1983年にアメリカ軍はカリブ海の島国グレナダに侵攻します。
独裁政権のグレナダに侵攻する作戦はどう進められたのでしょうか?
新たな東側国家
南米のベネゼエラより北にあり、ドミニカの南にあるカリブ海の島国グレナダ
イギリスから独立して5年後の1979年にクーデターが起きて、キューバやソ連の支援を受ける東側の国となった。
米ソ冷戦下にあって、アメリカ本国の近くに出来た新たな東側の国家をアメリカは脅威と見なしていた。
グレナダが第2のキューバとなるように見えたのだ。
アメリカが危険視するようになったグレナダは、1983年10月13日に反対派を処刑して革命軍事評議会による軍事政権を打ち立てた。
この政権は評議会議長のハドソン・オースチンが全権を握る独裁政権でした。
グレナダ侵攻を決意するアメリカ
グレナダを脅威と見ていたのは東カリブ海諸国機構(OECS)も同じでした。OECSはドミニカやアンギラやヴァージン諸島などの英連邦の国や領土を含む政府間組織で、グレなども加盟しています。
反対派を弾圧する独裁国家となったグレナダを周辺の国々が危険だと見ていました。
OECSはアメリカに軍事介入を求め、アメリカはグレナダに軍事力を行使できる大義名分ができました。
アメリカのレーガン政権はOECSの要請とグレナダに居るアメリカ人の救出などを名目に、グレナダへ侵攻する事を決意します。
1983年10月25日にアメリカ軍は「アージェント・フューリー(抑えきれぬ怒り)」作戦を発動します。
グレナダ軍とアメリカ軍
ここで両軍の戦力を見てみよう。
グレナダ軍は3000人の兵力でこの中には労働者として入国しているキューバの兵士も含まれている。
グレナダ軍は戦車は無いものの、BTR-60装甲兵員輸送車やZSU-23-4「シルカ」自走対空砲を装備している。
対してアメリカ軍はアメリカ大西洋軍司令官が指揮する第120統合任務部隊がグレナダでの作戦を行う。
この第120統合任務部隊に加わるのは、陸軍第75レンジャー連隊・陸軍第352空挺歩兵連隊第2大隊・第8海兵連隊第2大隊に加えて特殊部隊のデスタフォースやSEALsも作戦に参加します。
eyecatch source:JO1 PETER D. SUNDBERG, US Navy, Public domain, ウィキメディア・コモンズ経由
(参考文献)
・歴史群像2021年4月号「グレナダ侵攻1983」文=山崎雅弘 ワン・パブリッシング
・世界の特殊部隊作戦史1970-2011 ナイジェル・カウソーン著 角敦子訳 友清仁監修 原書房
・戦場の特殊部隊 アレグザンダー・フティルウェル著 伊藤綺著 原書房
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