青山霊園は東京都港区の青山2丁目に広がる広大な墓地です。
霊園と聞くと「怖い場所」と感じる人もいるかもしれませんが、緑豊かな散歩道や春には美しい桜並木やがあり、都会のオアシスであり、多くの人が四季折々の自然を楽しむために訪れています。
ここには幕末の志士や政治家等の著名人、ちょっと変わったところで忠犬ハチ公の眠る墓もあり、日本でトップクラスの高級霊園としての側面もあります。
しかし、青山霊園には昼の穏やかな顔とは裏腹に、夜になると不思議な現象が多発するミステリースポットとしての顔もあるのです。
幽霊を乗せて走る夜のタクシー
青山霊園で語り継がれる怪異の中でも、最も有名なエピソードが「タクシー幽霊」の話でしょう。
夜遅く、青山霊園の近くでタクシーを待つ若い女性を見かけたタクシー運転手が、車を停めて彼女を乗せました。行き先を告げられた後、運転手はその女性がバックミラーで時折こちらを見つめるのを気にしながらも、目的地に向かいました。
しばらくすると後部座席の気配が消えたように感じ、不安を感じた運転手が振り向いたところ、彼女はすでに姿を消していたのです。不思議に思い、車を停めて後部座席を確かめるもシートがびっしょり濡れているだけで誰もいません。
女性の降りる気配やドアが開く音すらなかったにも関わらず、彼女はどこかに消えてしまっていました。
ちなみに話を霊園近くを流しているタクシードライバーに話すと「霊園近くではよくあること」と言われるそうです。
本当にそうなのか確かめる為、仕事の打ち合わせの帰りに青山一丁目から渋谷までタクシーに乗って、ドライバーに話をしてみると・・・なんだか凄く嫌な顔をされました。
夜の肝試しの行方
もう一つの定番として、青山霊園に肝試しに訪れた者たちが、異世界に連れ去られて行方不明になったという噂があります。
私は学生の頃にこの近辺の学校に通っていて、そのときに聞いたエピソードです。
ある大学のグループがコンパの帰りに肝試しに訪れ、霊園を探索しているとふいに現れた初老の紳士に「ここから先は入らないほうがいい」と注意されますが、気にも留めずに進み続けました。
するとグループのうち1人が「おい、見ろよ!変じゃないか?」と声を上げると、前方からだんだんと霧がたちこめ始め、そのなかに何か人影のようなものが動いているのです。その異様な光景に恐ろしさを感じて、全員が逃げようとするのですが、霧に包まれ一人一人と姿が見えなくっていきます。
霊園を抜け出した何人かはすっかり酔いが冷めて、慌てて捜索を始めたものの、ついに見つけられないまま夜明けを迎えてしまったのです。
それから警察の捜索にもかかわらず、その居なくなった人たちは二度と戻る事なく、「異世界に引き込まれたのだ」と囁かれるようになったのでした。
この話を聞いた頃は、ほんとうに怖かったのを覚えています。
ただ用事で赤坂方面へ行くことが多々あって、霊園を突っ切ったほうが早道なので夜昼と無く通っていると、不気味だけど仕事の方が大変で気にしてられない・・・いやいっそ異世界へいざなって・・・なんて思う事もありました。
昼と夜、二つの顔を持つ青山霊園
昼の青山霊園は、散歩や有名人のお墓を訪れる人々で穏やかに賑わいます。
しかし夜になるとその雰囲気は一変し、恐ろしい話の舞台と化すのです。
もし夜に青山霊園に足を踏み入れる機会があれば、ひっそりとたたずむ墓石に目を凝らさないようにご注意を。もしかしたらそこには、あなたをじっと見つめる誰かの視線が潜んでいるかもしれません。
とはいえ、あくまでも墓地なので安らかに眠る人々を妨げるような振る舞いは避けましょう。
※画像はイメージです。
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