海軍と病院船の役割

当サイトは「Googleアドセンス」や「アフィリエイトプログラム」に参加しており広告表示を含んでいます。

海軍には、戦艦・駆逐艦・空母といった戦闘艦のほかにも様々な役割の艦船があります。
その中で「病院船」は戦争や災害などが発生した際に現場近くまで進出し、けが人や病人に対し治療を行う船舶を指します。

目次

アメリカ海軍の病院船

現在、アメリカ海軍が所持している病院船マーシー級は、「マーシー」(T-AH-19)、「コンフォート」(T-AH-20)の2隻が運用され、世界各地で軍事・人道・医療支援活動に当たっています。

「マーシー級」はタンカーを改装した大型の船体で、全長は272.5m、排水量は69,000トン、1000床の病床、集中治療室80床、手術室12床のほか、初療室50床を備えています。
艦の屋上にあるヘリパッド(ヘリポート)と3つのエレベーターで直結しており、ここでは大量出血などの応急処置やトリアージが行われます。
X線撮影装置やCT装置、さらには輸血バンクや検眼室、薬局なども有しており、応急処置だけでなくその後の継続的な治療や回復に向けた設備を有しています。

東京大学医学部附属病院の総病床数が1200床程度であることを考えると、「マーシー級」はまさに、「動く大学病院」か、それ以上と表現できるかもしれません。
世界各地で任務にあたっている軍人のサポートにも全力を尽くすからこそ、アメリカ海軍は世界最強の海軍の座を維持していくことができると言えます。

日本における病院船

日本では第二次大戦時までは陸軍、海軍共に別々に病院船を保有していましたが、ほとんどが徴用した元民間船舶や輸送艦を改装したものでした。
戦後日本は本土から遠く離れた外地での活動を前提としていなかったため、現在に至るまで病院船という種別の艦船は保有していません。

海上自衛隊においては、おおすみ型輸送艦・ひゅうが型護衛艦・いずも型護衛艦が災害時の医療拠点機能を保有し、いずれにも陸上自衛隊の「野外手術システム」が展開可能で治療機能を増強することが可能です。
特に、いずも型護衛艦は35床の入院設備を持ち多目的室に手術灯を設置するなど臨時の病院船として活動できる機能を有しています。

新型コロナウイルスの蔓延に伴い、国会や政府内において病院船の保有の検討が行われ、2021年国会にて「病院船推進法」が成立し2024年までに施行される予定です。
しかし、専用の新造艦を建造するにはコストがかかり過ぎ、陸上ですら不足している医療従事者を病院船に派遣することは現実的ではないなどの観点から、当面は専用の新造・改装艦は建造されない方針です。

一方、既存の民間輸送船に陸自「野外手術システム」を搭載する検討が行われています。
民間団体ではありますが、JAMSTEC(海洋研究開発機構)が建造している北極研究船が自然災害発生時に「病院船」としての機能をもつことが発表されており、2026年に就航する予定です。

「病院船」の保有が必ずしも日本の医療体制を改善するとは言えませんが、有事の際にはより多くの人名が効果的に救命できるような方策を検討されるよう期待しています。

featured image:MC3 Clay M. Whaley, Public domain, via Wikimedia Commons

面白かった?

平均評価: 0 / 5. 投票数: 0

投票がありませんよ、最初の評価をしてね!

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

思った事を何でも!ネガティブOK!

コメントする

コメントは日本語で入力してください。(スパム対策)

目次