化け猫と猫又はどう違うの?

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「化け猫」と「猫又」といえば非常に有名な妖怪で、おそらく知らない方はいないとおもいます。
しかし、この二つを同じ妖怪だと思っている人も少なくありません。

確かにどちらも「猫の妖怪」ではありますが、経緯や特徴が異なる別物です。
化け猫と猫又の違いについて、簡素に紹介していきます。

目次

化け猫とは何か?

化け猫とは、簡単にいえば「妖怪化した猫」の総称のようなものです。
猫は犬と同様に、古くから人々に慣れ親しんでいる動物で、ネズミを捕る事から重宝されていました。
江戸時代になると、浮世絵のモチーフになるほどの、今で言う「猫ブーム」が到来します。

その反面、夜でも目が光ること。足音を立てずに歩くこと。暗闇で突然姿を消したように見えること。
こうした特徴が不気味に思われ、怪異や妖怪のイメージと結びつき、猫に関する怪談が急増します。

代表的なのは、人間の言葉を話す、人間に化ける、死人を操る、祟りをなす、人に取り憑くといったもの。
その中でも特に有名なのが「猫踊り」です。
猫が頭に手ぬぐいを巻き、二本足で踊るという怪異で、随筆や怪談集にも類例が見られます。

現在では奇妙で少し滑稽にも感じられますが、当時は照明も暗く、夜は恐怖と隣り合わせでした。
人間のような動きをする猫は、それだけで十分に不気味だったのでしょう。

なお「無念の死を遂げた猫の怨念が化け猫になる」という話も有名ですが、これは古典的な化け猫の基本設定と言うには少しズレます。
古い伝承では、猫が妖怪化したり、猫そのものが不気味な存在という考え方が中心です。
殺された恨みで祟ったり、虐待された怨念で化けるという復讐型の化け猫像は、怪談や映画、講談の影響で広まった要素です。

猫又とは何か?

一方の猫又は、化け猫よりも具体的な妖怪としての存在です。

猫又の最古級の記録は、鎌倉時代の藤原定家に伝わる「明月記」とされ、嘉禄二年(1226年)に、奈良周辺の山中に「猫また」が現れ、人を襲ったという記述があります。
ただし、この時代の猫又は、現在イメージされるような「二本尾の老猫妖怪」ではなく、むしろ山に潜む巨大な怪物のような存在として恐れられていました。
つまり、初期の猫又は「山の怪異」に近い存在だったのです。

その後、江戸時代に入ると猫又のイメージは大きく変化します。
長年生きた猫の尾が裂け、妖力を持つようになる。
人語を理解し、人間を化かし、ときには祟る。
こうした現在よく知られる猫又像が、この頃に定着していきました。

特に「尾が二股に分かれる」という特徴は有名で、ここが化け猫との大きな違いとして語られることもあります。
また、当時は「尾の長い猫は化けやすい」という俗信も存在しており、日本で猫の尾を短くする文化が広がった背景の一つとも言われています。

化け猫と猫又の違い

化け猫と猫又の違いを簡単に整理すると…。

化け猫は「猫が怪異化した存在全般」
猫又は「長寿によって妖怪化した猫」

こう考えるとわかりやすいでしょう。

猫又は化け猫の一種として扱われる場合がありますが、これは時代や地域によって解釈が異なっています。
地方伝承では「化け猫」と「猫又」を完全に同じものとして扱う例もありますし、逆に明確に区別する地域も存在します。

江戸時代の怪談文化では、死人を操る、人間を呪い殺す、はたまた、巨大化する等と読者受けを狙って設定がどんどん派手になっていきました。
こうした特徴が混ざり合った結果、「化け猫」と「猫又」の区切りは曖昧になっているようにも思えます。

なぜ猫は妖怪になったのか?

猫は古代から、夜行性で暗闇でも行動でき、人間になつく一方で、完全には従属しない。
犬のように従順ではなく、どこか人間を観察しているような気配がある。
この「理解しきれない感じ」が、日本人の妖怪観と結びついていったのでしょう。

昔は長寿の動物には霊性が宿ると考えられていました。
狐、蛇、狸などが妖怪化するのも、同じ発想です。
化け猫にしろ、猫又にしろ、「長く生きた存在への畏怖」から生まれた妖怪だったのかもしれません。

※画像はイメージです。

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