1991年2月、イラク軍によるクウェート占領をきっかけに始まった湾岸戦争は、米軍を中心とした多国籍軍による地上での反撃の段階「砂漠の剣」作戦を開始します。
この地上戦で米軍とイラク軍は唯一の戦車戦である、73イースティングの戦いを展開する。この戦いについて紹介します。
湾岸戦争
1990年8月のイラク軍によるクウェート占領を受けて、国連安保理はイラクに対してクウェートからの撤退を求める決議を出しますが、イラクのフセイン大統領は拒みます。
国際社会はアメリカ軍を中心とした多国籍軍を結成してイラクに対抗するようになります。
1991年1月16日に多国籍軍はイラクへの空爆を開始し、湾岸戦争は開戦。
2月24日には次の段階として地上戦に突入します。砂漠の剣作戦と称するこの作戦は、イラク軍が占領するクウェートの解放を行うのが目的です。
イラク共和国防衛隊
砂漠の剣作戦はクウェート解放と共に、クウェートやイラク南部に展開するイラク軍、その中でも精鋭である共和国防衛隊の部隊を撃破するのも目的です。
共和国防衛隊はフセイン大統領直属の軍団で、将兵がフセイン政権の政党であるバース党の党員で構成されています。
正規軍とは別に作られたエリート部隊は、装備もイラクでは最新のT-72戦車が配備され、編成でも戦車や火砲が陸軍よりも多く配備される優遇さがあります。
そんな共和国防衛隊は多国籍軍の進撃に備えて、5個師団をクウェートの北部や西部に配置してます。国境の前線は正規軍であるイラク陸軍の部隊が居ました。
共和国防衛隊は反撃の戦力として控えていたのです。
アメリカ第7軍団
一方で多国籍軍では地上戦において要と言える軍団がありました。
それがアメリカ陸軍第7軍団です。
駐留していた西ドイツからサウジアラビアに移動して来たこの軍団は、2個の機甲師団と1個歩兵師団を中心に編成され、更に機甲師団である第1騎兵師団も予備部隊として加わり機甲戦力が結集した軍団になっています。
戦車は1690両、装甲車は1950両と強力な機械化部隊です。更に攻撃ヘリ370機も持つ陸と空の攻撃力が高い軍団です。
第7軍団はクウェート西部のイラク南部を正面から進みます。
強力な戦車軍団である第7軍団と、イラクの精鋭である共和国防衛隊は戦う事になります。
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eyecatch source:JO1 LEE BOSCO, Public domain, via Wikimedia Commons
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