ガンダム歴史「アナハイム・エレクトロニクス」の在り方

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「機動戦士ガンダム」シリーズと言えば、意思乱れ飛ぶ群像劇ももちろん見所とされますが、やはりタイトルにもなっている通り「モビルスーツ(ガンダム)」が魅力を放っている事に疑いの余地は無いでしょう。
その魅力を形作る要素は挙げればきりが無いものですが、一つ挙げたくなるのが「製造物(兵器)としての背景を持つ」事です。

それは物語を彩るモノ達が例え一瞬の光芒に散っていくだけの存在だとしても、それぞれが「其処にある物語」を抱えて登場している存在だという「事実」を強く訴えかける存在感を放つものである事を意味します。
本来それは設定資料等の「語られざる物語」として表舞台に登場する事は稀であるか、表れたとしても断片的なものとして語られる事が多いものです。

「機動戦士ガンダム」シリーズでは、ごく少数ながら宇宙への進出という巨大なブレイクスルーを果たした人類へ深く根差し、その強力な原動力となった「超巨大資本」の存在と共に語られる事があります。
今回は宇宙世紀でも最も特異な例として語られる、一民間企業でありながら「民間企業であるが故に」宇宙世紀の世界でキャスティングボートを取り続けた巨魁「アナハイム・エレクトロニクス」の存在に迫ってみます。

目次

「前提」について前置きする

「機動戦士ガンダム」シリーズと言えば、2025年では「関西万博」で宇宙進出を目指す先端技術の紹介を交えたパビリオンを出展するなど、45周年を越えて一般的知見も取り入れられる程に広範なシリーズとなっています。
いよいよ半世紀も見えて来た程に長く広く愛されてきた事に拠る「作品の多さ」にあると言えます。

これは単なる一作品へ向けられる観点に留まらず、本記事のように「複数作品をまたいで歴史的な観点を考える」事も可能になるという、作品性に幅広さ・奥深さを与えるものとなります。
一方で、観点の複雑さや煩雑さを招き、同じ話題を扱いながら着眼点がずれる事で見え方が変わってしまい、伝えたい意図が間違って受け取られる事にもなりかねない難しさを含みます。
この為、話題とする資料(史料)の範囲を前もって整理し、何を伝えようとしているのか意図する所をあらかじめ説明しておく事で、それによって定められるものを「定義」と言う事があります。

話を伝わりやすくし、どのような観点から話が導き出されているのか受け手側から確認する道筋を示す事で伝わりにくい箇所にも再確認出来る余地を残す事に繋がる。
例えば今回のように「多数の作品に渡るので、あまりにも膨大な話にならないよう取り扱う作品数等に制限を掛けたい」というような場合に取り入れていくよう心掛けているものです。
持って回った話になるという欠点はありますが、伝えるという事は意外に難しい現実でも使いでのある方法論ではないかと個人的に考えているものでもあります。

アナハイム・エレクトロニクス

「アナハイム・エレクトロニクス」という「機動戦士ガンダム」シリーズにおける「宇宙世紀」を描いた作品群で作品をまたいで登場する、即ち「歴史的な」存在となっている企業体を扱います。
その巨大な存在感ゆえに「宇宙世紀」を扱う作品では陰日向にその影響力を現わす存在になっており、今や「表向きの話題」としても取り扱う作品がある。本来ただの一企業なのでおかしい事ではないのですが、その全てに関わる事はあまりに煩雑な話になってしまうという問題があります。

そこで今回は現実での発表時期の流れから「制作側の意図として一定の時系列及び連続性が担保されている」と言える「機動戦士ガンダム」から「Z」「ZZ」「逆襲のシャア」までの作品を「一連の歴史」と見る観点を提案します。
その上で、更に時系列的に「~逆襲のシャア」以降の世界情勢を描いた事で、直言はされていないものの「アナハイム・エレクトロニクス」が「斜陽」の頃を迎えたとされる「F91」。
同時期に制作された「過去の物語」となる「0083 スターダストメモリー」を「事件当時は秘匿されていた史料が後年になって公表もしくは発見された」という観点を仮定して扱うものとしました。

