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5分足らずで消えた少女~ひるがの高原キャンプ場女児不明事件

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小学校の高学年で実施されることが多い林間学校や修学旅行などの校外学習、親元を離れて丸1日を友人と過ごす中で普段できない経験をする。
小学校時代の濃密な思い出として記憶している人も多いのではないだろうか。
そんな校外学習を心の底から楽しみにして、元気よく家を出発したある少女がいた。

家族もこの体験で娘が一回り成長して帰宅するのを待っていた。
しかし、15年以上経過した今日になっても少女は自宅のドアをくぐっていない。
彼女の身に一体何が起こったのか?

目次

暗転した校外学習、5分の間に消えた女の子~事件概要

2009年7月23日、愛知県内のある小学校の5年生と教員ら約100人が校外学習のために2泊3日の日程で岐阜県郡上市にある、ひるがの高原キャンプ場を訪れていた。
親元を離れて友人らとお泊りをするこの行事を楽しみにしていた児童も多かっただろうし、実際多くの児童が初日のイベントを楽しんだはずだ。

校外学習2日目となる7月24日金曜日。
まだ朝早い7:30頃、この日の夜に行われる予定だった肝試しのコースの下見のため、4人の女子児童のグループがキャンプ場内林道の散策道にやってきた。
4人の女子児童は最初のうち、そろって肝試しの予定コースを歩いていたのだが、1人、その輪から遅れ始めた少女がいた。下村まなみちゃん(当時10歳)だ。

仲間から遅れこそしていたものの、8:00少し前には周回コースの折り返し地点、スタート地点から最も遠いところに当たるキャンプ場奥の小川にかかった橋付近に到着。その姿を待機していた引率の校長が確認している。
校長がまなみちゃんに声をかけると元気そうな様子で返事をし、校長は彼女が先を進むのを見送った。

しかし、この後ろ姿が下村まなみちゃんが目撃された最後になってしまう。
先を歩いていた女子児童3人は周回コースの起点となる共用トイレ付近に到着したところで後ろを付いて来ていると思っていたまなみちゃんが見当たらないことに気が付く。

下見の後に別の係の仕事があった児童1人を除いた女児2人は元来た道を戻り、まなみちゃんを探しに向かった。
一方、まなみちゃんを見送り、後から来る児童がいないことを確認した校長は先を歩いていた女子児童の一団から遅れをとっていたまなみちゃんを心配し、女子児童のグループを追いかけるような形で歩き始めた。
林道と言えど整備されており、道順を辿っていれば迷うような道でもない。

となれば、まなみちゃんは来た道を戻ってくる女子児童らと道順を辿る校長の間の道中にいるはずであり、まなみちゃんと合流できるはずだ。しかし、コースを戻ってきた女子児童らとコースを進んできた校長は途中、誰とも会うことなく鉢合わせてしまう。
まなみちゃんが校長の前を通り過ぎてから5分も経たずして、少女は見当たらなくなってしまったのだ。

児童の行方が分からなくなったとの一報に教員らは総出で付近を探し始めたものの、一向にまなみちゃんを見つけることができない。

焦った学校は警察に通報。通報を受けた岐阜県警は12:30頃にキャンプ場に到着し、まなみちゃんが最後に目撃された散策道を中心に場内の捜索を開始する。
捜査開始後1週間にわたり、県警、消防、ボランティアなど延べ約1,700人が捜索にあたった。キャンプ場内のみならず、林道の奥に広がる藪や周辺の建物に小川、果ては重機で崖を崩し、土を掘り返して消えた少女を探したが、本人はおろか遺留品の1つさえも見つからなかった。
まなみちゃんはまさに煙のように消えたまま、今日を迎えることになってしまったのだ。

失踪状況の整理

校長や仲間の目が離れたわずかな時間になんの痕跡も残さずに消えたしまったまなみちゃん。
失踪理由の仮説をたてる前にまなみちゃん本人や失踪現場の状況を整理したい

下村まなみちゃんとは

仲間達の輪の中から忽然と消えた下村まなみちゃんはどのような少女だったのか。
岐阜県郡上警察HPの情報によれば、失踪当時の身長は120㎝、体重は20kg。
服装は白地に袖が水色で、胸のあたりに英語のロゴが書かれた長袖のTシャツ、薄いピンク色の長ズボンに水色の運動靴を履いていた。

