ゴジラ映画のライバル怪獣でも、キングギドラと並ぶ敵役といえばメカゴジラ。
スピルバーグの作品やレジェンダリー版など、海の向こうでの活躍も周知のところ。
今年は「ゴジラ対メカゴジラ」が公開50周年なので、メカゴジラのデビュー作を取り上げたいと思います。
まずは「ゴジラ対メカゴジラ」の基礎知識として
この「ゴジラ対メカゴジラ」はシリーズ第14作にあたります、前作に続き監督が福田純、特技監督は中野昭慶で1974年に「東宝チャンピオンまつり」の一編として公開されました。
後に平成ゴジラの特撮を担当する川北紘一も助監督を務め、原作にはSF作家の御大福島正実も参加しています。
ゴジラ誕生20周年作品であり、この翌年開催の沖縄国際海洋博にちなんだ内容も組み込まれています。
前作までの「ゴジラ対メガロ」などと比べると、やや大人っぽい娯楽活劇的ストーリーですが、しかしながら、やっぱり本作でもゴジラはクリクリお目目の正義の味方です。
ちなみに、平成版「ゴジラVSメカゴジラ」は40周年作品となります。
では本編の紹介をしながら感想です。
舞台は沖縄、安豆味(あずみ)城趾の前で舞踏する国頭那美は昏倒し、頭の中に怪獣が街を破壊するビジョンを見る。
沖縄海洋博予定地では洞穴が現れて、中に古代の壁画が発見される。
考古学者の金城(かなぐすく)冴子はそこから「大いなる怪獣が現れ、この世を滅ぼさんとする。しかし赤い月が沈み、西から日が昇る時、2等の怪獣が現れ人々を救う」という予言がを読み解く。
冴子はそこに安置されてたキングシーサーの像を調べるため、清水敬介と東京の考古学者の権威和倉博士を訪ねる。
その晩に和倉邸で、謎の男(ブラックホール第3惑星人→以後BH第3惑星人と表記)が像を奪おうとするも、未遂に終わり男は逃走。
ブラックホール第3惑星人は、よほどキングシーサーが気になるらしく、覚醒を妨げようと執拗に像を奪おうとします。
一方、沖縄の玉泉洞では清水正彦が不思議な金属片を発見し、宇宙工学の権威宮島博士によって、宇宙金属「スペースチタニウム」であることが判明。
金城冴子役の田島令子はクイーンエメラルダスの声優でも有名ですね。
ちなみに金城という役名は、福島正実が「ウルトラマン」の脚本家で沖縄出身の金城哲夫への想いを託したそうです・・・なんか、ちょっとウレシい心遣い。
また役者陣は、和倉博士には小泉博、宮島博士には平田昭彦、佐原健二などゴジラ映画にゆかりの深い方達と、そして独特の存在感が光る岸田森など、心強いキャスティング感です。
ところで和倉博士は城北大学らしいのですが、なんと城北大学といったら仮面ライダー1号編(本郷猛が第1話でだけ所属)やXライダー(神教授)やアギトなど、ライダーシリーズで度々耳にするあの大学じゃないですか。
ゴジラ映画でもその名を聞くとは、おそるべし城北大学。まさに特撮界の名門大学です。
・・・双璧は城南大学でしょうか?
