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ゲンガー先生

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今まで忘れられません。
これは、私の小学校の時に起きた奇怪な出来事です。

目次

旧校舎は秘密の遊び場

私と友達は今では使われていなく、生徒は立入禁止の旧校舎にこっそり忍び込んで、秘密の遊び場として使っていました。古い木造の校舎で陰気な感じですが、誰にも邪魔されず本を読んだり、楽しくおしゃべりしたりとお気に入りの場所でもあります。

ある日の放課後、いつも使っている2階の端っこの教室の前に担任の先生が立っていて、私は慌てて隠れようとしたのですが目があってしまいました。仕方なく二人ですごすごと先生の前までいって、勝手に入った事を謝ったのですが、何の反応もなく、まるでロボットのようにただ呆然と立っているのです。

追ってくる先生

あまりにも様子がおかしいので、立ち去ろうと思って軽く会釈しようとすると、先生が突然、踊るようにして体をひねり、笑い声を上げたました!
私たちは驚いて教室と反対側にある階段へむかって、廊下を全力で走って逃げますが、音も立てずスルスルと追ってきます。

ようやく階段までたどり着き駆け下りる途中、踊り場にある大きな鏡を見ると私達以外は映っていません。
もう追って来ないんだ・・・と、振り返って見ると先生は眼の前に立っていて、口角の上がり方は人間とは思えない表情で笑いかけてきます。

先生をみてよっぽど怖かったのでしょう、友人は腰を抜かしオシッコを漏らしています。
私は泣きたい気持ちをぐっと抑えて、友人の手を引いてなんとか旧校舎から逃げ出しました。

担任の先生

友人はわんわん泣いていて、スカートは彼女のオシッコでびちゃびちゃ。
生徒の最終下校時刻ギリギリですが、このまま帰るのは可哀想と思って、体操服に着替えようと新しい校舎の私達の教室にむかいました。

そして教室の中で友人をなだめながら身支度を手伝っていた時、突然、ガラガラと扉が開いて現れたのは担任の先生。
友達は泣き出すと私も限界を超えてしまう。その姿をみて担任の先生はキョトンとしていました。

しばらくして落ち着きを取り戻した私達に、「どうしたの?」と優しそうに先生が訪ねてきます。
私は「いつもの先生?」と聞き返すと、戸惑ったような顔をしました。

たぶん大丈夫だろうと事情を話すと、「立ち入り禁止だから、もう入っちゃだめだよ」と。

噂の真相

それからしばらくして、クラス中に私達が体験した話が広がり、先生が「2人」いたことから、ドッペルゲンガー、ゲンガー先生とあだ名をつけられました。
そのあだ名が定着した頃、担任の先生は個人的な事情で、突然、学校を去っていったのです。

その後、どうなったかは知りませんが、元気でいてくださると良いのですが。

※画像はイメージです。

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