陰謀論界隈では、運転免許証に仕込まれたICチップにより、国民監視が行われているというのがトレンドのようだ。
特に重要な監視対象には、複数の特別なチップが埋め込まれており、これを防ぐ為に電子レンジにかけるなどの対処も行われているとか。
一方、運転免許証用カードを製造する事業者によれば、このICチップは、券面の記載事項を電磁的に記録しているだけであり、個々のチップ差は業者による仕様差に過ぎない、ともいう。
一体、どちらが真実なのだろうか?
ICチップは何であり、何でないか?
結論から言えば、免許証のICチップが国民監視に利用されるとの説は、信憑性が極めて低いと言わざるを得ない。
ICチップによる国民監視は、しばしば語られる。
新型コロナのワクチンにも仕込まれ、身体が5Gの電波を発し、額に10円玉がくっつくといった情報もあった。
筆者が小学生の頃、同級生にその一発芸をやっている者がいたので、かなり古くからの陰謀と言える。
予め、ICチップについての知識を共有しよう。
ICチップとICカードは、似ていて非なるものである。
ICチップは、部品またはごく単純な機能の付いた装置であり、ICカードはそれを組み合わせたより複雑な装置と考えれば良い。
だが、いずれの場合も、国民監視のためには、重要な機能が省略されている。
すなわち、電源である。
ペットの追跡用などに利用される、皮下注射可能なICチップも、非接触型のICカードも電源を持たない。
リーダーで動作するのは、リーダー側から非接触で電気を供給されているためである。
もしもICカードに電池が入っているとすれば、電池切れによる動作不良に関する報告がされているだろう。
Suicaの導入が2001年。あのサイズで20年無充電で安定して稼働出来る電池があるなら、そちらがオカルトだ。
監視により情報を奪われる時
電源の入らないICカードは寝ているのと同じだ。
読み取り機にごく近くに接しない限り作動しないもので、国民監視は難しいだろう。
更に、ICカードにはカメラもマイクも付いていないのだ。
カードに収納しても気付かれない程小さいカメラやマイクがあるなら、それを至る所に設置しておいた方が良い。電源問題も解決する。
一方、国民監視という意味なら、公表されている仕様のままでも可能だ。
カードリーダーに読ませる事で、ICカードを持つ人が何者であるか、予め記録してある情報から読み取れるのである。
何らかの追跡から逃れようとする時、運転免許証の提示を求められたら気を付けなければならない。
ICカードのデータを読み取られ、あなたの名前や生年月日、果ては運転免許証の有効期限といった詳細な個人情報まで、相手に筒抜けになってしまうのだ!
これを回避するためには、運転免許証から個人情報を消さねばならない。
ICチップを壊しても、意味はない。
何しろ券面には、あなたの名前や生年月日、果ては運転免許証の有効期限といった詳細な個人情報まで記載されているのだ!
運転免許証を見せろという者は、100%あなたの個人情報を知りたいと思っているに違いない。
そんな相手が現れても、動揺してはいけない。
逃げればかえって介入の隙を作る。
従ったフリをした上で、相手を泳がせた方が良い。
何しろ、運転免許証には、あなたの名前や生年月日、運転免許証の有効期限といった、役所でも勤務先でも大抵把握している程度の情報しか記録されていないのだ。
出来る事は限られている。
テレスクリーンはどこに?
ICチップで個人監視は不可能と断定したところで、我々は本当に監視されていないのだろうか?
電源を持ち、常に作動し、どこにいても居場所が特定され、個人情報がそれ自体に記録され、その情報が世界中にさえ伝えられる。
そんなテレスクリーンのようなものを、持たされてはいないだろうか?
バカらしい話である。
そんな便利なものがあったら、監視などし放題ではないか。
落としただけで、あらゆる情報を参照されてしまう。
そんな危険なものを進んで持つ者がいるとしたら、顔を見たいぐらいだ。
ビッグブラザーは物語の話だ。
1984年の未来になら、あるかも知れないが。
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