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見た目はイロモノ?中身は骨太!「SDコマンド戦記 G-ARMS」をご紹介!

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デッカイ頭に短い手足にずんぐり胴体…プロポーション的には茶目っ気と愛敬たっぷりだけど格好良さとは無縁・・・と思いきや、ビシっと決めれば何とも決まる、格好良さと可愛さが絶妙に同居する摩訶不思議なキャラクターディフォルメ化デザイン「SD(スーパーディフォルメ)」。
今では記録メディアを思い浮かべる人が大多数かもしれない略称ですがそれとは関係の無い事を念頭に置きまして。

当初は年少者をターゲットとした愛らしく印象的な外見を前面に押し出し、茶目っ気要素満タンのコミカルな展開として始まった企画でした。ところが「ガンダム」との結びつきが深まるにつれ、コミカルな中にもキリッと光る独自の文芸設定が花開いて行ったのです。

今回ご紹介する「SDコマンド戦記 G-ARMS」は、そんな「SDワールド」に根付いた最もミリタリー色の濃い物語。
グリスと硝煙、火薬と燃料、鉄錆とジャングルのニオイが交錯する間に、おトボケとギャグが炸裂する戦場へご招待致します!

目次

中の人なんか居ませんよ?「ガンダム」自体がキャラクター化した「SDワールド」の妙味!

「ガンダム」と言えば、その発端となった「機動戦士ガンダム」から40周年を過ぎ、日本キャラクター産業の中においても屈指の知名度を誇り、多くの方が一度はその名前に触れられた事がある世界的ビッグタイトルです。
しかし、その原典となる「機動戦士ガンダム」を始めとする各作品において「ガンダム」と言えば「モビルスーツ(MS)」等と呼ばれ、搭乗者が必要な「兵器」として描かれます。

しかし作品内に登場する兵器をプラモデルとして商品化した、いわゆる「ガンプラ」に始まる商品が浸透するにつれ「キャラクターとしてのガンダム」とも言うべき存在感が色濃くなって行く中で、人気を博しつつあった「ディフォルメ」の表現を取り入れた「SDワールド」という商品展開に向かって行きます。

ファンの間では「横井画伯」の愛称で知られる「横井孝二」氏を迎え、兵器ではない「ガンダム自身」のキャラクターとして、その外見から一目で分かる「武者」や「騎士(ナイト)」といったキャッチーな姿と、コミカルに振る舞いながらも勇ましく戦う豊かなキャラクター性を得た「SDガンダム」の世界が展開していく事となりました。

「ビーム」ではなく「実弾」を下さい。表われ出でたのは「コマ○ドーなガンダム」?!

かくして「SD」という新たな姿とキャラクター性を与えられた「ガンダム」でしたが、歩調を合わせるようにして「武者」や「騎士」なる姿が表われた背景と言えるのが、1980~90年代のホビー業界において「(プラモデル等の)改造」や「ファンタジーRPG」等、サブカルチャーコンテンツが一挙に裾野を広げ一般化していった状況が挙げられます。

「ガンダム」においてもプラモデル作例やオリジナルコンテンツとして、公式だけではなくファンダムの動きをフィードバックする動向が大きくなり、遂には「モビルスーツ・ヴァリエーション(MSV)」として、様々な設定を織込んだ改造デザインや局地改修などの「独自の物語性」を持ったデザインのMS等が制作されて行きました。

この「MSV」という動向を取り入れ、SD独自のデザイン性…コミカルなキャラクター性を含ませるパロディ的要素と、MSVから持ち込まれたミリタリーの要素を折衷させた結果生まれたのが「SDコマンド戦記」の看板キャラクターにして物語の端緒となる「コマンドガンダム」でした。

ずんぐりむっくりのSD体型ながら、ガッチリとたくましく「筋肉モリモリ」な姿を思い起こさせる重厚な出で立ちに、目を奪われずに居られない巨大なミサイルランチャーを軽々担ぎ、手にはドラムマガジン式の重機関銃にグレネードランチャー、手榴弾に巨大なマチェット…歩く武器庫か重戦車かというその出で立ちは、かの傑作アクション「コマンドー」の「メイトリックス大佐」に範を取ったとデザイナーの横井画伯が述懐されています。

その勇ましさ、力強さはイメージ通りながら、重心を低くこれでもかと搭載された兵器を全方位へ広げて構える姿は、SDという可愛らしさが先に立つデザインであるはずなのに、メカニカルでミリタリーな魅力をまとう格好良さをファンの心へ刻み込むものとなったのです。

「コマンドガンダム」かく戦えり。キャラクターから深化を遂げた「SDコマンド戦記 G-ARMS」

元々アニメ等の前提となる設定が無い状態でスタートした「G-ARMS」ですが、カプセルトイ「ガシャポン」において「コマンドガンダム」が登場した事を皮切りに、「元祖!SDガンダム」という玩具タイプのプラモデル展開において当たりそのキャラクター性を補足する形で公式となる商品付録の他、少年向け雑誌などの販促として(公認)二次創作的な展開などが幅広く行われる事でキャラクター性と物語を一気に深めていったのです。

