身体が弱くて内地で兵役についていたおじいちゃん話です。
戦争に行きたくなかった人もいた
おじいちゃんは昭和19年の秋に召集されたそうです。
20代後半で兵役についたそうですが、これはとても遅いほうでした。
もともと身体が弱く、何度かあった徴兵検査で兵隊として働けるギリギリのラインである丙種合格だったため、なかなか兵隊として働けないと言うことで、同じような体の弱い人や専門職に就いている人などとともに終戦直前まで兵役についていませんでした。
戦況が苦しくなって、そういった人も徴兵されるようになっていましたが、もともと兵隊に向かない人ばかり残っていたので、表向きは喜んでいくことになっていたものの、内心は嫌だと思っている人が多かったそうです。
徴兵検査を逃れるために、わざと検査の直前に足の上にレンガを落として捻挫をしたり、醤油を飲んで体調をくずしたりする人もいました。上官には絶対に聞かれてはいけなかったそうですが、いない時にはそういう話で盛り上がることもあったそうです。
上官のほうが自殺してしまった
ついに徴兵されたおじいちゃんでしたが、配置された部隊に移動する列車の中で腹痛を起こしたり、熱を出したりして結局、内地(日本国内)での任務に就くことになったそうです。
割り当てられた宿舎に住んで、軍需工場で働いていました。作るものの材料がなくて、畑で芋を作ったり、雑草をむしったり、これでは自分の家にいる時の農作業と変わらない、と思っていました。
兵器が作れないことや近隣の都市に空襲があることから、上官は絶対に勝つ・・・と言っていましたが戦況は悪いということは皆、それとなく感じていたそうです。
そんなある日、上官が突然、宿舎にあった桜の木の枝で首を吊って死んでしまったそうです。
「鼻と口から血を流していて、その血が垂れた地面を野良犬が舐めにくるんや…あと数ヶ月で戦争が終わって家に帰れたのに…あの人も本当は兵隊するのが嫌やったんや…」といつもその話をする時は、食事する箸と茶碗を置いて話しはじめるのが印象的でした。
※画像はイメージです。
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