また、まなみちゃんの特性として、母親が娘はダウン症を患っていたとメディアに語っている。
一般的に人は46本の染色体を備えて生まれてくるのだが、ダウン症とはその染色体が47本と通常より1本多くなる染色体異常症の1つだ。
特に小児のうちは、身体的・知的な発達が他の子ども達と比較してゆっくりであるなどの特徴を持つ。

実際、まなみちゃんも同世代の女児に比べるとかなり小柄な少女であり、平素の生活を送る上でも周囲のサポートを必要としており、今回の校外学習が親元から完全に離れて活動する初めての機会だったそうだ。
ただ、そのようなハンディキャップをものともせず、まなみちゃん本人は歌や踊りが大好きな明るい女の子だったと母親は語っている。

警察の情報提供を求めるチラシにも屈託のない笑顔を浮かべるまなみちゃんの写真が掲載されており、彼女を待ち続ける家族の心中を思うと胸が痛む。

ひるがの高原キャンプ場とは

では、まなみちゃん失踪の現場となったひるがの高原キャンプ場はどのようなキャンプ場なのだろうか。
ひるがの高原キャンプ場は、岐阜県郡上市に位置し、標高約900mの高原に広がるキャンプ場だ。

敷地は広大で、場内には複数のエリアからなるテントサイトやバンガロー、コテージが完備され、炊事場やトイレなどの基本設備に加えて集会場や舞台、グラウンドまで有しており、個人・家族連れのキャンパーのみならず、学校などの団体での利用にもうってつけの施設になっている。
実際にまなみちゃん失踪当時もまなみちゃんの通う学校と同じ愛知県内の学校の2校で貸し切りとなっていたようだ。

失踪の現場となってしまった散策道もキャンプ場内にある。
児童や教師らが宿泊していたコテージやバンガローが点在する中央広場から北方向、複数あるテントサイトエリアに向かう道を進んでいくと、共用のトイレを起点とした林の中を1周できる道があり、これが散策道だ。

散策道は木々に囲まれ、途中には小川が流れていたりと豊かな自然を堪能できるものの、道自体は整備されていて林の中と言えど歩くのに特別な装備や準備が必要というようなものではない。
この中央広場を出発し、散策道をぐるりと回って来た道を戻ってくるスプーンのような形状のコースが肝試しの予定コースとされていた。

まなみちゃんはどこへ消えたのか~事件考察~

大勢での捜索にも関わらず、今日にいたるまで行方不明となっているまなみちゃん。
彼女の失踪は悲劇的な事故なのか、それとも悪意のある事件なのか考えていきたい。

ツキノワグマに襲われた

キャンプ場のある岐阜県郡上市内ではツキノワグマの目撃情報が寄せられていたため、まなみちゃん失踪当時「クマと遭遇してしまい襲われたのではないか」という見解がマスコミやネット上に挙がった。
しかし、この可能性はかなり低いだろう。

まず、散策道にいた校長や児童からまなみちゃんの悲鳴やそれらしい物音が聞こえたという証言がなかったこと。
もしも音もなくまなみちゃんがクマに襲われたのだとしても、野生動物が人間を襲った以上、なんらかの痕跡が残るはずだが、警察らの捜索で衣類や所持品や襲われた痕跡は見つかっていない。
その上、その後キャンプ場敷地内でクマが目撃されたという情報もない。
まなみちゃんがツキノワグマに襲われた可能性はかなり低いと言えるだろう。

小川で溺れてしまった

散策道中にはキャンプ場内を北から南東方向に向かって流れる小川があり、校長の証言ではまなみちゃんが小川にかかる橋を渡って同級生の後を追って行ったそうだ。
また、まなみちゃん失踪当時、この小川の水深は10cmほどだったとされている。

「この程度の深さで溺れるわけがない」と思われるかもしれないが、誤って川に落ちるなどして顔が水面についてしまいパニックを起こしたりすると、わずかな水嵩でも溺れてしまうことはよくある。
特にまなみちゃんは小学5年生女児の平均から見て身長も低く、筋力も同年代の子と比べて弱かった。
まなみちゃんがなんらかの理由でこの小川に落ちてしまった場合、溺れてしまう可能性は大いにあるだろう。
が、これが直接失踪に繋がるかというと話は別だ。

