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あの日の悲劇・・・消えた10時間

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この話は私が小学生時代のお話で、当時我が家にはゲームに関して厳しいルールがありました。
それはゲームやって良いのは土日だけ。しかも30分プレイするごとに1時間休憩を挟むというものでした。

私はそのルールを駆使し、土曜日の深夜0時から30分→1時間休憩こと仮眠という生活をやっていたのですが・・・

目次

土曜日の深夜0時

当時私は鬼武者にはまっておりました。
鬼武者には幻魔空間というやり込み要素があり、1層から100層までセーブ無しで敵を倒しまくるというものでした。
層が上がっていくごとに敵の数が増え、難易度も上がり・・・なんどもゲームオーバーを繰り返しながら進めていました。 

何日も繰り返し幻魔空間に挑み、ようやく辿りついた最終ステージ。
手に汗握る白熱した戦闘!ようやくあと一撃で敵が倒せるという局面に入ったその時・・・事件はおきました。

母ちゃんが突如として部屋に入ってきて・・・無言で、そして、鬼の形相でps2の電源ケーブルを引きちぎったのです。

「ゲームばっかりやってるんじゃないよ!」

母親はそれだけ言い放ち部屋から去りました。

悲劇・・・

私は突然の出来事に言葉が出ませんでした。10時間も第一層から地道に積み上げた努力が一瞬にして消え去ったのです。
再び電源をつけ、ソフトを立ち上げましたが当然ながらセーブデータは残っていません。

あの何日もかけて積み上げた努力はもうそこには無かったのです。

小学生の私には辛すぎる出来事でした。
それ以来、大学生になり上京するまでの数年間ゲームをやることはありませんでした。
ゲームの虚しさを幼いながらに悟ってしまったのです。

そして今

そんな悲しい出来事があった幼少期でしたが、社会人となった今では当然ながら親からのゲームルールなんてありませんですし、制約の無い中でのびのびと遊んでいます。

確かに、親から見たら「ゲーム」というものは「遊び」であり、何のスキルも身につかないものに見えたことでしょう。
しかし、ゲームとは現実世界にはありえないような世界に連れて行ってくれるものであり、私にとってはかけがえの無い存在だったのです。

あー大人になってよかった。

※画像はイメージです。

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