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ロシア空軍最新鋭機にして第5世代戦闘機と目される「Su-57」

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アメリカが世界初である所謂第5世代戦闘機を実戦配備したのは2023年の現在から18年程遡る2005年の事であり、F-22ラプターと名付けられたぞの機体はロッキード・マーチン社とボーイング社によって生み出された。世界の戦闘機の歴史の中でも最強の制空戦闘機との呼び声も高いF-22ラプターだが、1991年の旧ソ連邦の崩壊によってそこまで強力で高価な戦闘機の必要性は一時的に薄れ、195機と言う小数の生産・配備に留まった。
しかし次いでアメリカ・ロッキード・マーチン社は2機種目となる第5世代戦闘機として、2015年からF-35ライトニングⅡの実戦配備を開始し、同機は日本を始め西側各国の主力機として採用が続いている。

こうしたアメリカが第5世代戦闘機を独占する状況に抗うべく、中国は2017年からJ-20の実戦配備を始め、それに遅れる事3年の2020年末にロシアが実戦配備を開始した機体がSu-57である。

2023年現在、世界で実戦配備が行われている所謂第5世代戦闘機は、これらアメリカのF-22ラプター、F-35ライトニングⅡ、中国のJ-20、そしてロシアのSu-57の僅か4機種しか未だ存在していない。
今回はそんな第5世代戦闘機の中では、世界でも最後発に位置するロシアのSu-57について、少し紐解いていきたいと思う。

目次

そもそも第5世代戦闘機とは何を意味するのか?

冒頭より「所謂第5世代」と言うフレーズを多用してしまったが、これは戦闘機を区分するにあたって元々明確な基準があった訳では無く、開発された戦闘機に後付けでその要件が付与されてきたと解釈される為である。
今日に一般的に第5世代戦闘機と呼ばれる要件としては、機体本体の持つ高度なステルス性能、音速を超える巡行性能、高精度なレーダー・センサ類による友軍とのデータ・リンクの3点が挙げられている。

これらも言わば先陣を切ったアメリカのF-22ラプターの有する能力をベースに後付けで定義されたものと言え、同機の開発の主力を担ったロッキード・マーチン社ではまた別の解釈が行われている。
そこでは音速を超える巡行性能と言う限定的な言い方ではなく、前世代機を超えた性能とメンテナンス性の高さが謳われており、必ずしも今現在でもその定義が厳密になされていない事を物語っている。

Su-57の開発

ロシアにおいてSu-57の開発を手掛けたのは、旧連邦時代にはスホーイ設計局の名称で知られた現在の公共株式会社スホーイ・カンパニーであり、1998年に開始され2002年にその開発案が正式に採用された。
当時のスホーイ社内部ではこの新型の戦闘機は主にT-50と呼称されていたと言うが、韓国製の同名の機体と区別する必要性からPAK FAとも呼ばれ、アメリカのF-22ラプターと同様に双発のステルス機として設計される。

T-50若しくはPAK FAは当初の予定から1年程遅れた2010年1月に初飛行に成功し、それから7年後の2017年8月に正式な名称をSu-57とする事が公表され、同年より生産に着手、2020年12月から実戦配備が始まっている。
こうした動きと並行してロシアのプーチン大統領は2019年5月には、2028年度までにSu-57の配備数は76機を予定していると発言していたが、ウクライナへの軍事侵攻の開始でこの実現は困難と見る向きが多い。

仮にSu-57が予定通りに2028年度までに76機が配備されるとしても、アメリカはF-22ラプターを195機、F-35ライトニングⅡA型を1,700機以上も既に配備しており、主導権を握れる数には程遠いと思われる。
因みに中国は2017年よりJ-20の実戦配備を進めており、機関部の国産化に課題が残ると言われていたがそれも軌道に乗せつつあり、2022年で既に200機以上を数え、アジア地域における優位を確立しつつある。

