ファミリーコンピュータのゲームソフト「ウィザードリィ」のことを知ったのは、ゲーム雑誌の記事と広告でした。
あのときの「ウィザードリィ」
当時はドラゴンクエストが大ブームで、元がPCゲームであるウィザードリィは、日本では「ゲームマニアなら知っている」という程度の知名度だったように思います。
雑誌の紹介記事には、ファミコン版ウィザードリィのシビアなゲーム性と大人向けなモンスターデザインが紹介されていました。ドラクエにはない魅力を感じたものの、その時は他の多くのファミコンソフトの中の一つとして、記事を読み終えるだけでした。
「ウィザードリィ」との出会い
そんなある日、近所のスーパーのおもちゃ売り場に、ファミコンソフトを見に行った時のことです。
その売り場ではファミコンソフトはガラス製の陳列ケースの中に置かれていたのですが、一つのパッケージに目が釘付けになりました。
それは「ウィザードリィ」のパッケージで、たくさんのファミコンソフトの中でウィザードリィだけがキラキラと輝いていたのです。
「キラキラ」というのは比喩表現ではありません。
ウィザードリィのパッケージにはドラゴンの線画が描かれているのですが、そのドラゴンが光沢を放つ特殊プリントで印刷されていたんです。
あのパッケージを見た時は衝撃でした。こんな硬派なデザインがあるのかと感動し、その場で欲しくなりました。はっきり言ってひと目ぼれです。
内容をよく考えずにパッケージを見ただけでゲームが欲しくなるなんて、ちょっと無謀だと思います。それほど魅力的なパッケージだったんです。
でも当時はまだ子供だったので、ゲームソフトが欲しくなったからといって、すぐに買えるものではありませんでした。
それからというものコツコツとお小遣いを貯め、何か月後かにようやく「ウィザードリィ」を購入できた時はものすごく嬉しかったものです。
お小遣いが貯まる前に他の誰かに買われてしまうんじゃないかとか、かなり心配もしました。
そうして手に入れた「ウィザードリィ」、ドラクエに慣れ切った自分には色々と未知の体験が詰まっていて楽しかったです。
納得のいくパラメータが出るまでキャラメイクを繰り返したり、全滅しそうになったら急いでリセットボタンを押してなかったことにしたり(邪道)。
不意に石の中に転送されてリセットがおいつかず、育てたキャラクターをロストとした時の悲しみは今でもトラウマとして心に残っています。
そして今
ああいう体験ができたのも、ひと目ぼれさせてくれたパッケージのおかげだと思っています。
今ではコンシューマゲームでも、ダウンロード販売がどんどん主流になってきています。
凝ったパッケージどころかパッケージ自体も減っていくのだろうなあと、ウィザードリィのキラキラパッケージを思い出しながら、ちょっと寂しく感じています。

ウィザードリィ (C) 1987 by Andrew greenbeng, Inc. and Robert Woodhead, Inc. (C) 1987 bn GAME STUDIO Inc. and ASCII Corporation for japanese translation.
※パッケージについてですが、箔押しされていたのは「リルガミンの遺産」だとおもうのですが、著者が言うには「狂王の試練場」だというので、思い出補正がかかっているからであると認識してください。
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