私は人よりも敏感で、それが霊感なのかは解りませんが、「何か見えるような気がする」とか「あそこには近づきたくないなぁ」なんて感じる事が今でも多くあります。
でもこのことを誰かに言えば、変な人だと思われてしまうのがイヤで、自分の中だけにしているのです。
三人兄弟の末っ子で、二歳上の兄と一歳上の姉がいますが、昔は犬猿の仲とも言えるほど仲が悪く、お互いに目があったら喧嘩になるので口すら聞かない生活を送っていたので、兄弟に相談する事もありませんでした。
10年以上前、中学一年生だった頃の事で、私は・・・・。
姉の話
ある日の夕方、母の運転する車で買い物へ近所の大型スーパーに向かい途中。
後部座席で助手席に乗っている姉と母が繰り広げる、たわいもない会話を耳にしながら、ぼんやりと窓の外を眺めていいました。
すると地元で「出る」と有名な道にさしかかり、ふと、そんなことを思い出した時。
「ぎゃぁぁぁ!!!!!!!!!!」
姉が凄まじい悲鳴が上げ、それと同時に車を停車し、母が困惑した表情で話しかけます。
「どうしたの!?なに?!」
すると真っ青な顔の姉が、「お母さんお婆ちゃん引いた、道渡ってたお婆ちゃん引いた」と言って泣き始めました。
私も母も慌てて車から降りて前後を確認しましたが、なにもありません。
姉に聞くと、人なのか人じゃないのかがわからない物が見える事があるというのです。
見えることを知った
兄弟で共通の習い事があり、地元から少し離れた場所の教室まで、母の車で送迎してもらっていました。
その時は母の用事で出発が遅れてしまい、近道でも道が険しいので通行しない峠道を通る事になったのです。
これといって何があった訳ではないのですが、漠然と「怖い」と感じので狸寝入りをしていた時、車が急ブレーキをかけてスリップして、大回りをしながら止まりました。
驚いて飛び起きると、母が「見た??」と他の兄弟に聞いています。
兄も姉も「見た!見た!見た!」と興奮さめやらない状態ですが、私は怖くてなにも言えずに黙っていました。
車を降りて確認しても、なにか轢いた様子はありません。
母は幽霊だとすると、ついて来てしまうと言う言い伝えがあるから、何が見えたかは言わないようにと私達兄弟に告げました。
でも、姉と兄が二人して「もう遅いよ。だってここに居るもん。」と、誰も座ってないハズの座席を指差しながら言い始めると、母は何も言わずに二人の目をみてからラジオのボリュームをあげました。
目的地についてドアを開けた瞬間、「バイバイ」と手を振っていた二人を母がたしなめたのが今でも印象に残っています。
兄弟の関係
この事がきっかけで、兄と姉は仲良くなりました。
私もこの時に家族全員が視える人だとは知って驚き、自分もそうだと姉に伝えると「お前はあの時になにも言わなかった、見えていたなら、その後になんで話さないの?」と言われました。
すかさず「母が話していけないと言ったから」と涙目で訴えるのですが、居合わせた兄には「見えないクセに嘘つき」と罵倒されたのです。
それからというもの、そんな事は無いはずなのですが母も私に冷たく当たるように感じるようになりました。
いつも、いたたまれない気持ちの日々が続き、高校を卒業すると同時に家を出て、家族と連絡を取るのを拒んでいます。
※画像はイメージです。
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