Su-57の概要

Su-57は単座の機体で、全長が19.8メートル、全幅が14.0メートル、全高が6.05メートル、空虚重量が18,500kg、AL-41F1ターボファン・エンジン2基を搭載し、最高速度がマッハ2以上、最大航続距離が約5,500kmと推定されている。
因みにF-22ラプターは同様に単座で、全長が18.92メートル、全幅が13.56メートル、全高が5.08メートル、空虚重量が19,700kg、F119-PW-100ターボファン・エンジン2基で、最高速度がマッハ2.4以上、最大航続距離が約3,200kmである。
またF-35ライトニングⅡも単座で、全長が15.67メートル、全幅が10.67メートル、全高が4.39メートル、空虚重量が13,290kg、F135-PW-100ターボファン・エンジン1基で、最高速度がマッハ1.6以上、最大航続距離が約2,200kmである。

従来の戦闘機と同じ傾向で総じてSu-57はアメリカのものより大柄な機体と言えそうで、それに比例して燃料の搭載量も10,300トンと多い為に航続距離が比較的に長い事がカタログ・スぺックからは窺えると言えるだろう。
Su-57は主翼と胴体を一体化させたブレンデッド・ウィングボディによって構成されており、ロシア側の主張ではF-22ラプターに匹敵するステルス性能だとされているが、西側諸国では一段落ちるとの見方が多い。

機関部については現行のSu-57では前述のようにAL-41F1ターボファン・エンジン2基を搭載しているが、今後は新開発中のIzdeliye 30に換装する事が予定されており、更に機動性を向上させる事が予期される。
アビオニクスについてもSu-57はIMA(インテグレーテッド・モジュラー・アビオニクス)を搭載、イギリスの国防省もその性能は認める旨の見解を示しているが、具体的な性能については情報が少ない。

また兵装面では固定武装として30mm機関砲を1門備え、機体下部には2ケ所のウェポン・ベイを持ち、各種の空対空、空対地、空対艦ミサイルを任務に応じて搭載する事が可能で、機体外部には4ケ所のハード・ポイントも備えている。

Su-57の派生バージョン

最新鋭の戦闘機である為、Su-57は2015年頃には他国へと輸出される可能性は低いとロシア国内でも言われていたが、翌年あたりからそうした指摘は撤回され、輸出を前提とした派生型の生産も視野に入れている事が報じられ始めた。
輸出バージョンはSu-57Eと言う名称で、2019年にマレーシアで開催された航空。宇宙展示会のLIMA-2019において初披露されたが、2023年3月時点でこの機体をロシアから購入すると言う国は確認されていない。
またインドに対してロシアは、Su-57をベースとしたFGFA(フィフス・ジェネレーション・ファイター・エアクラフト)と呼称される共同開発計画を2010年頃から持ち掛けていた事が知られている。

FGFA(フィフス・ジェネレーション・ファイター・エアクラフト)は単座及び複座が想定されていたが、ステルス性能、レーダー・センサ類の性能ともにインドの望む水準に達しておらず、2018年にキャンセルされた模様である。
但し未だインドはSu-57Eの輸出先としては可能性を残しているとも言われ、他にはロシアからS-400地対空ミサイル・システムの入手を強行した為、アメリカからF-35ライトニングⅡの調達を止められたトルコ等もその候補に数えられている。

実戦におけるSu-57

ロシア自身はSu-57が搭載するレーダー・センサー類は、アメリカのF-22ラプターやF-35ライトニングⅡをも探知可能だと主張しているが、インドとの共同開発のキャンセルを見るにそれは眉唾ものにしか思えない。
未だ最強の制空戦闘機と称されるF-22ラプターは置いておくとしても、Su-57はF-35ライトニングⅡに比してもその配備数の圧倒的な差から、単機では多少優れていると仮定しても大勢には影響しないだろう。

今も続くロシア・ウクライナ戦争においても、ロシアのショイグ国防大臣はSu-57がウクライナへのミサイル攻撃で有効に活用されていると述べているが、この言葉を裏付ける視覚的な証拠は見当たらない。
寧ろ既存のレーダーやセンサ類では探知する事が困難な筈のSu-57が、その他の戦闘機と同様にウクライナ領内ではなくロシア領内からしか攻撃に参加していないと目されているのは、撃墜の可能性を自覚している証左であろう。

※画像はイメージです。

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