トイレの花子さんに出会ってしまった？

埼玉県さいたま市のとある小学校に通っていた頃。
どこの小学校にも七不思議などの怪談話、都市伝説はつきもので、もれなく我が学校にもありました。
その一つがトイレの花子さんのような感じの怪談だったのです。

その話は、夕方や夜だけでな日中でも、たった一人でトイレに入った時だけ、3階の女子トイレは幽霊が出るというのです。女の子の幽霊が出るという話だけでトイレの花子さんと違って、トイレに引きずりこまれたりする事はありません。
でもその頃、ブームだった事もあって、いつしかトイレに出る幽霊は花子さんとされていたように思います。

そんなの嘘だろうと思っていた

ある時、委員会の仕事で帰りが遅くなってしまった時のこと。
トイレに寄ってから帰ろうと思い、待たせても悪いので同じ委員会の友達を下駄箱まで先に行かせ、3階のトイレに入りました。
その時は例のトイレだと意識せず入ったのですが、入っている途中で気づいたのです。

花子さんの噂はしっていましたが、そんなのウソだろうと思っていたのですが、だれもいない校舎のシーンと静まり返ったトイレのなかに一人でいるとなんだか怖い気分に。
そんなときです・・・どこからか微かな泣き声のようなものが聞こえてきました。

慌ててトイレから出ようとしたのですが慌ててその場で転んでしまい、トイレの床と壁の隙間から赤い女子の上履きを履いた子の足がみえたのです。
なんとなく他の生徒がいた事を知って、助かったように思い、急いで身なりを整えて扉を開くと・・・だれもいない・・・つまり、あの足は花子さん？？？

慌ててトイレから出たのは言うまでもありません。
あまりにも怖くて、下駄箱で待っていた友達にも幽霊のことは話せませんでした。

トレイに行けない！！

それからというもの、一人ではなくても学校のトイレに行くことができなくなってしまったのです。
一日中、我慢をして、学校から帰ると自宅のトイレに駆け込みます。

漏らしてしまったことはなかったのですが、あまりにも我慢していたからなのでしょう、膀胱炎になってしまいました。
病院に行ってなぜトイレを我慢しているのか医師や母親に聞かれて、トイレの花子さんの話を打ち明けると大人たちは笑っていましたが、小学生の私は真剣だったのです。

それから

もう膀胱炎になるのはイヤなので、あの体験は気のせいだと自分にいいきかせ、ちゃんとトイレにも行くようになりました。

それに花子さんのブームが去ったからでしょうか、3階女子トイレの幽霊に噂を聞かなくなった頃に6年生となり、その後の小学生生活は問題なく過ごすことができたのです。

とは言え、あの泣き声や見えた足はなんだったのでしょう。
やはり花子さんだったのでしょうか？

※画像はイメージです。