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その飛行機どこの飛行機?

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私のおばあちゃんと、そのお姉さんがお話していたことです。
お二人が住んでいたのは現八街市でした。今では落花生畑とやちぼこりが名産物なのどかな場所ですが、かつて陸軍の飛行場が近くにあったのだそうです。

飛行場では兵隊さんたちが訓練をしているということは知っていても、当時も農業で忙しかった二人は、その飛行場で訓練する兵隊さんについてあまり興味がなかったそうです。
どこの所属だとか、飛行機のデザインだとか、そういうことは一切知らなかったと言います。

戦争中だから、それくらい興味は無くても耳に入って来るだろうと思いましたが、ラジオじゃ色や形がわからない・・・と言われると確かにそうです。耳に入ってきてもそれだけの情報では飛行機のデザインなんてわかりませんでした。

しかし、それが原因でとんでもないことをやらかしてしまいました。
私が聞いた時はぞっとしましたが、二人とも手を叩いて大笑いしているものですから、大いに混乱いたしました。

それはいつも通り、畑仕事をしていたある日のことです。
仕事をする手を止め腰を上げて、二人は背伸びついでになんとなく空を見上げました。すると飛行機がこちらに向かって飛んできたのです。

あれはきっと、この辺の飛行場の兵隊さんが練習しているんだろう。国のために頑張ってくれて偉いなあ、そう思った二人は両手を振って大声で「頑張れ!」と応援したそうです。
しかしそれが、後に日本の飛行機では無かったということがわかりました。名前については、お二人とも飛行機に本当に興味が無いようで米軍機ということしかわからないということです。

見晴らしの良い畑で両手を振って大声をあげたらさぞ目立つ事でしょう。
よく生きてたもんだと彼女たちは面白おかしく笑って話しますが、本当によく生きていたものです。生きていなかったら笑い事じゃありません。
私が、とんでもない時代だったんだね、と尋ねるとお二人はピンとこない様子でした。

「農家は畑を見ているから空を見る余裕なんてない。働き者は空の上を何が飛んでいるかなんてわからないのが当たり前」
そう言われてしまえば、その通りのような気がしました。

今も昔も、農家のおばあちゃんたちは一生懸命腰を曲げて働いています。何があろうと、どんなことが世間で起きていようと、その心の根っこが変わらないからこそ、危機一髪のエピソードも笑い話になるのではないでしょうか。

おばあちゃんお二人とも畑と家族のこと以外にあまり興味がないため、曖昧なところも多いお話ですが、お二人が本当に無邪気に笑っていたことと、滅多に空なんか見上げないで黙々と仕事に取り組んでいた、それは真実だと保証いたします。

※画像はイメージです。

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