この話は、私が小学校の頃ひいお爺ちゃんに聞いたもので、ソ連侵攻直前の満州での話です。
オカルトじみた戦勝祈願
太平洋戦争当時の日本はあちこちの神社仏閣で戦勝祈願のための祈祷が行われていたそうです。
それも単なるお祈りではなく、マントラや呪文を唱えて八幡大菩薩や天照大神の御使いやらを召喚し、鬼畜米英を霊力で倒してもらおうという、今思えば笑ってしまうようなオカルトも横行していたそうです。
戦勝祈願にUFOあらわる
満州にも神社があり、しばしば戦勝祈願の祈祷が行われていたそうです。太平洋戦争も末期になり、各地で日本の敗退ぶりが伝わっていた頃、ひいお爺ちゃんの兵営の近くの神社でも神職を招いて戦勝祈願の祈祷が行われたそうで、全員で頭を垂れながら、静かに祈祷の呪文を聞いていたそう。
さて祈祷が終わって頭を上げると、神社の本殿の向こうの空を何かが飛んでいると言った人がいたらしいです。敵機の襲来かと思いましたが、飛行機でもなく気球でも飛行船でもない感じの、丸くて白い発光体の群れが青空を飛んでいるのが見えたそうです。
その発光体は神社のはるか上空で止まったあと、北の方へ向かったとの事。するとその場の誰かが「天照大神の使いだ」と叫び、皆騒然としたらしいです。
ひいお爺ちゃんは「瑞穂の国を滅ぼそうとする敵国を倒しに、天津国から降臨したのだ」などと思い、必勝を確信したそうです。
神々の玉砕の夢
その夜ひいお爺ちゃんは不思議な夢を見たそうです。北の方へ向かった光の群れが次々と高射砲で撃ち落とされて玉砕するというものでした。
目が覚めるとあまりに不吉で忌まわしく感じて、昨日の話で意気高く盛り上がる空気の中で誰にも言い出せなかったそうです。
まもなく北からソ連軍が突如侵攻を始め、あっという間に関東軍と満州国は滅ぼされました。ひいお爺ちゃんいわく、天照大神の御使いは全員玉砕してしまったのだろうとの事です。
※画像はイメージです。
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