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日本海海戦の勝因は丁字戦法?

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日露戦争の海戦、日本海海戦の本当の勝因について最近知りました。
巷間知られている丁字戦法がそうなのか? ちょっとした私の驚きをお伝えしたいと思います。

目次

丁字戦法の利点

日本海海戦は周知の如く日本側の連合艦隊が勝利しました。そして、その勝利は連合艦隊が採った丁字戦法によるものだと伝わっています。

丁字戦法とは、単縦陣(一列縦隊)の味方艦隊が敵艦隊の前方を横切る形で航行しながら砲撃を加える戦法です。
周知の如く、戦艦には艦橋を挟んで艦首と艦尾に其々砲塔があります。ですから艦の進行方向や後方に対する砲撃では艦首艦尾どちらかの砲塔しか使用できません。

By Stephan Brunker 2004 (Gezeichnet mit Coreldraw am 23.12.3004) [GFDL or CC-BY-SA-3.0], via Wikimedia Commons

しかし艦の横方向には両砲塔を同時に使って砲撃が可能です。即ち、敵艦隊を横方向に見ながら味方艦隊が単縦陣航行するなら、全艦船の全ての砲塔を同時に使う事ができるのです。
しかも縦列航行している敵艦隊は先行する自軍の艦艇が邪魔になる為に先頭艦の艦首砲塔でしか砲撃ができないので、圧倒的に味方に有利になります。

丁字戦法の欠点

しかしこの戦法を仕掛けられた敵軍も、不利と分かっている位置関係にみすみす陥る訳がありません。
当然、進路を変えて自軍に有利な位置に移動しようとしますから、理想的な丁字を形作る事は相当困難なのです。
事実、バルチック艦隊もその様に進路を変更しながら対戦します。

連合艦隊は丁字戦法を使っていなかった?

結論から言うと、現代に至っても日本海海戦で連合艦隊が丁字戦法を実際に使ったのかどうか分っていないのです。研究者の間でも結論が出ていません。

By 関 重忠(東京:博文館) (日露戦役海軍写真朝日の光) [Public domain], via Wikimedia Commons

当時の海軍軍令部の公刊戦史には日本海海戦においては丁字戦法の文字は載っていません。
しかし、戦後行われた後援会で、連合艦隊司令部参謀だった秋山真之氏はこの戦法を使ったと言っています。

またその航路の角度から「丁字」ではなく、「イの字」戦法だったという研究者もいます。

本当の勝利要因は何?

いずれにしても連合艦隊の勝利は動かし難い事実です。
そして戦法が何であったにしろ、根本的に砲撃の砲弾が敵艦に命中しなければ話になりません。

その命中率は戦後の調査で連合艦隊3に対してバルチック艦隊1の割合でした。つまりバルチック艦隊が3発被弾する間に連合艦隊は1発被弾という割合です。

作者 不明 [Public domain または Public domain], ウィキメディア・コモンズ経由

この差は乗組員の練度の差で、例えば旗艦三笠の砲弾年間準備数は約2万8千発ですが、会戦前の訓練10日間で約3万発を消費する程の猛訓練が行われました。

また連合艦隊の艦船搭載の砲塔は同じ時間での発射回数が露軍艦船の3倍あり、使われていた砲弾の火薬や信管も日本軍独自開発または改良のもので、性能的に露軍を圧倒していたのです。

日本海海戦の真の勝因は、実はこれら人員と兵器両方の優秀性がバルチック艦隊のそれらを凌駕していた所にあるのです。

 

歴史好き爺さん
特に戦国期、と太平洋戦争前後が好みですが、歴史とは原因と結果が連続しているので、その興味は次第にそれらの前後に広がりつつあります。

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