果たして満を持した新展開、豪腕マッチョなパワフルタフガイ「コマンドガンダム」が登場するや手始めに始めた事は…「増えに増えたり人気にあぐらをかいてだらけきったガンダム達を鍛え直す事(?!)」でした。

持ち前の重火器を全力でバラ撒くウルトラハードな実弾訓練に始まりMSが走り込みなんかして意味があるのかと問われれば問答無用で黒焦げにするような、ナンセンスギャグで無ければ到底描けない「ハー○マン軍曹もかくや」なブートキャンプで遂には脱落者まで出す始末。

このまま平和なオトボケ展開が続くのかと思われた時、謎の影が仕掛けた嵐の如き強襲によってガンダムチームは壊滅状態へ追い遣られます。この影こそ「コマンドガンダム」終生のライバルにして敵対組織ザタリオン帝国の旗揚げ役となった「ブラッディザク」その人であり、戦いの物語が幕を開ける事となるのです。

お互い何となくケンカ友達染みた関係を続けていた陣営の間で、たった一人でガンダムチームを壊滅させた「ブラッディザク」の勇名が一挙に轟き、その指揮下に集う者達を「ザタリオン帝国」として組織化、陸海空の三軍を編成して彼らの居住地であった「マゼラン大陸」の覇権を奪いに掛かります。

ギリギリの所で「コマンドガンダム」による抵抗が功を奏し両軍の将による単騎での決戦にまでもつれ込むも、両者が深手を負う事で決着が持ち越されます。壊滅状態に追い遣られたガンダムチームはコマンドガンダムの鍛錬が無意味なもので無かった事を思い知らされ、改めて「G-ARMS(ジー・アームズ)」として再結成し、体勢の立て直しを図ります。

深手を負った「コマンドガンダム」は、自らの危地を救ったフルアーマーガンダムに「キャプテン」の称号と共に指揮権を託して前線を離れます。「G-ARMS」は敵の三軍体勢に対応すべく総隊長として新たな姿を得た「キャプテンガンダム」を筆頭に、陸に「ガンパンツァーZZ」、海に「ガンダイバー」、空に「ガンセイヴァーZ」を隊長とする三軍体勢を編成し、各地での戦闘状態に突入していきます。

一方前線を離れた「コマンドガンダム」は、直属の諜報チーム「グリーンベレー」と共に「ザタリオン帝国」躍進の裏側を探るべく諜報活動を行い、その答え…追い掛けていた「仇敵」の存在へと辿り着くのでした。
かくて来たるべき決戦の時へ向け「ヘヴィ・ウェポン・システム(HWS)」の封印を解いた「コマンドガンダム」は再び「G-ARMS」へと合流、更なる戦力の増強へ向け、次なる作戦を開始するのでした。

ここまでが初期にラインナップされたモデルと共に公開された「物語の前半部分」とも言うべき展開であり、ここから更に特別カラーリングによる隠密作戦や、帝国側の組織内抗争を図る謎の特殊部隊「SS」の存在、メンバーの強化改造手術(?!)を施したパワーアップモデル等のラインナップを経て、最終局面へと向かって行く事となります。

登場するキャラクター(SD化されたモビルスーツ)が陸海空の三軍に設定されている事からしてミリタリー色が強く、砂漠、荒れ地、ジャングル、海上、海中、空、都市部と、局地戦を想定した設定を背景に姿や武装が構築されている為、SDという愛敬のある姿とは裏腹に、ハードでメタリックなテイストが匂い立つような作品世界となっています。

「元祖!SDガンダム」というプラモデルシリーズが人気を博した事から物語は大きな拡がりを見せ、後年追加タイトルとして「SDガンダムフォース」「スーパーG-ARMS」「グレートパンクラチオン」と、サイケデリックな色合いからSF要素などを加えた展開が為されていきました。

オフィシャルな物語はプラモデルの付属資料

残念ながらオフィシャルな物語はプラモデルの付属資料がほとんどであり、一部作品が横井画伯の手による大判コミックなどのコミカライズによって出版されたものとなっており、アニメ作品等の展開も「武者」や「騎士」と比較して少なめであった事から、その物語に触れる敷居がやや高いという難点がありました。

「G-ARMS」のミリタリー色溢れる世界観や、泥臭さ全開の物語にもっとどっぷり浸りたい!と思い続けてきた者として、「ガンダムビルド」シリーズ等のアニメやレジェンドBBといった旧モデルの見直し企画によってSDガンダムに再び注目が集まっている今こそ「G-ARMS」を広く認識してもらう絶好の機会だと思う次第です。

SDはただのコンパチモデルではなく、その姿形であるからこそのキャラクター性と物語を秘めた確固たる1ジャンルであり「G-ARMS」はその大きな物語の一つなのです。

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今回もホビー方面から文芸設定が面白いジャンルをご紹介。頭身が縮んだイロモノキワモノだと侮るなかれ。宇宙世紀な世界とは一味も二味も違った楽しみだってガンダムには在るんです。

SDコマンド戦記 G-ARMS(C)SOTSU エージェンシー・サンライズ
(C) BANDAI 1991

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