1983年10月24日にアメリカ軍は「アージャント・フューリー作戦」を発動してグレナダに侵攻します。
今回はアメリカ海軍特殊部隊SEALsの戦いについて取り上げます。
苦難に遭うSEALs
最初に行動に出たのは海軍の特殊部隊SEALsです。
10月23日と24日の夜にSEALsのチーム6は海上へパラシュート降下して、駆逐艦と合流する予定でした。
しかし、重い装備や悪天候で降下したせいでSEALs隊員数人が溺死してしまいます。
アクシデントに見舞われたSEALsでしたが、すぐに任務に取り掛かります。
グレナダの首都ゼントジョージズの北部にあるラジオ放送局を制圧する任務です。放送局の制圧は成功したものの、グレナダ軍はBTR-60装甲車や迫撃砲を持ち出し反撃して来ました。
火力で押すグレナダ軍にSELsは放送局からの撤退を余儀なくされます。
イギリス総督公邸の戦い
10月25日朝、SEALsチーム6はUH-60輸送ヘリでセントジョージスにあるイギリス総督公邸に向かいます。
グレナダはイギリスから独立しましたが国家元首はイギリスのエリザベス女王である事は変わらず、女王陛下の代理人であるイギリス総督がグレナダに居るのです。
そんなイギリス総督のスクーン卿ら関係者を救出する任務がSEALsに与えられます。
総督公邸にSEALsは到着できたものの、グレナダ軍がBTR-60も出して反撃を開始
SEALsの援護に海兵隊のAH-1Z攻撃ヘリ2機が来ましたが、グレナダ軍により撃墜されてしまう。
苦戦するSEALsに今度は空軍のガンシップであるAC-130が飛来する。
AC-130は105ミリ榴弾砲・25ミリガトリングガン・40ミリ機関砲をそれぞれ1門を装備した空飛ぶ砲台です。AC-130の射撃はBTR-60を撃破し、グレナダ軍は総督公邸へ近づく事が出来なくなった。
総督公邸に援軍来る
AC-130の援護によりイギリス総督公邸のSEALsは10月25日の戦いを耐え抜く事が出来ました。
翌日10月26日の早朝、セントジョージスの北にあるグランド・マルから上陸した海兵隊がM60A1戦車を連れて総督公邸に到着しました。
スクーン卿ら総督府関係者はグレナダ軍の脅威から救われSEALsチーム6は任務を果たしました。
またSEALsチーム4は作戦開始前にグレナダ東部にあるパールズ空港を海から偵察し、グレナダ軍の防備や海岸の特性から上陸作戦には適さないと情報を得ます。
苦闘しながらもSELsはグレナダで大きな役割を果たしました。
(参考文献)
・歴史群像2021年4月号「グレナダ侵攻1983」文=山崎雅弘 ワン・パブリッシング
・世界の特殊部隊作戦史1970-2011 ナイジェル・カウソーン著 角敦子訳 友清仁監修 原書房
・戦場の特殊部隊 アレグザンダー・フティルウェル著 伊藤綺著 原書房
eyecatch source:EDomingos, Public domain, ウィキメディア・コモンズ経由
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