MENU

とよちゃん85才のお話

当サイトは「Googleアドセンス」や「アフィリエイトプログラム」に参加しており広告表示を含んでいます。

この話は先日、私の85才の母「とよちゃん」から聞いた太平洋戦争の時のお話です。

その日、とよちゃんは学校からの帰り道を、お友達と別れてひとりでトボトボと歩いていました。
当時、とよちゃんの住んでいた(群馬県伊勢崎市)辺りは建物などなく、周囲はずっと先まで見渡せるほど田んぼが広がっていました。

とよちゃんが田んぼ道を「ひとりで帰るのは寂しいなぁ」と思いながら歩いていたら、背後から米軍の飛行機のエンジン音が聞こえてきます。
慌てて振り返ると、既に敵機はとよちゃんの頭の上まで飛来していましたが、飛行機のエンジンの音は頭の上ではっきりと聞こえるのに、眩しくてよく見えません。

そして慌てて身をかがめたとよちゃんの足元に、何かテープのようなものがたくさん舞い落ちてきます。
顔をあげたとよちゃんが見たのは、キラキラ光る何かを舞い落しながら遠くへと飛んでいく敵機の姿で、全てがあっという間の出来事でした。

「何が起きたのだろう?」足元のキラキラ光るテープのようなものを見ながら茫然としているとよちゃんに、向こうからおじさんが駆け寄ってきました。
おじさんの説明によると、その「光るテープのようなもの」とは「鈴」とのことで、上空から撒くことによって「鈴」が日光に反射します。
つまり光を反射しながら舞い落ちる鈴を使うことによって、地上にいる人間が眩しくて上空を見ることができないようにしたのだそうです。

そしてその後、とよちゃんの住む町から太田市にかけて空襲がありました。太田市は戦闘機を作る工場があったので、そこを狙った事前準備だったのかもしれません。確かに空襲は恐ろしいものでしたが、とよちゃんはむしろ「アメリカって、頭いい」と感心してしまったそうです。

もちろん、そんなことは口には出しませんでしたが。

※写真はイメージです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

どんな事でも感想を書いて!ネガティブも可!

コメントする

コメントは日本語で入力してください。(スパム対策)

目次