宇宙一働き者な企業?と軌跡

「ミサイルから靴下まで」出展が定かではないものの、それは「総合商社」のような企業が何でも取り扱うという事を若干の揶揄も交えて現わしたキャッチフレーズです。
それを「宇宙規模」にまで拡大したのが「スプーンから宇宙戦艦まで」。「宇宙世紀」の世界において、少なくとも15年、斜陽に至るまでを含めれば四半世紀に渡る「人類一般の消費行動」を陰日向から支えた屋台骨となった巨大企業「アナハイム・エレクトロニクス(AE社)」の掲げたキャッチフレーズとされます。

特に「一年戦争」以降は、最早狂的とすら言える商魂を発揮して、そのキャッチフレーズすら過小評価ではないかと思える程の「暗躍」を見せる事となる同社ですが、実は「一年戦争」期まではそこまでの存在感を示すには至らない。

後の発展を考えると、宇宙へ進出した人類にとって既に多くの供給を形作る重要な企業であった事は確かですが、一民生企業であったと考えられます。

「一年戦争期前後」までの動向から考えると、その規模と多方面に渡る展開力や開発力から恐らく地球連邦の成立、及び宇宙への移民政策を初期段階。
ともすれば連邦成立以前から支え、スペースコロニーや宇宙を航行する艦船の電子部品や電子機器(エレクトロニクス)を供給出来る規模を持った企業だったのではないかと推測されます。

そして「大量のスペースコロニーが建造される」時期には「航空宇宙産業の雄」としての立ち位置を確立させ。
一方で「連邦の仕掛ける宇宙移民政策に積極的な参与を果たした」という新興・開拓的な方針を採った事も推測されます。
これは、大規模な宇宙開発における重要な一歩である「宇宙での資源開発」という問題に対し「宇宙世紀」の世界では資源衛星等の開発を並行しつつ、月に前進基地後の「恒久都市」を建造しています。

月と「アナハイム・エレクトロニクス」


そして「月都市」において最も大きな支配圏を形成していると見られるのが、他ならぬ「アナハイム・エレクトロニクス」とされるのです。
これは月に直轄都市「アナハイム」を始め、宇宙世紀史上初の月の橋頭堡とされる「フォン・ブラウン市」や、サイド3(ジオン公国の中心地が存在するコロニー群)側への重要拠点となった「グラナダ市」に支社。
後年には大規模なモビルスーツ生産工場を持ったとされる事から「宇宙移民政策」に最初期段階から深く関与し、月開発の主導的な立場と共に支配権を確立したという流れが考えられます。

少なくとも表面上は政治力を行使するといった「暗闘」の結果に限らず、黎明期の宇宙開発という途方も無い困難に対して多大な業績を上げ「続けた」という事。月の開発規模、月の裏側にまで至るコロニーの配置状況を考えれば少なくとも数十年単位の大規模開発に主導的立場を取り続けてきたと考えられる。

地球連邦政府としてもそれを「顕彰」しないという事が有り得なかったと考えられます。
「アナハイム」という都市名を認めている事は、正に「顕彰」の最たる一つではないかと考えられます。

この観点から少々飛躍すると、月開発の初期から恒久都市の確立、及び月を中心とした資源・物資供給体制の確立。
「月の支配権」と言える規模の権益を完成させるまでの段階の「アナハイム・エレクトロニクス」は、確かな実力を持つ巨大企業ではあっても、政治的しがらみからは比較的自由な立場にあったのではないかと推測されます。
もしこの開発段階で既に多方面からの政治的しがらみを受ける立場であったとすると、例えば月の裏側には権益の及ばない領域を食い込ませるといった掣肘を受けた可能性、露骨な掣肘を回避する為に連邦政府の公的機関が設置される。
実質的な「監視」を受け容れるといった「利害調整」が起きる等の結果、経営の自由度が低下し、後に語られる程の規模には到達出来なかったのではないかと仮定する事が出来ます。

