さて今回紹介したい漫画作品は、核戦争によって砂漠と化し荒廃してしまった世紀末な世界観が売りな、ガンアクション作品「砂ぼうず」です。
この作品は月刊コミックビームで1997年に掲載スタートし、2004年にはアニメ化もされ一躍人気作品ともなったのですが、休載が目立ち始めだし、次第に長期休載と短期間の連載再開を繰り返します。当時様々な憶測が飛び交ったのですが、十二指腸潰瘍と体力の低下が原因でした。そして、2013年5月号から執筆を再開し現在に至っております。
核戦争による砂漠化で生きる事が容易ではなくなってしまった「関東大砂漠」。
荒れ果てた世界と化した世紀末を舞台に、その世界で金さえもらえれば、どんな汚れ仕事も引き受ける「便利屋」を営む、主人公の「水野灌太」こと「砂ぼうず」に視点を当てて物語が進んでいきます。
その厳しく容易ならざる世界でずる賢く生き、己の為だけに生きようとする鬼畜な主人公である「水野灌太」、彼女の弟子となり関東砂漠一の凄腕美人を目指す「小泉太湖」。
そして砂ぼうず達を上手く利用し、己の美貌を武器に利益のみ追求し、無法の世界を生き抜こうとする美女「朝霧純子」など、個性的なキャラクターが多いのが魅力です。
そして、この作品の最も売りとなるのは、作者のうすね正俊先生のこだわりでもある、精密に書かれている銃器の描写とガンアクションのシーンに入れており、独特なセンスで描かれる核戦争後の世紀末を世界をより荒廃的に演出しています。
他にもこの作品で最も興味が惹かれるのは、砂漠化した世界において交差するそれぞれの欲望や思想など、人の感情のドラマ性にもこの作品の特出するべき見所があります。
ただの勧善懲悪ではなく、力無き者は容赦なく力ある悪党に蹂躙されてしまい、過酷な世界ゆえに平気で人身売買が成され、金や利益さえあれば政府の恩恵を受けられ、平穏に暮らすことも出来るけれど、それすら容易ではなく、ただひたすら砂漠に飲み込まれていく、核戦争によって荒んでいる人々の生活や世界観もこの作品の見所であります。
主人公の「水野灌太」こと「砂ぼうず」は、自らの利益と欲望をひたすらに追求し物語は進んでいきます。
汚くずる賢い奇策とセコさで仕事を成功させていくのですが、結局は過ぎた欲望で自滅することもあれば、漁夫の利を得て大儲けすることも、と、ありありとした人の業が描かれた個性的な表現の部分もこの作品の見所であります。
一見すれば救いようのない悪党な主人公の砂ぼうずですが、彼が持っているショットガン「ウィンチェスターM1897」を片手に、砂漠の悪漢や強敵などと戦う姿は非常にカッコ良く、ショットガンのアクションが好きな人には堪らない演出もあります。
荒廃した世紀末の世界で戦い、その世界を生き抜く、そんな砂と埃と硝煙と銃声に満ちた作品を楽しみたい人におススメできる、そんな作品です。
(C) 砂ぼうず うすね正俊 コミックビーム / エンターブレイン
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