海上自衛隊の護衛艦「もがみ」型は省人化・多機能化が図られた、海上自衛隊の護衛艦です。
「あぶくま型(DE)」の後継として建造されましたが、コンパクトで多機能なフリゲート護衛艦を表す「FFM」の艦種記号が新たに与えられています。
人手不足・隻数確保に貢献する省人化
これまでの護衛艦は多くの戦闘情報を処理する必要があるイージス艦で約300人、汎用護衛艦でも200人、小型汎用護衛艦の「あぶくま」型でも約120人の乗員が乗り込んでいます。
これに対し「もがみ型」はCIC(戦闘指揮所)に操艦・戦闘・索敵の機能を集約し、CICから操作可能な遠隔操作の機関銃(RWS)を装備、艦橋には最新の商船にも導入されている統合艦橋システム(IBS)を採用するなど、徹底した省人化が図られたことにより、乗員定員は約90名となっています。
90名×4チームの乗員が3隻にローテーションで乗艦して1チームは休養、とする「クルー制」の導入も予定されており、乗員休養での停泊期間が短縮されることで稼働隻数が減らないような工夫がされています。
多様化する任務にも対応できる多機能化
多機能化により「もがみ型」は機雷戦にも対応しています。機雷を捜索・処分するための水上無人機(USV・UUV)を搭載し運用できるほか、簡易的ながら機雷を設置(敷設)する機能も持っているなど、従来の掃海艦艇の任務にも対応した多機能護衛艦になっています。「FFM」の艦種記号にある「M」も機雷(Mine)や多機能(Multipurpose)の「M」といわれています。
機雷掃討を担当する「掃海隊群」が従来の機雷掃討のみならず「水陸両用作戦」も担当するようになり、この対応として「もがみ」「くまの」の2隻が配備されています。掃海隊群に戦闘能力をもつ護衛艦が配備されるのは極めて珍しいことで、今後の掃海隊群と「もがみ型」への任務の期待度がうかがえます。
もがみと海自の今後
兵器開発は「現状対応」ではなく常に「未来のスタンダード」を探ることが求められます。海上自衛隊ではこの「もがみ型」を「未来のスタンダード」と位置付け、最終的に10隻の同型艦を建造し、その能力向上版である新型FFMは12隻の建造が予定されています。
近年、自衛隊は組織改編や装備の更新などこれまで無かったペースで戦闘準備を整えているといわれています。周辺環境が日々厳しさを増しているなか、有事の際にはその能力を遺憾なく発揮することが求められます。
これまでの護衛艦とは一線を画した護衛艦である「もがみ型」ですが、「一度も戦闘を経験しなかった護衛艦」という最上の伝統は引き継いでもらいたいと思います。
※画像はイメージです。


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