ある日突然、霊感が芽生えた?!

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ある日、「私、おかしくなっちゃったのかな」と思った事がありました。

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霊感が目覚めた

ある日突然、見えている世界が変わった。
道を歩けば血だらけの女性ににらまれ、交差点では耳元で「見えてるんでしょ」などと囁かれ。
帰宅途中の夜道にて、ぎゃあぎゃあ泣きわめく赤ん坊が乗った乳母車を押す老婆に追いかけられた。

自分以外の誰にも見えていないらしいことと、「見えてるくせに」やら「目が合ったでしょ」といった言葉をかけられたことから、霊感が備わったのだと思った。

私が思春期真っ盛りだったころは、いわゆる「オカルトブーム」の全盛期で、「写真に浮かばれない霊の姿が!」だの、「何気なく撮影した映像に怨霊が」だのといった話題が毎日テレビを騒がせていた。
そういった番組や特集には、必ず「霊能力者」の姿があって、奴らは神妙な面持ちで、もっともらしいことを言っては、恐怖をあおるのに一役買っていた。

もちろん、そのすべてが本物だったとはさすがに今では思っていない。
とはいえ、あれほど仰々しく「霊波動」とか「霊の悲痛な叫び」と言っていた人たちのなかには、本当に能力のある人もいただろうとは思っている。
そして若かりし日の私は、そういった「霊能力者」にあこがれを感じていたものだった。
だから突如わが身に降ってわいた「霊感」に戸惑いはしたものの、「これがあのとき、憧れていた人々が見ていた世界なのだな」と思うと、少しうれしくもあった。

「霊感」の正体

その無邪気な喜びを打ち砕いたのは、健康診断の結果というまったく予想外の方面からの警告だった。

「脳に深刻な問題が生じている可能性がある。大至急、精密検査を受けてください」

会社で受けた健康診断の結果に同封されていたのは、「指定する以下の診療機関で厳密な検査を即座に受診しろ」という、かなり切羽詰まった警告文書だったのである。
あまりにも鬼気迫る内容の書類だったので、渋る上司を説き伏せてなんとか休暇を取り、慌てて私は書類に名前が挙げられていた大学病院の門をたたいた。

結果はクロ。

医者に「どうしてこの状態で生きているのかわからないレベル」と言われるほどの、深刻な脳の病気が見つかってしまったのである。
もう少し放置していたら、確実に私は生きていられなかったらしい。

ちなみに原因は、いわゆる「ブラック連勤」というやつだ。人手不足で多忙を極める我が勤め先は、地元では名の知れたブラック企業だ。サービス残業や徹夜は日常茶飯事、社員の平均的な残業時間数は年単位に及ぶとも言われる待遇で、ご多分に漏れず私もおよそ人間の生活をしていなかった。
病気療養を理由に休んだところ閑職に回され、業務はすっかり減ったのに給料はそれほど変わらなかったことに絶望したが、何とか私は一命をとりとめた。

それと同時に、「霊感」もすっかり消え失せた。
私が喜んだ「霊感」は、脳の病気が見せた幻覚や妄想の一種だったようで、体調が整ってからはすっかり見えなくなってしまった。
「幽霊よりも人間の方がよほど怖い」とは、こういうことを言うのかな?とたまに思い出しては笑ってしまう。

腑に落ちないこと

腑に落ちないというより、『笑い話にしたくて、そのようにしている』と言った方がいいだろう。
「病気のせい」では説明のつかなかった事例が、実はいくつかあるのだ。
「本当に自分に霊感が備わっていた時期があったのでは」と思うと、今は怖くて仕方がない。

その事例というのは。
ひとつ、とある晩に女の幽霊に首を絞められたときの痕が、いつまでたっても消えてくれないこと。
そして、もうひとつ、
「うちの会社の向かいにあるコンビニ、近いうちに事故に遭うよ。車が突っ込んでくる」
という予言が当たってしまったこと。

どうがんばっても「病気のせい」で説明しきれないこれらの事実を、果たして私はどう受け止めたらいいのだろう?

※画像はイメージです。

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