今作は1995年製作のアクション映画で90年代を代表するヴァンダムの全盛期の作品となる。ブルース・ウィルス主演のダイ・ハード以降数多くの亜流作品が作られたが、今作はヴァンダム版ダイ・ハードともいえる。
概要
精神的に追い詰まった消防士のヴァンダムが離婚した妻の子供二人をアイスホッケーの観戦に連れて行ったらテロに巻き込まれるというテンプレートな映画だ。ヴァンダムのアクションだけではなく随所に挿入されるアイスホッケーの試合も楽しめる出来となっている。
この映画はタイトルもそうだがスポーツにおけるルールの一つサドン・デスから来ており時折ヴァンダムの戦いとアイスホッケーチームの戦いが対比されて面白い印象を受ける。更にスポーツ会場が舞台とだけあって会場内にある設備を利用したアクションも見ものである。
ヴァンダミングアクション
今回のヴァンダムは軍人でも警官でもないのにやたら強い消防士。銃を使いこなし、敵を薙ぎ倒し、自作の武器を作り出す。サドン・デスでのヴァンダミングアクションは消防士という設定を生かした火やガソリンを多用したシーンだといえる。
裏切り者だったシークレットサービスの一人をガソリン入りのライターで焼殺するシーンは迫真の演出だった。キッチンでの着ぐるみを着たテロリストとの戦いは調理器具を吹き飛ばしながら料理まで武器として使うというセガールもびっくりの戦法が飛び出す。フライドポテトを揚げる熱湯の油に手を突っ込ませるシーンは痛そうでリアルだ。
更にアリーナの天井にある照明器具のコードにぶら下がってターザンのごとく飛び移るアクションも披露。敵側は圧倒的に有利な中試行錯誤しながら戦うヴァンダムはアクションの幅広さも見せてくれた。
コミカルかつ華麗なシーン
今作はアイスホッケーの試合の進行によって人質が殺されていく。そのため終盤でチームの一人が体調不良で辞退したときサドン・デス対策としてヴァンダムが変わりに試合に出ることになった。何とかして守りきり回避するというシーンだ。
爆弾解除のリミットも迫っているためそんなことをしている余裕は・・・と思うがこちらもサドン・デスが出ると観客皆殺しになるので放ってはおけない。武装した兵士や銃を突きつけられても切り抜けるヴァンダムがアイスホッケーにやたら苦戦するのはコミカルだった。
そして最後のフォスとの決着シーン。ヘリで逃走を図るフォスをロープにぶら下がり下から拳銃で仕留めるヴァンダム。パイロットを撃たれ、操縦不能になったヘリはアリーナの天井をぶち抜いて垂直になってアイスリンクに大激突。派手に大爆発を遂げるのだが、このフォスが乗るヘリの微動だにしない垂直墜落は何故かとても面白い。
総論
ヴァンダム全盛期に製作されたサスペンス・アクション・サドン・デス。
純粋にテロリストとの攻防を楽しむもよし、爆弾解除のハラハラを味わうもよし、突然挿入されるコミカルシーンに微笑むもよしの出来と言える。ヴァンダムの父親役が意外と板についているのも高評価だ。
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