連続射撃が可能な半自動銃器を使用している。

「マークスマン」や「スナイパー」が使用する銃器

アメリカ陸軍が「マークスマン」用に採用している銃器にSDM-Rがあり、M16A2・A4をベースに銃身長は同様の510mmながら178mmから203mmで1ピッチにライフリングを変更、命中精度を高めている。
同時に通常の歩兵が所持するM-16系では射撃モードの切り替えはセミ・フルや3点バーストといった機能を持つが、長距離射撃用にセミ・オートのみの射撃モードを採用している。
近年ではM4カービンに象徴される取り回しの良い小型の「マークスマン」ライフルの必要性も生じ、これはSPR-Mk12として採用されており、銃身長も同様に457.2mmとコンパクトだ。

またアメリカ海兵隊では「マークスマン」用にM16A4をベースとしたSAM-Rを採用しており、前述のSDM-Rの海兵隊版だと考えて差し支えは無いだろう。
アメリカ海兵隊ではM-16系以前に正式採用されていたバトル・ライフル、M-14をベースとしたDMR等も使用しており、威力・口径ともに勝る7.62mm×51mmNATO弾を使用する。

一方、アメリカ軍が「スナイパー」向けに採用している銃器にはレミントン・アームズ社のM24 SWSがあり、これは7.62mm×51mmNATO弾等を使用するボルト・アクション式の狙撃銃である。
1988年にアメリカ陸軍に正式採用された本銃は、軍だけでなく世界中の警察の特殊部隊などでも広く使用されており、ベースのM24は日本の陸上自衛隊でも採用されている。
アメリカ軍では既に「スナイパー」の分野においても半自動の狙撃銃も取り入れているが、中東での長距離狙撃の実績もあり、ボルト・アクション式の運用も続けている状態だ。

「マークスマン」と「スナイパー」についてのまとめ

「マークスマン」は主としてにアメリカ軍の歩兵の役割のひとつで、日本語では「選抜射手」であり、通常歩兵の有効射程より200メートル程長い約800メートルを攻撃範囲とする。
ただしあくまで運用は分隊や小隊などの内部で行われるものであり、主として通常歩兵よりも命中精度を高めたSPR-Mk12等の5.56mm×45mm弾使用の半自動銃が配備されている。

「スナイパー」は「スポッター(観測手)」と2人一組で行動・配置され、M24 SWSなどの7.62mm×51mmNATO弾等を使用するボルト・アクション式の専用狙撃銃を使用する。
現在では狙撃銃にも自動化の流れが見られるが、アメリカ軍は中東での実績からもボルト・アクション式の運用を継続中である。

eyecatch source:David MarkによるPixabayからの画像

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