久しぶりに実家に帰ったとき、地元の幼馴染の女子たちと集まって友人の家で飲み会をしていました。
夏だったせいかテレビで心霊特集がやっていて、「ここの心霊スポット、めちゃくちゃ怖そうじゃない?」なんて盛り上がっていると、友人の一人が「あれここ、割と近いよね?」と言い出したのがきっかけ。
皆、気持ちよく酔っ払っていて、なんか変に盛り上がってしまい「皆で行こう!」と言い出し、彼氏を呼び出して車を出してもらい心霊スポットに向かう事になったのでした。
チャラい彼氏と
ふと私達4人だけど車乗れるのかな?と思いながら待っていると、やってきたのは「いかにもな感じのアルファード(大きめのバン)」に乗った、その友達はギャルだった事もあって典型的なチャラ男。
私は苦手意識を感じたのですが、チャラいけど悪い人ではなさそうだし、そんな事を理由に行かないとも言えず、友人たちと車に乗り込みました。
ちなみに、彼女が助手席で私達3人は後ろの席に乗ったのですが広くて快適なのは良いのですが、なんだかムーディーな照明に煩いぐらいに音楽が流れていて、いかにもな感じです。
向かう先は殺人事件が起きてから潰れてしまい、数十年放置されている廃モーテルで地元最恐と言われている心霊スポットで、噂では聞いた事がありますが行くのは初めて。
心霊スポットへと近付くにつれ、今までと景色とは違っていき、明かりがひとつもなく、どんよりとした木が生い茂った山の中、道も狭くて舗装されていない砂利道に。
ナビの『まもなく到着します』の声と共に、噂の廃モーテルの前に着きました。
廃モーテルへ行ったのですが
門が低いバリケードで封鎖されているのに、無視して例の彼氏と友人達は登って中に入っていきましたが、私はスカートだったのと運動神経が悪いため中に入れる気がせず、廃モーテルの前で一人きりになりました。
車内に戻るにも鍵を持っていないため、仕方なくウロウロと廃モーテルの周りを歩いていると、ぼんやりとした灯りが見えます。
なにがあるのだろうと思って近づいていくと、すこし古びた鳥居があり、ぼんやりした光は提灯のような物から発されていたようでした。
いったいなんの神社?辛うじて電波の入ったスマホで調べて見ると、どうやら昔、町に出没した鬼を退治して首を埋めて供養したと謂れのある神社のようです。ただし、鬼を祀っているだけあってそれなりに恐ろしい噂があって、廃モーテルも近くにあるために、ここも心霊スポット扱いされているようでした。
そんな事をしていると友達達の声が聞こえたので戻っていくと、思ったより怖くなかったらしく皆、つまらないと言って不満そうでした。
そこで「あっちに神社があるよ」と伝えると、皆ノリノリで神社へと向かったのですが・・・。
着くや否や、例の彼氏が廃モーテルが思ったよりも何も無かったため苛立った様子で「ボロっちい神社」と大声で悪態をつき、ウケを取ろうとおもったのでしょうか、鳥居によじ登り懸垂をし始めたのです。
さらには、皆で止めたのですが、鳥居を蹴って「神社なんか見ても意味ないし帰ろうぜ」と車に戻っていき、私は心の中で何とも言えないもやもやを残したまま帰路に着きました。
彼氏のその後
しばらくして忙しい日々を送っていたところ、例の彼氏がバイク事故で亡くなってしまったと友達から聞きました。
ヘルメットを被っていたのですが、顔と頭がぐちゃぐちゃで、とてもじゃないが見ていられない姿だったそうなのです。
神社とは関係ないと思いたいのですが、やはり・・・でしょうか。
※画像はイメージです。
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