私が中学一年生の二学期の頃、学校で「こっくりさん」に近い「分身さん」という遊びが流行っていた。
やり方はこっくりさんの10円玉を鉛筆に変え、呼び出したい人間の生き霊を呼び出して質問するというものでした。
私は友達と毎日のように分身様で好きなクラスメートや友達の生き霊を呼び出し、他愛もない質問を繰り返していたのですが・・・恐ろしい事が起きた・・・私の実体験です。
返ってくれない「分身様」
部活動を終え教室に戻ると、いつものように友達達が分身様をやろうと待っていてくれました。
そうして夢中になって分身様をやっていて、ふと気づくと最終下校時刻はとっくに過ぎていたのです。
本当なら先生が見回りに来て「帰れ!」と注意されるのですが、なぜかその日は現れません。学校に私達以外は誰一人として残っておらず、辺りは薄暗くしんと静まり返っていました。
われに返った私達は不気味さを感じ、すぐに帰ろうとして、分身様に帰っていただこうとしたら「ノー」という返事をしてきます。必死に何度もお願いしても「ノー」ばかりで弱ってしまい、「イエス」を待たずに分身様を中止して廊下へ出るドアの前に来た時です。
友達の一人が驚きながら「あれみて!」と指さした、その先には・・・。
「分身様」現る
ドアのガラスから見えた廊下に白い幽霊のようなものが、私達に微笑みかけているように見えるのです。
「あっちにも!」と友人が叫び、奥の壁際にも、長い髪を垂らした女の幽霊が眺めている。
教室の中のガラスのどれかが変に反射してるせいかもと思って、教室の電気をつけたり消したりするのですが、いっこうに消える事はありません。やむなく思いきってドアを開けて教室を出て、全力で廊下を走り抜け脇目もふらずに学校を飛び出しました。
次の日、クラスメイトに怖かった話をしても、笑われるだけでだれも信じてくれませんでした。
ただ、自分たちも恐ろしい現象を体験したくないと思ったのでしょう、その日を境にだれも分身様をしなくなったのです。
※画像はイメージです。
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