警察らの捜索では当然小川も対象範囲に入っており、この小川でまなみちゃんを発見するには至らなかった。
となると、溺れていなくなったということは、溺れた後に川に流されたということを意味する。
だが、川の流れは速くはなく、20kgの子どもを流すだけの威力があったとは思えない。

そしてもしも、川に流されたのだとしても、小川の両サイドにはキャンプサイトやバンガロー、中央広場があり、溺れた女児が川に流されてしまう間、誰にも目撃されないというのも考えにくい話だ。
その上、川中には川面からでる程大きな石や岩が点在する箇所もある。
まなみちゃんがいくら小柄と言えど、溺れた後にそういった障害物に引っ掛かることなくそのまま川に流されてしまう可能性は低いと言えるだろう。

道に迷ってしまった

キャンプ場内の散策道はよく整備されており、「道なりに進んでいけば」決して迷うことはない道だ。
が、この散策道が完全な1本道だったのかと言われるとそんなことはない。
校長が最後にまなみちゃんを目撃した小川にかかる橋を越えて散策道を進んでいくと、途中テントサイトの中を通ることになる。

このテントサイトからは散策道と分岐してトイレに向かう道もあり、単純な1本道とは言い切れない。
もしもまなみちゃんが他の道を散策道と勘違いしたり、途中のテントサイトとゴールの中央広場を勘違いしてしまった場合、本人は「正しい」と信じて突き進んでいる分、あっという間に正規のルートから離れて行ってしまうだろう。
特にまなみちゃんがいなくなったとわかり、校長をはじめとした教職員らで探し始めた時、「道なりに進む」を念頭に散策道、特に校長が立っていた場所から散策道の起点を中心に捜索したはずだ。

校長が最後にまなみちゃんを目撃してからいなくなったと判明するまでは約5分だが、もしもこうした見当違いの場所を探している間にまなみちゃんが歩行距離を伸ばしていた場合、テントサイトの奥に広がる林やキャンプ場外の車道を経て全く別の場所の向かってしまう可能性は高い。
もしも、まなみちゃん失踪が事故だとするなら、失踪理由はこの道迷いである可能性が最も高いだろう。

校長の誘拐

ネット上で根強く囁かれる「校長誘拐説」だが、見込み薄な説かと思う。
校長が最後の目撃者な上、校長が目撃した前後のまなみちゃんの情報が出てこないことなどから、「まなみちゃんを目撃したという校長の話は嘘なのでは」などと勘ぐられているのだと思うが、もしも校長が誘拐を実行したのだとしたら、まなみちゃんを攫って隠すまでの時間が少なすぎる。

まなみちゃんの前を歩いていた女子児童3人を見送ってから、まなみちゃんを探しに戻ってきたこの児童らと再び遭遇するまで10分程しかなかったはずなのだ。
その間にまなみちゃんを抵抗できない状態にして、当初の捜索メンバーだった教職員、後に合流した警察らの目が届かない場所まで連れていくというのは現実的ではない。

まなみちゃんを探すふりをしてその間に遠くに連れ去ったのでは、という意見もあるかもしれないが、このような非常事態下で校長は指示系統のトップになる。
そのトップが長時間不在となれば、失踪当時、現場で警察などからもっと怪しまれたはずだ。
そして、もしも校長が犯人だとして、なぜ校外学習などという非日常かつ、自分に責任追及がなされそうな場面で誘拐したのか、そのタイミングにも疑問が残る。

校長という権限があれば、まなみちゃんの自宅の場所や登下校の道順などを把握することは造作もないはず。
そういったタイミングで誘拐を決行すれば、自身への疑惑の目を大いにそらすことができるだろう。
このため、校長誘拐説の可能性はかなり低いのではないだろうか。

教職員の犯行

これは校長を除く教職員による連れ去りを意味する。
散策道上にこそいないことになっているが、成人である点も考慮し、検討対象に入れるべきだろう。
だが、これも校長による連れ去り説と同様の説明になる。

まなみちゃん失踪時、引率の教職員らもキャンプ場内で他の仕事に当たっていたであろうし、他の教職員や児童らの目に留まっていたはず。
宿泊エリアのある中央広場から散策道まで人目につかずに移動してまなみちゃんを連れ去るのは難しい。

