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CIAの拷問手段を考察、法拡大でウォーターボーディング以上の拷問をやるのか?

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2014年、オバマ政権下におけるアメリカ上院情報委員会の報告で明らかにされたのは、CIAがアメリカに対するテロ行為の容疑者とされた人々に対し、予想を超える拷問を加えていたと
言うかなり衝撃的な内容だった。
これは2001年に発生したアメリカでの同時多発テロと言う、自国内への大規模なテロ攻撃に晒された当時のブッシュ政権がその再来を恐れるが余り、先のCIAや法執行機関に暴力的な
取り調べを是認していた状況が背景にあったと言っても過言では無いだろう。

無論通常の犯罪に対してはアメリカの刑法上からも、又人道的見地からもこうした拷問の実行は容認されてはいないが、同時多発テロがもたらした「テロとの戦い」と言うフレースは
目的の正しさの前では手段が正当化される事は当然と解釈されたように感じられる。

こうした思考は2020年の大統領選挙で再選を逃したトランプ氏も口にしていた時期があり、テロ組織に対する拷問は必要悪だと見做す風潮は今のアメリカには根強いのだろう。

目次

CIAが拷問を正当化していった理由

実はCIAを始めとした政府機関でも絶えず拷問が情報を得る手段として使用され続けていた訳では無く、前述の2001年の同時多発テロがそれを前面に押し出すまでは下火になっていたと言える。
数多くの分野でその後の参考となる手法が産み出されたのが第二次世界大戦だが、国家の総力を挙げた戦いの副産物として捕虜への尋問にも非暴力で効果的な方法が生み出された。
これはドイツ空軍の軍人で捕虜の尋問を担当したハンス・シャルフが試みた手法であり、大戦中のドイツ軍はもちろん、その有効性を敵だったアメリカ空軍も認めてそれを取り入れた。

シャルフの手法が評価されたのは、非暴力での尋問の結果は、暴力を伴う場合のように目先の苦痛から逃れる為に虚偽の情報等を掴まされる可能性を引き下げた点にあるとも言える。
よってこれは尋問する側・される側共にメリットのある手法だったと思われるが、同時多発テロによってほとんど史上初めて外国からの攻撃を受けたCIA等は短絡的な拷問の実施へと回帰した。
CIAが再度のテロ攻撃を恐れる余り暴力的な拷問のほうが即時性が高いと考えた事、また所謂異教徒としてのイスラム原理主義に理屈は通用しないと考えた事とうがその主な理由だろう。

こうしてCIAでの拷問が内部的に正当化されると、必然的により効果が高いと思われるやり方を模索するべく、単純な打撲だったり、睡眠を妨害するなど各種の拷問方法が実施された。
そうした中で果てには「ウォーターボーディング」と呼称される水責めが行われるに至り、この「ウォーターボーディング」こそがトランプ氏も一時は賛成していた拷問手法である。

アメリカホワイトハウス

実は古典的でもある「ウォーターボーディング」

「ウォーターボーディング」と聞くと日本では馴染みが薄いかも知れないが、前述の通り水責めの事であり、拷問を加えられる相手に対し溺死の苦痛を与えようとする手法を意味する。
その為、水責め自体は中世のヨーロッパにおける異端審問や、日本の江戸期等でも罪人へ拷問に見られる古典的な手法であるが、映画やドラマなどで多く目にするそれらとは似て非なる。
と言うのもそうした際に多いのは顔を水に強制的に浸し苦痛を与える描写が主だが、実際の「ウォーターボーディング」では身体の反射を利用して窒息状態に陥れる手法が用いられる。

具体的には対象者に対し頭部を下にして台などに仰向けに固定し、頭部は穴を空けた状態の袋や布で覆い、その状態で鼻や口に直接水を流し込むと言う手順で「ウォーターボーディング」は行われる。
この状態だと身体は咽頭反射によって嗚咽を生じ空気を排出してしまうため、容易且つ簡単に窒息状態に至らしめる事が可能であり、絵的には地味だが非常に大きな苦痛を与える。

拷問を受ける対象者にとっては通常の打撲等での痛みを感じる手法と異なり、日常的には体験する事の少ない窒息と言う苦痛であるため大半の人物に大きな効果をもたらすとされている。
また行う側にとっても、拷問対象者の身体に外傷が付きにくいと言う点が大きいと考えられており、万一の場合でも加害の証拠が残りにくいと言う点もポイントに上げられるだろう。

「ウォーターボーディング」へのアメリカの政治的見解

前述の様に「ウォーターボーディング」は謂わば擬似的に溺死に近い状態を作リ出し苦痛を与える拷問手法であるが、加減することで実際には死に至らしめる事は無いとも言える。
また厳密には溺死するかも知れないと錯覚させ恐怖を抱かせる事は痛点を刺激する苦痛では無いとして、アメリカ政府は身体に物理的被害を与える拷問には当らないと強弁している。

これによって捕虜への拷問行為を禁じているジュネーブ条約にも違反していないとの見解をアメリカ政府は示しているが、国際的なコンセンサスを得られているかと言えば疑問符が付く。

「ウォーターボーディング」のまとめ

2014年のアメリカ上院情報委員会で、2001年の同時多発テロ以降、CIAがテロ行為の容疑者に対し拷問を加えていたと報告され、トランプ氏もテロ組織に対する拷問を支持していた。
第二次世界大戦後、CIA等でも拷問は下火になっていたが、同時多発テロ以降に回帰したと言え、「ウォーターボーディング」と呼称される水責めもそうした中の手法のひとつである。

「ウォーターボーディング」は中世ヨーロッパ等でも見られる古典的な手法だが、身体の反射を利用して窒息状態に陥れるもので、容易且つ簡単に窒息状態に至らしめるものと言える。
対象者にとっては日常的に少ない窒息と言う苦痛をもたらし、行う側も対象者に外傷が付きにくいと言う加害の証拠が残りにくいと点がポイントになっている。

このためアメリカでは溺死の錯覚は痛点による苦痛では無いとし、拷問には当らないの見解を示しているが、国際的なコンセンサスは得られていないだろう。

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