老練で政治力に長けた巨大企業としての性格より、理念や社会的使命への情熱を計算尽くであっても強く打ち出し、未だ定かならぬ莫大な権益へ向け邁進出来る実力と野心を兼ね備えた姿がそこにはあったと考えられます。
この「野心に突き動かされる発展が、社会的要請(地球連邦政府の政策)に沿う」という。
「幸せな関係」は、月での社会基盤確立、恒久都市「フォン・ブラウン市」の成立から、第二の都市「グラナダ市」の成立から「ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉」の技術が完成したと言える。「宇宙世紀0070」頃までには変質を遂げた事が考えられます。

これは「フォン・ブラウン市」の成立によって、それ以前にはどれだけ期間が長くとも「一時滞在」までしか出来なかった。月に限定的な範囲内とは言え「恒久的な居住が可能」となり、継続的な月の開発と共に市民生活の場が成立する事で従来とは一線を画する強固な経済・社会基盤が「発生」します。
月に「地球から物資を全部もしくは一部であっても送る必要の無い開発拠点」が成立する事は、地球にとって月の資源開発コストが大きく低下する事を意味する。地球連邦政府の「存在意義」とも言うべき「宇宙空間への居住環境開発」にも大きな弾みが付くとあって、この段階で月に「自治権が発生」する事は、得られる莫大な利益を天秤に掛けても大きな反対が出るものでは無かったと考えられます。

この「成功」は後に言う「地球圏」の開発に大きな筋道を付けたと考えられ、かつて探査困難区域とされた「月の裏側(地球から視認できない面)」に恒久都市「グラナダ市」を建造。
地球から一番遠い領域とされる「サイド3」の建造にまで至るという「宇宙世紀」における人類の居住範囲拡大に中心的な役割を果たした「多大な功績」であったとなります。

しかしその一方で「サイド3」が後に「ジオン公国」となった「歴史」が表すように「グラナダ市」の存在が「アナハイム・エレクトロニクス」の在り方に「直接的」な変化を与えたとされます。

ジオン公国

これは「ジオン公国」の誕生とも根底で関わる「宇宙への”移民”」が、実は「宇宙への”棄民”」だったのではないかとする疑念。結果的に「一度宇宙へ出た者が再度地球で居住権を得る事を禁止する」といった法律等によって「真実になってしまう」もの。
「地球を目にする事すら叶わない場所で一生を終えてしまう市民」という「新たな存在」によって明確なものになってしまいました。

地域特性として「グラナダ市」は「サイド3」の開発に直結する都市となりますが、それ以上に市民性として「強いスペースノイド支持」に傾く事で「一年戦争末期」にはキシリア・ザビによって集結された。
ア・バオア・クーに展開された戦力に匹敵するかそれ以上であったともされるものが、戦後丸ごと武装解除もされないまま「ジオン軍残党」となり、その後10年以上に渡って禍根を残してしまう原因にもなったとされます。
また「月の裏側」という地域特性は、月の開発が進もうとも距離を始めとして物理的障害が大きい事から、通信等を使っても同期が難しい場所であると考えられます。

恐らく元はこうした事情が背景にあった為「アナハイム・エレクトロニクス」は、各地の支社や生産工場単位にまで「独立採算制」とする事で、現地の需要に素早く答え、適切な商品設計で価格も抑えながら利益を挙げる。
且つ地域単位で有能な人材を受け容れる事で、地域の人材育成と雇用拡大等を踏まえた社会貢献を果たしながら経済圏を拡げていく方式ではなかったかと推測。
結果的にこの「独立採算制」が「アナハイム・エレクトロニクス」が「互いに相争う両陣営へ強力な新兵器を供給する」という「死の商人」たらしめる強力な推進力へなってしまったとされます。

そして「宇宙世紀」の有り様を決定的に変化させた「ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉」の開発では「グラナダ市」を通じて、民間企業としては最も早く、深い部分に関わる事で「スプーンから宇宙戦艦まで」と言わしめる研究開発力と生産能力を獲得したのではないかと考えられます。

初期のモビルスーツ開発

ただ、初期のモビルスーツ開発には、制御系や観測機器等のパーツやソフトウェア供給以上には関われなかったのではないかという推測が同時に提起されます。
これは地球連邦軍側においては未だ現役であった旧態の兵器(戦車や戦闘機等)に加え、モビルスーツ開発における起点となった「V計画」。初の量産機となった「GM(ジム)」を始めとする主力機はジャブロー等の軍施設において連邦軍直轄による兵器開発・生産が行われていたと考えられる為です。

