日本の戦争責任は誰にあるのでしょうか?

東條英機率いる軍部独裁のみに、あの戦争の責任を負わせるだけで良いのでしょうか?

A級戦犯 東条英機

東条英機を始めとする軍部が対米開戦を強硬に主張し、それに引き摺ずられる形で日本が太平洋戦争に突入したとほとんどの人が思っています。
国民の言動を強圧的に監視統制し、戦争貫徹を国民に強いたことは独裁であり、その罪のために極東軍事裁判で、東条英機はA級戦犯として絞首刑の判決を言い渡されたという流れで、多くの日本人は理解しています。

靖国神社A級戦犯合祀問題

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また昭和天皇の靖国神社御親拝が昭和50年を最後に以後途絶えているのは、A級戦犯の靖国神社への合祀が理由で、「富田メモ」なる資料から昭和天皇がその合祀に不快感を表しておられたとされています。
このことも、東条英機に戦争責任があると確定的に日本国民に印象付けました。

スケープゴート

戦後、東條英機の息女は小学生の頃に、学級担任の教師から「父親が泥棒より悪い人間の子供の先生にはならない」と言われ、教室にも入れない時期があったといいます。できることなら私はその教師に問うてみたいことがあります。「あなたは戦時中、戦争反対を表明していましたか?」と。

確かにあの戦争は日本を破滅一歩手前まで追いやり、日本人に類のない辛酸を嘗めさせました。
そしてその責任は当然、国家の指導層が負うべきなのは間違いありません。

大東亜戦争が侵略戦争か否かや極東軍事裁判の正当性に関する議論には肯否があるものの、東条英機が国家指導者としての戦争責任を免れるものではないと私は考えます。しかしそれだけで全て解決となるのでしょうか。

それは東条英機をスケープゴートにすることで、もっと根本的で重要な責任問題をウヤムヤにしてしまいます。

国民の支持

真珠湾攻撃成功や南方戦線の快進撃のニュースをほとんどの日本国民は大歓迎しました。
戦争に少しでも否定的な人を国賊非国民と糾弾したのも一般国民です。

軍部の行き過ぎを許した素地に、国民全体のこのような世論があるのは紛れもない事実です。
それを忘れて東条英機を極悪人と決めつけるだけで事足れりとすることは、真の戦争責任をウヤムヤにしてしまいます。

戦争というと国やその指導者の責任論は百出しますが、国民自身の責任についての論議がほとんどないことの方が、私には気になるところです。
戦後、昭和天皇が戦争に対する反省に拘っておられたと伝わっています。

そしてこの反省とは、漏れ伝わる天皇陛下のお言葉を考えると、天皇陛下自身から国民を含めて全ての日本人が、軍の独走を止められなかったことに対するものであったと読み解くことができるのです。


歴史大好きじいさん
歴史大好きじいさんです。
スケープゴートが歴史の重要な真実を見えなくします。

参照:昭和16年の敗戦 猪瀬直樹 著
※画像は一部イメージです。

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