皆さんは「警備犬」という、自衛隊の基地を見張っているわんちゃんをご存知ですか?
主な任務は、不法侵入を未然に防止し、重要な装備品等を警備することです。
最近では、その嗅覚を活かして災害派遣で活躍している姿も紹介されています。
そんな警備犬と筆者の奇妙な体験を紹介します。
中学生の思い出
私は自衛官の子供として生まれ、基地の近くに住んでいました。
中学生のとき自衛隊の基地に隣接する墓地に肝試しということで、ある夜、同級生数人と行きました。
自衛隊の基地は、通常、不法侵入を防止するため2m以上高い金網で仕切られ、この金網を超えると不法侵入となります。
肝試しは、その金網に沿って歩くものでした。
肝試しも終盤になり、恐る恐る歩いていると、基地の中から数頭のわんちゃんに吠えられました。
ライトを照らしたら数頭の大型犬がこちらを威嚇し、ワンワン吠えています。
特に筆者としては悪いこともしていませんが、びっくりして一目散に逃げました。
無事、肝試しも終わり、そんな事はすっかり忘れてしまいました。
あれから数年
時間が流れ、数年後・・・私は自衛官として入隊しました。
故郷の基地も何度か行く機会があり、基地の中から生まれ育ったアパートを見ると、何とも懐かしい思い出が蘇ってきました。
両親も現役の自衛官であり、両親と基地内をランニングする機会も何度かありました。
何気なく、肝試しをした墓地付近を両親とランニングしていたら卒塔婆と記念碑がありました。
何かを父に尋ねると、「警備犬のお墓」と説明を受けました。
また、その場所には警備犬は配置されていないとのことでした。
何と中学生の時に夜な夜な肝試しをして、わんちゃんに吠えられた場所は警備犬のお墓だったのです。
任務を全うしたわんちゃん
冒頭にも紹介しましたが警備犬の任務は、不法侵入を未然に防止し、自衛隊の基地にある重要な装備品を守ることです。
警備犬は、その任務を生きているときに全うするのは当然として、亡くなってからも基地を守っていたのです。
大変感動したと同時に背筋が寒くなりました。
警備犬は人間と比較し短い一生で、その何年かは雨の日も風の日も雪の日もジッと任務についています。
任務に就くまでに厳しい訓練を受けて、数々の試験をパスしなければなりません。
災害派遣では肉球が血だらけになっても行方不明者を探します。
基地のオープンデイ等で自衛隊の基地に行くことがありましたら、
戦車や戦闘機や護衛艦ばかりではなく、「警備犬」に注目してください。
おそらく、吠えられることはありません。
※画像はイメージです。
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