「バトルホーク」は、マジンガーZやデビルマンの永井豪、そしてあのカルトアニメ「チャージマン研」のナックが
生み出した超マイナー(?)特撮作品。
この組み合わせ、当然ただごとで済むはずはアリマセンw
バトルホークの基礎知識とその頃の特撮
バトルホークは、原作が永井豪、制作が東急エージェンシーと(あの)ナック。意外にも、特撮はゴジラ作品の有川貞昌、合成が円谷作品を手がけた中野稔で、チョットびっくり。
さらに脚本には辻真先も参加しており制作陣は中々の面々であります。
放送は1976年、東京12チャンネル(現テレビ東京)で全26話制作されました。
1976年は、ウルトラシリーズ・仮面ライダーシリーズとゴジラも一旦終わってしまった、3大特撮不在のエアポケットのような時期です。
ちなみに前年には、のちに特撮のビッグタイトルとなる戦隊シリーズ第1作「秘密戦隊ゴレンジャー」が始まりましたが、3大特撮という王者が不在で、各社の方向性やアイデアが混沌とした群雄割拠な状態といった感じでしょうか。
そんな中、いろいろ考えて「よしっ、こんなのどうだ!」ってな感じで、結果「こんなの出来ちゃいました」な作品が多出してきた、そんな時代なのかなぁ…と個人的には印象を持ってます。
この年の特撮作品は東映の「ザ・カゲスター」「宇宙鉄人キョーダイン」や東宝の「円盤戦争バンキッド」、円谷プロは「恐竜探検隊ボーンフリー」「プロレスの星アステカイザー」など。
なんとなく微妙な作品が並ぶそんな空気の中、ひときわ異彩を放つマイナー特撮ヒーローがこの「バトルホーク」。
あらすじ
物語は、世界一と称される武術家・楯哲舟が「凶鬼の掟」に命を奪われる。
「凶鬼の掟」は世界の秩序の破壊を目的とするテロリスト集団。
支配者は黄金大帝、その下に紅鬼大人など5人の大幹部(五色衆)と戦闘力の高いテロル闘人という怪人、戦闘員で組織されている。
死の間際、哲舟は孫たちにアメリカ修行時にインデアンから譲り受けた、ゴッドホークで変身してバトルホークとして戦うよう意思を託す。楯彰伍・大二郎・ユカリの3兄弟がそれぞれのゴッドホークを空中に投げると彰伍はバトルホークに、大二郎はビッグホークに、ユカリはクイーンホークに変身。
3人はトマホークを武器に「凶鬼の掟」「テロル闘人」と闘うのだった。
というのが、基本的な内容です。
では、1話~4話まで視聴して感じた点を述べさせていただきます。
変なところ
やはり、なんと言ってもこの3人のヒーローのデザインがケレン味が強すぎて、正義の味方には見えずらいなぁ。
特にクイーンホークはピンク色は入ってますけど(悪魔みたいな)顔が怖い、多分言われなければ女子ヒーローだとわからないかも。
思うに、永井豪作品は漫画やアニメのように絵としての表現だとすごく魅力的なのですが、特撮作品だとなんか浮いてしまう感じで、もしかしたら実写と相性が良くないのかもですね。
主題歌の出だしのフレーズ「真っ赤なタイツ~地を走り」は主人公のことを言ってると思うのですが、なんか危ない人を連想させます。別のフレーズにすべきだったのでは?
ちなみに歌は「機動戦士ガンダム」の池田鴻です。
戦闘員のコスチュームが変、藤色とゆうか微妙な紫のレオタードにこれまた真っ赤なタイツ、胸のところに変なプロテクターはっきり言って気色悪い。
製作者はよっぽど真っ赤なタイツが好きなのか? アレ、真っ赤なタイツって主人公のことじゃなく戦闘員のことだったりする?
変身アイテムである小さな斧(ゴッドホーク)が手のひらより、ひとまわり大きい程度で中途半端。
兄弟が戯れあってるとき、哲舟が「これ軽々しくオモチャにするな」とたしなめる場面があるのですが、昔の縁日なんかで売ってるパチモンのオモチャにしか見えません。
もう少し大きくするか、小さくするかどちらかにした方がしっくりする感じがしました。
第一話で哲舟が敵幹部・紅鬼大人と戦うところ、夜だったのに場面が変わりテロル闘人と屋外で戦闘になったらいきなり昼になっていた。編集が雑なの?それとも、これもテロル闘人の能力?
と、あげたらキリがないかもw
いえ、い、いいところもあるんですよ・・・エエ。
期せず良かったところ
少し胡散臭いながらも、昔のカンフー映画や台湾武侠映画(キン・フー作品みたいな)を彷彿させる様な雰囲気が結構いい。アクションが結構頑張ってる。
楯兄弟の家や第4話の庭での戦闘は、タランティーノのキル・ビルみたいで好きです。
東映や円谷のヒーロー物を見慣れてると、独特の味わいがあって逆に新鮮に感じるかも。
敵組織「凶鬼の掟」と言うひびき、ネーミングセンスが良い。「闇が醸した憎しみの妖精、テロル闘人」とゆうフレーズもいい。
正直、興味半分で見たんですが結構面白かったです。
全体的なチープ感は否めませんしケレン味やアク強さとかもありますが、逆にそれがキッチュな魅力になってるとも思いました。
言い方は悪いかもしれませんが、駄菓子には駄菓子じゃないと味わえない美味しさがあるって感じですかね。
追い追い、続きも見てみたいなと思ってます。
(C) 永井豪 ダイナミックプロ / 創通エージェンシー ナック
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