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ばけトン

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私が働いている会社では時々飲み会があり、古い体制の会社なので断れません。
それに私はお酒を飲まないので、その度に女性の先輩の送迎を仰せつかります。

私の家から先輩へ家に行くには、地元で「ばけトン」と呼ばれている、短いトンネルが3つ間隔を開けて並んでいる道を通らなくては行けません。「ばけトン」はお解りでしょうが「おばけトンネル」の略で、いつ誰が言い始めたのかは分かりませんが、「トンネルの中におびただしい量の長い髪の毛が落ちていた」、「2つ目のトンネルの壁が血のついた手形で覆われていた」、「トンネルの中で女性の幽霊の目撃される」等の怖い噂が絶えないのです。

私は霊感はなく、そういった類の話を全く信じていない・・・のですが。

目次

先輩のお迎え

2月の真冬、外は雪が降り始めています。
いつものように後部座席に先輩を乗せて、先輩の家から飲み会をする居酒屋へ向かっている途中、ばけトンの入り口が見えてくると、先輩がふざけて「暗いしさぁ、まじで何かあったどうしよ?」と怖がるふりをして絡んできます。
私はすこしウザいとおもいながら、「あるわけないじゃないですか(笑)」とばけトンに入っていくと・・・。

1つ目を抜け、2つ目のトンネルに入った直後、突然車の天井に大雨が降ったような「バラバラバラバラッ!」という音が聞こえて、あまりの音の大きさにビックリして思わずブレーキを踏みました。
音は直ぐに止み、周りに車もなく、何が起きたか全く分かりません。だから私たちは「車の雪が落ちたんだ」無理やり納得して再び車を走らせました。

早くこのトンネルから出たい気持ちとは裏腹に、なにが起きても対処できるように・・・むしろ怖くてノロノロとしか運転ができません。
そうしていると3っ目のトンネルを出る直前、車の全てのドアから「バンバンバン!」と叩くようや大きな音が!
先輩も私も悲鳴を上げながら、トンネルを抜けていったのです。

居酒屋まで無言、先輩は少し泣を浮かべているようでした。

信じてもらえない

飲み会では、トンネルで起きたことを同期や上司にも話しましたが信じて貰えません。
むしろ普段は泣くことなどない、バリバリのキャリウーマンのイメージがある先輩がいじられて、酒の肴になっていました。

お開きになった頃には雪は止んでいました。
車に戻るとなぜか雨に濡れたようにビシャビシャ、降りた時はそんなことなかったはずなのに、車のあらゆる場所にベタベタと泥のついた手で触ったように汚れているのです。

それを見た周りはドン引き。同乗してきた先輩は大泣きしてしまい収集がつかず、別の先輩の家に泊めて貰うことになりました。
私は仕方なく乗って帰るのですが、流石に気持ち悪い。唯一の救いは、ばけトンを通らずに済むことです。

それから

しばらく社内は、ばけトンの噂でもちきりでした。
同僚でそういうのに詳しい人の話によれば、過去にトンネルの出口付近で子供が轢かれて亡くなった事があり、その辺りで子どもの幽霊を轢きそうなって事故を起こす車がいるそうなのです。
たぶん原因はそれなんじゃないかな?と思います。

霊感がなくて信じてなくても不思議な事は起こる。改めて恐ろしさを感じました。
いずれにしても、この1件で先輩は引越しをしたので、私はあのばけトンを通ることが無くなったで安心です。

※画像はイメージです。

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