他方ジオン軍側では、モビルスーツ生産の要となっていたのが「ジオニック社」と「ツィマッド社」であり、「アナハイム・エレクトロニクス」が入り込む余地は少なかったか無かったと考えられます。
モビルスーツがジオン軍にとって言わば「秘密兵器」であった事を鑑みれば、技術漏洩を防ぐ面からもあまり多方面へ協力を仰ぐというような事も少なかったであろうと考えられます。

その為一年戦争期の「アナハイム・エレクトロニクス」が関わったのは「主に」民生用宇宙艦船の大型炉心やその制御系。各種回路の対ミノフスキー粒子シーリングのような技術を始めとするミノフスキー物理学時代の広範な基礎・応用技術ではなかったかという推測が成り立ちます。
これもまた、敵味方という区別無く…基本的には「民需」となる、地球圏一帯へ供給されるものである。
地球連邦とジオン公国の軋轢が「経済制裁」の段階へ入ろうとも「独立採算制」の元に供給が可能であったという状況が成り立ち得るという事になります。
かくの如くにして「宇宙での無くてはならないロジスティクスそのもの」としてその地位を確立していったであろう「アナハイム・エレクトロニクス」ですが「新たな核心的技術」となった「モビルスーツ」に本格参入するのは「一年戦争後」の事とされます。

「モビルスーツ」と共にあった栄枯盛衰

一年戦争後、ほぼ無傷で一年戦争の戦火を免れたと言える月に拠点を置く「アナハイム・エレクトロニクス」。
解体された「ジオン公国」側の三大企業「ジオニック」「ツィマッド」及び「mip」の一部を解体、買収する事でモビルスーツ開発企業として独占的立場を得た事が「アナハイム・エレクトロニクス」飛躍の契機とされます。

少なくとも表向きには「兵器としてのモビルスーツ」がこれ以上必要となる事が無いはず。
実態として「一年戦争」の停戦及び講和は、戦場という特殊環境でほぼ偶発的に「首脳部だけが壊滅した」状態。
不安定な条件下で発効されており、その政治的主導も「反ザビ家派」、「ジオン公国」において主導的立場にあった「ザビ家」及び少数のシンパ(貴族)で構成。
首脳部から弾圧を受けていた政治家によって「ジオン公国主戦派≒ジオン公国軍」を切り離すような形で「体制変更」された「ジオン共和国」との間に締結されたという混沌とした状況にありました。

この為、事実上「ジオン公国」は政治的実態となる「ジオン共和国」と、残存軍事力そのものである「旧ジオン公国軍=ジオン軍残党」という形で二分されてしまう事になり、これが後に三度、10年余りに渡って地球圏の存亡を賭けた衝突を引き起こす勢力として離合集散をする大元となりました。
皮肉な事、或いは当然の帰結、もしくは死の商人としての悪意と辣腕の結果と言うべきなのか、いずれにせよ多大な影響、直接的には「敵味方区別の無い高品位モビルスーツの供給源」となったのが他ならぬ「アナハイム・エレクトロニクス」でした。

事の起こり自体は「一年戦争」における「戦後処理の失敗」。
如何に両軍の事情が一致したからとは言え、結果的に「疲弊の窮みにあった地球連邦」と「戦力を十分に健在させたジオン公国(軍)」という構図が出来てしまった。
この「残党」扱いを受けてしまった「旧ジオン主戦派」が「戦争を続ける意思」を持ってしまったという事に始まります。

戦後体制と連邦軍再建計画

これに対し「連邦軍」は残存した兵器や接収した兵器の改修を続けながら何とか「戦後体制」を維持しましたが、連邦軍の組織的再編が不可避として宇宙世紀0081に「連邦軍再建計画」が開始されます。

実際問題として、連邦軍内に「モビルスーツ」という戦闘単位が組み込まれたのが実質的に「V計画以降」、「一年戦争後期」という喫緊の出来事であった為、開発管理体制等が整備されていない状況だったとされます。
その為の組織再編と研究・開発・生産体制の整備という「無理難題」を解決する為の策として「外部委託」という形が取られ、そこで白羽の矢が立ったのが「アナハイム・エレクトロニクス」でした。