ほどなく、富士山が噴火しゴジラが出現、そこにアンギラスがやってくるが、仲間であるはずの2体は戦闘、アンギラスは深手をおって退散する。
さらにゴジラは石油コンビナートを襲撃。そこにもう1体ゴジラが現れ2体は相まみえ、やがてコンビナートを破壊してた方のゴジラが金属ボディのメカゴジラとして正体を顕に。
このコンビナートの場面、かなりワイドなショットで爆炎もバンバン燃え盛り「火薬すんごい使まくってる???」な感じで迫力ありです。
ただホリゾントに奥行きがなかったみたいで、爆炎が激しく上がった時など少し影が写っちゃってる見たいです。
そこは、見なかったことにして・・・。
放射熱戦と光線の相打ちで勝負は一旦痛み分けとなります。
ところで、このメカゴジラを操ってるのがBH第3惑星人、とりあえず見た目は地球人と同じなのです。・・・正体は猿のような顔ですが・・・。
この司令官の「黒沼」(そう名乗ってます)なのだが、なんかやたら人間くさい。いえ、人情があるとかの良い意味じゃなくて、
葉巻吸いながら、ブランデー(?)をやたらと嗜んんでて、言い回しとか仕草とか一体アンタどこで勉強してきたんじゃいと言いたくなるほどですw
ここから先は後半のストーリーに触れてます
「知らない状態で映画を楽しみたい」という方は飛ばしてください。
やがてBH第3惑星人は、宮島博士一行を拉致・脅迫して修理したメカゴジラで再び破壊活動を開始。キングシーサーの目覚めを阻止しようとします。
安豆味王族の継承者の那美はキングシーサーに、目覚めの唄「ミヤラビの祈り」を浜辺で歌い出します。
古より伝わりし唄なのですが、古代人は昭和のカルチャーまで予言していたのか思いっきり昭和歌謡してます。
しかも2番まで。
これまた一度聞くと・・・シーサーシーサーシーサーぁぁぁ・キ・ン・グ・シーサーのフレーズが頭から離れません。
満を持して、ついにキングシーサーが覚醒!!!実は個人的には結構好きな怪獣なのですが、残念ながらあんまり人気ないような。
メカゴジラは目から放つビームで攻撃。これをキングシーサーは目で受け止めそのままビーム返し、ことごとくことごとく!しかし、何故メカゴジラは的の小さく難易度の高い目に執拗にビームを放つのでしょか?
まあ、普通なら確かに急所ではありますが。
1回目だけならともかく、カウンターが帰ってくるとわかってるのに、まるで意地になったようにそこだけ狙ってます。
もしかすると、目で光線を跳ね返すというキングシーサーの得意技を知ったその上で、
「俺の必殺ビーム、テメエのカウンター技で返せるもんなら返して見いやーっっっオリャオリャオリャッッッー??」といった心意気で戦っている?
そういえば一流のプロレスラーは相手の技は全て体で受け切り、その上で勝利するとも聞きます。そんなメカゴジラなりの戦闘哲学なのかもしれません。
だが、最初は好調だったキングシーサーもメカゴジラの猛攻に劣勢となります。
そこに、傷を回復して駆けつけたゴジラがついに参戦。
2体1で有利に展開かと思いきや、メカゴジラは全身これ武器の塊の如くスペースビーム・ドリルミサイル・電磁光線の雨あられで全攻撃力を解放、ゴジラ・キングシーサー組は防戦一方に。
すざましいスペックだメカゴジラ???
ホントウにこのシーンは、ゴジラとキングシーサーが気の毒なくらい。
ゴジラは、ビームを受けてまたもや流血・・・首からビュウっと血が吹き出たり、さらに何本もミサイルが突き刺さり満身創痍・・・とても痛々しい。
今作はゴジラ作品では珍しい流血シーンが多いのも特徴的ですが、まるでガメラの様な…と思ってたら制作側でガメラや東映任侠物のそういった部分を意識して作ったらしいです。
されどゴジラは気合一閃、新しく得た能力「磁力体質」?でメカゴジラをグイグイ引き寄せガッチリとキャッチ、最後は首を捻じ切って勝利します。
ん?でもチタニウムって磁石にくっつかないはずでは?「スペースチタニウム」はくっついちゃうとは残念な特性ですね。
それにしても、BH第3惑星人がやたらと警戒してた割には、キングシーサーがあまり活躍できなかった感がありまして、自分としてはちょと悔しいですね。
「ゴジラ対メカゴジラ」50周年
改めて今年は「ゴジラ対メカゴジラ」50周年ですが、まあー、メカゴジラくんは既にもう十分に人気者ですから、できればこの機会に今回はキングシーサーくんにもスポットを当ててくれたらウレシいかなぁと思ってます。
ミヤラビの祈りでもう一度目を覚ませー!
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