私が高校生の時、卒業式の当日に体験したお話です。
私は県外の大学に行くので”地元の友達ともしばらく会えなくなる。卒業かぁ。”と思い出を振り返りながら入場の合図を聞き体育館に入りました。
すると会場中からたくさんの「おめでとう!」と祝福の声。大きな声で保護者の方々が次々にお祝いの言葉をかけてくれています。母や友人のお母さんの声も聞こえ何度も「おめでとう!」っと言ってくれるので通りすがりに軽く会釈をし席につきました。
音楽学部がある学校だったので、毎年聖歌隊の学生が生歌を披露してくれるのは知っていたのですが、こんな声かけをしてくれるアットホームな式だったとはびっくりです。面白いなと思いながら式は始まり、無事に卒業証書も受け取り式を終えました。
友人や先生たちと別れを名残惜しんだ後、家に帰り母に「今日の式すごい賑やかだったね〜!みんな”おめでとう!”って言ってくるからびっくりしたわ〜」っと言うと、
『え・・・何言ってるん?聖歌隊の歌しか聞こえない厳かな雰囲気だったよ!』と。
「え・・・?だって◇◇(友人)のお母さんがめっちゃ”おめでとう!”って言ってくれたから会釈もしたよ!」
『は?◇◇のお母さんは私の隣にいたよ。確かにあんた、なんか前の方で会釈してたわ。誰にしてたん?』
「え、だからお母さん達の声がした・・から・・」
『お母さん達は後ろの方だったよ。あんた、見えない人の声が聞こえたんじゃないの?』
その瞬間鳥肌がブワァッと立ち、私しか聴こえない声を聴いていたのだと分かりました。
1人だけじゃない複数の祝福の声。
祝福の声は明るくて楽しそうだったのできっと悪いことじゃない・・・はず。
地元を離れる私を明るく送り出してくれたのかな。応援してくれていたのかな。そんな風に思いました。
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地元を離れて10年経ちましたが、今でも卒業のシーズンが来るたび毎年思い出し”この地で今日も頑張ろう”と奮い立つことができています。
※画像はイメージです。
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