この際、連邦軍側では「ニュータイプ」等軍事機密に関わる技術は切り離し、外部委託は限定的な範囲で行いたかったとする思惑があったとも言われます。
そして宇宙世紀0083、「ある争乱(後述)」を切っ掛けとして、この計画が急務として新型モビルスーツの開発を急ぐ事になった一方、連邦軍内の組織構造が変貌を始めます。

「ジャミトフ・ハイマン」地球連邦軍准将(当時)が「ジオン残党狩り」の精鋭部隊として「ティターンズ」を結成、軍内部から連邦政府にまで発言力を一挙に高めた。連邦軍モビルスーツの開発・供給元から旧ジオン系を含むスペースノイド系企業を徹底排除するという方針を採った為、旧ジオン系の技術力を取り込む事で飛躍した「アナハイム・エレクトロニクス」も排除対象となってしまいます。

次期主力型の「量産機」という大口契約の進行と時期を同じくして、という「寝耳に水」どころではない惨事の渦中でしたが、連邦軍としても既に動いていた契約を突如反故にするまでは至らなかったか「宇宙世紀0085」には以降の「ロングセラー」となる「ハイザック」が連邦軍の主力量産機として配備されます。

0081から「正式な大口契約」が完全に履行されたのはこの一件のみと見られ、しかもその「名機」が相手取る事になるのが「本来味方であるはずの同型機」であったというのは皮肉が過ぎるというものだったかもしれません。

台所事情

「アナハイム・エレクトロニクス」のモビルスーツ事業にまつわる「台所事情」を考える。
戦後連邦政府が接収した旧ジオン系企業は「政治責任」こそあったものの、所属国が「ジオン共和国」へとすり替わった事で「企業的価値」や「健全性」が損なわれる事は無かった。連邦政府にも懐事情があったとは言え、軍事機密と丸抱えしてしまう形で「官営企業」等として管理される方向性も有り得た。如何に「アナハイム・エレクトロニクス」と言えど「安い買い物」ではなかったと考えられます。

更には、他ならぬ商売敵となった「ティターンズ」がモビルスーツの価値を強烈に後押ししていた事もあって、将来性の面からも「モビルスーツ事業を手放す」という選択は出来なかったと見られます。

そこで、どちらが先に働きかけたのかは不明ですが、宇宙世紀0083~0084にかけてブレックス・フォーラ地球連邦軍准将を首魁とする連邦軍改革派(後のエゥーゴ)と「アナハイム・エレクトロニクス(を中心とした財界シンパ)」による共同計画「Z計画(ぜーたけいかく)。

次世代主力モビルスーツ開発計画もしくは可変モビルスーツ開発計画」でした。
これは「ティターンズ」が「ニュータイプ」に関連する技術。「ニュータイプ」を「決戦戦力」とする動きから並行して研究された「変型機構」を始めとする高性能モビルスーツ(アーマー)に関する技術を押さえた結果。
新機軸の機体を生産可能としており、特に「ムーバブルフレーム」と称される量産性と高機能を両立した技術などは、完成されてしまえば技術力と戦力両面。
「アナハイム・エレクトロニクス」と「エゥーゴ」の双方が致命的な状況へ追い込まれるという脅威となる為、両者が対抗軸を打ち出す必然性に迫られた事から出来上がっていった計画だと考えられます。

ムーバブルフレームと系譜

この計画は「ムーバブルフレーム」を発展させる「変型機構」を持った超高性能モビルスーツ開発を主軸として研究されていたとされ、完成度が高く安定した高性能を発揮出来る技術を抽出する事で「量産性と汎用性」を高めた機体に移行していったと見られます。

その計画は難航を極め、特に「変型機構」は構造材の強度等が問題として立ちはだかった為、設計段階で一時凍結、その他の性能を高い水準でまとめる再設計を余儀なくされたものもありました。
そんな中で強烈なブレイクスルーとなったのが、宇宙世紀0084、アクシズに潜伏していた「シャア・アズナブル」が「クワトロ・バジーナ」という行方不明になった連邦軍士官の軍籍を乗っ取り、「エゥーゴ」へと参戦するという大事件でした。

