名前だけ知ってる系悪魔、ベリアル(Bereal)

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うろ覚えだが、最近ニュースで悪魔崇拝者らの記事を見かけたような気がする。
彼らは悪魔ベリアル(Bereal/Belial/Beliar/Berial)の信徒で、神の秩序への破壊活動として、自身が就業する会社の顧客情報などを流出させている。
これによって、その会社や業界、ひいては社会全体に混乱を巻き起こす事が、最終目的のようだ。

悪魔というのは、色々な種類がいるが、結構実態が良く分からないものも多い。
このベリアルというのは、どういう悪魔なのだろうか?
遠ざける事より、知って、対処法を学ぶ方が、ずっと応用範囲が広いものだ。

目次

ベリアルとは

「ベリアル」という語句が登場する初期の文献の1つが、旧約聖書に収録された一書『申命記』である。
同書13章では「信仰を妨げるものを殺せ」と教えているが、「他の神々(偶像)」を勧める者を「ベリアル」と記述している。
訳語としては「邪な者」「無頼の徒」といったものが当てられる事が多い。

ウィキペディアなどでは「無価値なもの」を意味する語句と説明されるが、『悪魔の辞典』内の引用では「反逆者」「従わぬ者」としている。

一方、新約聖書では「コリントの信徒への手紙二」の6章で、あなたがたは、信仰のない人々と一緒に不釣り合いな軛につながれてはなりませんという教えの根拠になる例示として、

正義と不法とにどんなかかわりがありますか?
光と闇とに何のつながりがありますか?
神の神殿と偶像にどんな一致がありますか?

と「対照的で相容れないもの」を列挙する中で、キリストとベリアルにどんな調和がありますかという一文が差し挟まれている。
これはベリアルを、神に対置される悪魔のトップか全体を象徴する呼称、すなわち「サタン」と同等としている。

悪魔学におけるベリアル

ベリアルに関するより直接的な描写としては、悪魔学のグリモワール(魔術書)『レメゲトン(ソロモンの小さな鍵)』で、序列68番の悪魔で、80軍団を率い、ルシファーに引き続いて創造された天使というものがある。

このレメゲトンに影響を与えたと考えられるヨーハン・ヴァイヤーの説が『地獄の辞典』では引用されている。

曰く、ベリアルはルシファーに引き続いて創造され、天使の大半を反乱に引き込んだとある。
つまり、ベリアルは堕天使としての悪魔の典型的な存在で、かつ、かなりの大物という事だ。

元が天使であるだけに、美しい天使の姿を取り、火の車に乗って現れるという。
話しぶりは温和で、捧げ物をして頼むなら、人に地位や寵愛といった利益を与え、軍団によって危機を救う事もできる。

無敵のようであるが、ソロモン王には瓶に封じられ、井戸にぶち込まれるという散々な扱いを受けている。
その時に、軍勢を失い、再び捕まる事を恐れ、偶像の中に入り込み、人に神託を与えるようになり、人々はそれと気付かぬうちに、ベリアルを崇めるようになったという。

偶像に入り込むベリアル

ポイントはいくつかあるが、重要なのはベリアルが現在は力の大半を失っている事、そして、何かに紛れて人の支持を得ている事、である。
つまり、悪魔崇拝者という自覚がないうちに、悪魔を崇めている可能性がある、という事である。

これはなかなか厄介で、そしてよくありそうな話である。

だが、1つ考えるべきなのは、ベリアルには人を喰らうとか、破滅させるとか、直接的な悪事に関する記述が特に見つからない事である。
無闇な利益を与える事で人を堕落させる、というのは、清貧を良しとする聖職者には恐ろしいだろうが、世俗に生きる人々にとっては気にする程の事もないようにも見える。

そもそも、偶像に入り込む、という性質は、順序が逆とも考えられる。
偶像崇拝の禁止は、既存宗教を乗っ取る時の、新興宗教の定番戦略である。
乗っ取った後はどうなるか? 我々の偶像は良い偶像、という事でバンバン作る。
良い偶像と悪い偶像の見分け方は何か? ベリアルが入り込んでいるかどうか、である。

良い偶像にベリアルが入ったらどうなるのか? ベリアルが入り込んだ偶像は悪い偶像だ。
ここに、トートロジーが完成する。

ベリアルに惹かれた時の振る舞い

聖書は「ベリ即殺」を推奨しているが、ベリアルを、一律に否定する事は、賢い戦略とは思えない。
もしも、あなたがベリアル信者を見かけたり、あなた自身がベリアルに惹かれた時は、まずは自分に立ち返る事だ。
そのタイミングでそれをして良いのか、悪いのか、その後どうなるのか、そういった事を自分の中で咀嚼し、行動に起こす、それで良い。

対象が神だろうが悪魔だろうが、流されて従うだけの者が行き着く先は、後悔でしかない。
心配する事はない。人間は、落ち着けばかなりのレベルで正しい判断が出来るものだ。
仮に、判断する時間を2分と区切って、正常な判断力を失わせ、トンチキな行動を助長する者がいたとすれば、そんなものは100パーセント悪意で接してくる悪魔に間違いない。

参考
・ピクシブ百科事典 ベリアル
・BeReal.
・弁護士ドットコム「『友人限定だから大丈夫』は危険…BeRealで相次ぐ社内情報漏えい、企業と従業員の責任は?」(2026年5月1日記事)
・末日聖徒 イエス・キリスト教会「申命記13」
・YouVersion「コリントの信徒への手紙二 6」
・コーランと聖書の逐語訳と研究quran&bible「申命記13章をヘブライ語原典から逐語訳してみました」
・講談社『地獄の辞典』(作:コラン・ド・プランシー 訳:床鍋剛彦
・ウィキペディア ベリアル、レメゲトン

featured image:See page for author, Public domain, via Wikimedia Commons

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