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「エネミーヘリコプター」ベトナム戦争に現れたUFO

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私は長いあいだ、ベトナム戦争にはUFOが絡んでくる噂など存在しないと思い込んでいた。
ベトナム戦争は戦闘を記録した映像の鮮明さも手伝い、国際問題化した戦争犯罪など生々しく凄惨なイメージが強烈だ。第二次世界大戦における「フーファイター」のような、どこかロマンティックなエピソードが入り込む隙間がない。ベトナム戦争について本格的に調べるまで、そう考えていた。
だが、案外そうでもなかった。

目次

1968年 北ベトナムと国境を接する河川の出来事

1968年の夏。北ベトナムと国境を接する河川では、アメリカ軍の河川哨戒艇が定期的にパトロールを行っていた。ある日の深夜、いつも通りにパトロールを行っていた一隻の河川哨戒艇が、周辺で活動している別の哨戒艇から救難の連絡を受ける。
「エネミーヘリコプター」と非公式に呼ばれていた敵から攻撃を受けた、目下のところ戦闘中という。

援護にむかった哨戒艇が指定された地点へ移動すると、「ふたつの明るい発行体」がジャングルの闇に浮かんでいて、連絡をよこした哨戒艇の上を飛び回っている。
援護に駆けつけた哨戒艇が近づくと閃光を発して、交戦していた哨戒艇を丸ごと吹き飛ばして飛び去った。空軍はレーダーに映った「エネミーヘリコプター」を追跡するため、F-4ファントムを発進させるが逃げ切られた。

エネミー・ヘリコプター

「エネミーヘリコプター」という呼称はベトナム戦争当時、現地で戦闘や偵察を行っていた軍の上層部が「そうした相手と遭遇したとしても、安易に報告書などでUFOと呼ぶのは憚られる」という動機から生まれた、という設定になっている。この「エネミーヘリコプター」とベトナム戦争に関するストーリーは少なからず存在しており、英語圏では割とポピュラーで歴史(?)も古い。

アメリカ国内で所謂「UFO」が大衆的に認知されたのは、第二次世界大戦が終結した直後。合衆国政府が当初、UFOの調査に手を出したのは地球外生命体とコンタクトを取るためではない。陸海空軍の関係者が、実際に東側から飛んできた未確認飛行物体、つまりミサイルや偵察機の類を見誤るなどを防止するため、である。

大衆文化では瞬く間に「地球外知的生命体の乗った宇宙船」や「宇宙からの侵略」のイメージが定着するものの、そうした流行は1950年代終盤、一旦は終息していく。当初は俄かにリアリティを帯びていた「地球外知的生命体との遭遇や戦闘」といった「実話」が、60年代に入るころ、一般的に信用されなくなっていた。

ベトナム戦争をめぐるUFO神話

戦時下のベトナムでアメリカの陸海空軍がUFOと遭遇、ないし戦闘を行ったとする報告が上がってきても、そいつはUFOと呼ばずに「エネミーヘリコプター」と言うことにしよう、その方が世間体は良いと軍の上層部は判断した。

というのが、ベトナム戦争をめぐるUFO神話の一部だ。作り話には違いないが、UFOどころではないベトナム戦争を舞台として、よくぞ成立したものと思う。ドラッグをキメてラリっていた兵士が視た幻覚なんじゃないの、と茶々を入れたい気持ちにもなる。いつごろ生成されたUFO神話なのか、私には見当がつかない。

それにしても、エネミーヘリコプターが創作だとして何を考えている設定なのか。結構な破壊力を持っているのだから、戦争に参戦しても良さそうなものだ。
毎回、茶化すような真似をしては逃げることを繰り返さず、ニクソンやホーチミンの前に堂々と姿を現せばよいものを。

※画像はイメージです。
featured image:NARA photo 111-CCV-613-CC71313 by SP4 Sal Mancusi, Public domain, ウィキメディア・コモンズ経由

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