自衛隊に入ると普通運転免許の有無に関わらず、殆どの隊員が勤務している駐屯地から離れ、自衛隊自動車訓練所(以後、自訓と略します)に3ヶ月~4ヶ月いく事になり、ここでは、任務に必要な事が多いための大型自動車免許や、戦車を行動で乗るため免許も取得する事ができます。
そもそも自衛隊の男女の比率は男性隊員に対して女性隊員の割合が少なく、女性と一緒の任務などにつく事はほとんど無いといってもウソではないぐらいです。
そんななか、自訓は気軽にコミニュケーションをとることができる場所で、隊員通しの色恋沙汰は当たり前。
逆にそれが訓練を頑張るモチベーションアップにも繋がったりするのです。
しかし、私は最初の頃は訓練をこなすのに精一杯で恋愛どころではありませんでしたが、ようやく慣れてくると訓練は順調に進むようになり、なんとなく気持ちに余裕が出てきた頃。
余暇の時間、気分転換にとバスケットに誘われ、駐屯地内の体育館に行くと、同じバスケットのグループに顔見知りのAさんがいました。
久々にバスケットを楽しんだ後、体育館を後にしようとすると後ろから名前を呼び捨てで呼ばれ、「何故、呼び捨て?」と内心思いながら振り替えると、そこにはAさんがいました。
しばらく何気ない話をしていると、Aさんは自訓の教官だったことが判明し、Aさんは私が訓練生だということを知っていました。
Aさんは教官、私は訓練生という立場ではありましたが、共通点が多く年齢も近かったので、これがきっかけで意気投合するようになったのです。
それからというもの、私は仕事中でも遠目でAさんを目で追うようになり、なんとなく好意は持つようになってしまうのでした・・・・。
その日も訓練を終えて、いつものようにバスケットに行くとAさんが帰りがけに声をかけてきて、何気ない会話をしていると「今度、一緒に買い物付き合ってくれ。」といきなり誘われました。
でも駐屯地外で自衛官同士の男女が二人で居るところを、同業者の誰かに見られたら、完全に怪しい関係だと噂されるのを知っていたので返事はすぐには出来ませんでした。そしてAさんは、教官という立場ですから変な噂が立つのはご法度です。
私はAさんに好意が少しあったので嬉しかった反面、私の考えすぎなのかなとも思い、返事はしないまま時は過ぎていきます。
そしてあの日のこと、仕事が終わるとAさんからメールが来ていて、そこには駐屯地内の指定の場所に来るようにと書かれて、言われたとおりに行くと・・・Aさんから告白を受けました。
衝撃すぎて頭の中が真っ白に・・・まさか教官から告白されるとは・・・訓練期間が終了すると、教官も訓練生も元の駐屯地に帰ることになっており、私の訓練終了期間が近づいていたため、告白をしたのだそうです。
その後、私達はお付き合いすることになり、遠距離恋愛を続けていたのですが、仕事の都合でお互いにすれ違う事に多くなり、別れることになってしまいました。
私が経験した自衛隊時代の一番の良い思い出です。
※画像はイメージです。
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