忙しかった仕事が一段落し、旅行雑誌を載っていて以前から「行きたいね」と友達と話していた温泉地へ、一緒に旅行することを決めました。
市街地が数時間離れた、車でないと行けない秘境温泉の古びれた隠れ家的な旅館。
温泉は勿論のことですが、お酒や食べ物もとても美味しく、雪が降っている時期だったので、雪を見ながらゆったりと温泉に入ったり、満喫していました。
足音がする
地元の銘酒を飲んでほろ酔い気分で床に就くと、どこからともなく「パタパタ」と木の床を歩くような足音が聞こえてきましたが、特に気にすることなくそのまま眠りにつきました。
翌朝、友人も同じように足音が聞こえたと言うのです。お互いにすこし酔っていたし、旅館が古い事もあるので、「きっと旅館の人かお客さんのだれかでしょう」というのですが納得いかない様子です。
この旅館では食事を部屋まで持ってくる昔ながらのタイプで、女将さんが朝食を持ってきてくれたとき、私とすればよせば良いのに、その話をしだすのですが・・・。
女将は笑いながら、「2階にはお客様以外、お泊りになられていないので」というのです。
確かに中途半端な時期、それも平日であれば、そんな状態でもおかしくありません。
ただ一言、「この旅館には座敷わらしが住んでいるって言われる事があるんですよ」と笑いました。私と友人は顔を見合せ少しビックリした様子でお互いを見つめたのです。
正体を探る
友人はオカルトや怪奇現象などが嫌いなのですが、それであれば話は別で興味津々。
2泊3日の予約をしていたのですが、観光には出かけず、旅館でゆっくり過ごすというか「座敷わらし」探索をする事にしました。
温泉や食事を堪能しながらスマホを片手に写真や動画を取り、なにか写っていないかチェック。
ついには就寝時間になり、布団にもぐりながら、スマホを持って待機していました。
時間は夜の2時過ぎ、ウトウトしていると、昨日と同じように足音が聞こえてきます。
私達の部屋まで近づいてきているようで昨日よりも近く感じ、それからゆっくりと部屋のふすまを開ける音がしたのです。
私は思いきって飛び起きて電気を付けましたが、そこには誰もいません。
部屋を出て廊下もみてたのですが、やはり誰もいませんでした。
そのあとも布団にもぐり直して日が昇るまで待機していたのですが、足音はそれきりでした。
それからの事
朝食を食べならが友人も撮影した動画をお互いに確認したのですが、なにも写っていませんでした。
ただ、確かに寝る前に私達が閉めたふすまが少し開いていたのです。
女将にその話をすると微笑みながら、「なにか良いことがあるかもしれませんね」。
同時に「できればそっとしておいてあげて下さい」と静かに話しました。
それからというもの、私の仕事は順調になり、友人はクレジットカードのキャンペーンで10万円の旅行券が当たった。
これも「座敷わらし」のご利益でしょうか?
ちなみにですが、女将の要望もあるので場所や旅館名を教える事はできません。
※画像はイメージです。
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