この際持ち込まれたのが、かつての宿敵「ガンダム」に用いられたものをアクシズの技術者によって改良した「ガンダリウムγ」という新素材でした。
「Z計画」はこれを取り込む事で一挙に進展、開発段階では「ガンダム」の名も与えられていたとされる高性能機「リック・ディアス」の完成に至ります。かくして「エゥーゴ」が表舞台に打って出た一方で「ティターンズ」は、宇宙世紀0087に「新たな象徴」として「ガンダムMk-Ⅱ」を完成させます。

この機体は構造材の性能こそ「エゥーゴ」側の後塵を拝するものながら、採用された「ムーバブルフレーム」の性能は「エゥーゴ」のものを圧倒したとされます。「エゥーゴ」がこの機体の強奪を敢行した結果「ティターンズ」との衝突が確定し、後に「グリプス戦役」と呼ばれる「大乱」へと進展する事となります。

この際強奪された「ガンダムMk-Ⅱ」が「エゥーゴ」の主力として一時期戦況を支えた。
ここから取得された「ムーバブルフレーム」の技術が「Z計画」、ひいては「アナハイム・エレクトロニクス」の飛躍を支えた事は皮肉と言う他無い所でしょう。
強奪事件の直後「アナハイム・エレクトロニクス」は「マラサイ」「ネモ」という二機種の次世代型量産機を完成させますが「ティターンズ」は「ガンダムMk-Ⅱ」強奪の嫌疑。
即ち「エゥーゴ」との共謀を「アナハイム・エレクトロニクス」へ向ける事になります。

そこで「アナハイム・エレクトロニクス」は恭順の意思を見せる意味で完成していた「マラサイ」を「ティターンズ」へと無償提供したとされます。
その「提供の範囲」について詳細は不明とされますが、その時点で生産されていた3機を最低限提供したとされ、製造ライセンスや技術等のリバースエンジニアリングについても制限を求めなかったと考えられます。
これで嫌疑が晴れたのかまでは定かでないものの、同時期に開発された「ネモ」が「エゥーゴ」の正式採用となった事で、遂に「アナハイム・エレクトロニクス」が「両陣営へ明確に兵器を流通させた」という状況に至りました。

この後、戦火が激化するにつれて「ティターンズ」は「ジュピトリス」や「アクシズ」といった「どちらかと言えば本来敵対していたはずの勢力」から協力を取り付けるようになっていき、結果的に「アナハイム・エレクトロニクス」とは距離を置いていく事となりました。
そして「Z計画」はそれらの兵器へ対抗するように「百式」や「Zガンダム」といった計画の最終段階へと辿り着いていく事になりました。

サイコフレーム

特に最終到達点とされた「Zガンダム」は、後に「サイコフレーム」とされる技術にも似た「バイオセンサー」等も搭載されており、性能的に「数世代先んじる」程の「技術的オーパーツ」とも言える所まで到達したとされます。

「グリプス戦役」では、互いがとにかく目下の脅威に対抗すべしとしてモビルスーツ(アーマー)が乱造される状況と、特に「エゥーゴ側」が計画の隠蔽を図る必要性から「開発コード」や「型式番号」を偽装した等の経緯。
そして争乱の結果曲がりなりにも連邦軍を主導していた「ティターンズ」が崩壊した等の事情から、連邦軍のモビルスーツ開発環境がかなり混沌としたものになってしまったという状況を招いたとされます。

「グリプス戦役」の後、時を置かずして始まる「第一次ネオ・ジオン抗争」では大きな動きとしては「Zガンダム」の後継機と位置づけられた「ZZガンダム」の供給が行われた。他にルートは不明ながら「リック・ディアス」の強化型機体である「シュツルム・ディアス」が「ネオ・ジオン側」へと複数流通する等不審な動きも見せた。
モビルスーツが「安定供給」されている状況にあってその地位が盤石なものとなっている事を伺わせます。

洛陽のアナハイム・エレクトロニクス

「第二次ネオ・ジオン抗争」宇宙世紀0093年頃になると「独立採算制」が「隠れ蓑」と揶揄されるような状況にまで達し、同じ月の上でありながら「フォン・ブラウン市」では「連邦軍」のモビルスーツを作り「グラナダ市」では「ネオ・ジオン」のモビルスーツを作る。それぞれが「独立した企業」扱いなので互いの社員が「何を作っているか知らない」という状況にまで至ってしまった、という様子が描かれる事となりました。

状況をコントロール出来ているとは言い難く、また技術的にも「サイコフレーム搭載型決戦仕様」という「頂点」に達した事で次に至る技術を見出す事が難しくなっていたと言える。状況から「アナハイム・エレクトロニクス」という「一企業」は斜陽の時を迎えつつあったと言えます。

恐らくそうした時期「アナハイム・エレクトロニクス」の威信が低下した為か、連邦政府の機密指定が解除される時期が来たかの理由によって、資料「発見」もしくは「公表」されたと考えられるのが「宇宙世紀0083」に発生した「デラーズ紛争」に関する資料であると見る事が出来ます。

これは宇宙世紀0081に開始された「連邦軍再建計画」によって、その再建の象徴となる「ガンダム・タイプ」の主力機を開発せんとした「アナハイム・エレクトロニクス」による秘匿計画「ガンダム開発計画」を含むものでした。
この計画には、急ぎ戦況を打開する事を目指し「最強」を掲げたコンセプトが並ぶ事になり、後に「ムーバブルフレーム」を生み出す事になる基礎技術といった技術的貢献の高いものであった一方。
明確な「南極条約違反」となる「核搭載機」の存在や、試作機が裏ルートを通じて「シーマ艦隊」へ供給されてしまった。「ジャミトフ・ハイマン」が「ティターンズ」を結成した「危惧の具現」とすら言える一大スキャンダルとなってしまっており「スペースノイド系企業の排除」という強硬策が一定正しかったとすら言われかねないものでした。

果たしてこの宇宙世紀0093頃から宇宙世紀0100以降にこうした「歴史的再評価」があったのか定かではありません。少なくとも争乱の減少によってモビルスーツの受注が減少、研究開発が滞っていた事により軍の要求水準も達せなくなっていったとされます。

開発環境の複雑化や、それに伴う管理環境の煩雑化といった状況の打開も含め、宇宙世紀0102に地球連邦軍の研究開発機関である「サナリィ(海軍戦略研究所)」がモビルスーツ小型化の指針を連邦政府へ提示。
「アナハイム・エレクトロニクス」が要求水準を満たせなかったとして機種統合計画「フォーミュラ計画」を始動、宇宙世紀0111から0112頃にフラッグシップ機「F90」を完成。
以後のモビルスーツ開発主導権を「サナリィ」に委譲した事で「アナハイム・エレクトロニクス」の全盛期は終わりを告げたとされます。
以後も大手のモビルスーツ企業として存続し、主力モビルスーツを輩出する事もあったとされますが、かつての栄光とまでは行かなかったようです。

アナハイム・エレクトロニクスとは

かくして「アナハイム・エレクトロニクス」という「機動戦士ガンダム」シリーズにおいては主要人物にも負けず劣らずの存在感を放つ「企業」が辿った歴史を俯瞰して眺めて見ました。
やはりその「活躍」或いは「暗躍」ぶりは目を見張るものがありました。
もう少し「企業としての不可抗力」や「大きな存在が故の不条理」といった悲哀のようなものを感じさせる所があるのかと思ったりもしましたが、どちらかと言えばそういったものを力尽くでねじ伏せて行った。
故に「宇宙世紀」という世界を作り上げた立役者としての立場があったと思えるものでした。
「歴史」を辿る事で見えてくるものがあるという楽しみ方について、考える一助などにして頂ければ幸いです!

ちなみに「アナハイム・エレクトロニクス」という「非常に現実的な」社名は、現実でのアメリカ・アナハイムに拠点を構える実在の企業を始め、日本国内にも幾つか同名企業が存在するとされます。
いずれも業態、業務は様々ですが、ここから「モビルスーツ」のようなものを作り上げる企業が表れるのかと期待してしまいます。最も、政争や暗闘はお控え願いたいものです。

※画像はイメージです。

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