もしもその目をかいくぐってまなみちゃんを連れ去れたとしても、その後キャンプ場外に出ることは困難だ。
また、まなみちゃん捜索開始が難航した段階で引率教員には警察の聞き取りが実施されたであろうことを踏まえると校長による連れ去り説同様、可能性の薄い説だろう。

顔見知りの連れ去り

まなみちゃん失踪当時、女の子の悲鳴や叫び声が聞こえなかったことから、学校関係者を除く顔見知りによる犯行を疑う説だ。
前述の校長を含む引率教員による連れ去りに比べれば、実現可能性が高いように思える。
まず、学校行事であるこの校外学習の存在を知り得ることができたというアドバンテージがある。

まなみちゃんが普段は周囲からのサポートを受け、他の小学5年生の子どもと比べれば、家族の監督の目も厳しく注がれていたはずであることを考えると、日常の生活圏内で彼女を連れ去ることはややハードルが高い。
一方でそうした親の目がなく、普段より大人の目が少なくなるこの校外学習は、平素からまなみちゃんを連れ去ろうと考える者にとって絶好の機会だったとも考えられる。

「わざわざこんな場所まで来て」という意表を突く意味でも、当初の容疑者の候補に入りにくかったのではないだろうか。そしてまなみちゃんの心理的安心感だ。
まなみちゃんに限らずだが、突然目の前に現れた人間が顔見知りか知らない人間かでは、警戒心の高まり方がまるで違う。
もちろん顔見知りが現れたのだとしても、「なぜこんな場所に?」という疑問がすぐに湧くだろうが、悲鳴や叫び声をあげられるなどの犯人にとってマイナスとなる突発的行動を起こされる確率が下がるだけでも儲けものだ。

言葉巧みに誘い出せれば、連れ去るにあたって抵抗されることも少ないだろう。
そういった意味でも顔見知りが犯行を起こしやすい条件は揃っていたといえる。
問題はまなみちゃんを誘い出した後だ。
林の中のキャンプ場という立地の関係上、連れ去りの「足」となるのは車両ということでほぼ間違いないだろうが、貸し切り状態のキャンプ場に知らない車が止まっていたら不自然ではないだろうかという点が気になる。
だが、この点は犯行当日の朝のうちに児童らの宿泊場所にはなっていないキャンプサイトに車を置いておくことは解決可能だ。

キャンプ場は広大で場内に車道も整備されキャンプサイトに車を乗り入れること自体は造作もない。
また、その車がバンタイプの車両や軽トラなど、さもキャンプ場の作業車両のような出で立ちであればカモフラージュにもなる。
このようにキャンプ場から連れ去るところまでは実現可能そうではあるのだが、問題は連れ去った後、警察の当初の捜索が難航し、まなみちゃんの迷子から連れ去りの可能性まで含めて捜査が始まった時のアリバイ問題だ。
連れ去りに車両を使った以上、周辺道路のNシステムや防犯カメラなどにキャンプ場周辺にいたと思しき不審車両として押さえれらる可能性が高い。

その不審車両から犯人にまで辿り着いた際、まなみちゃんに近しい人間がなぜキャンプ場にいたのかという説明がつかず、足がついてしまうのだ。
この問題をクリアするのは難しいだろう。

第3者の誘拐

まなみちゃんのことを全く知らない人物が、偶然この日にキャンプ場を訪れ、偶然散策道上で1人歩いていたまなみちゃんを連れ去ったという説だ。

顔見知りによる犯行でも同じことが言えるが、キャンプ場内に車両で乗りつけていれば、警察による本格的な捜索が始まる約4時間のうちに、まなみちゃんをキャンプ場外へ連れ出すことは可能だろう。
問題は、見ず知らずの人間を誘拐しようという人間が偶然このキャンプ場を標的にして、偶然まなみちゃんを発見して、すぐさま誘拐を決行できるのかという点だ。
そのような偶然がないとは言えないが、かなり奇跡的な確率だろう。

犯人がこのキャンプ場で連れ去りを決行しようと、常日頃から潜んでいたという説も考えられなくはないが、そう頻繁に利用者以外の車がキャンプ場に停まっていればさすがに目についてしまう。
そういった意味でも、全くの第3者による連れ去りは顔見知りによる連れ去りよりは可能性が低いのではないだろうか。

まなみちゃんはどこへ消えたのか

失踪理由としてやはり最も可能性が高いのは道迷いだろう。
ただ、学校関係者以外による連れ去りの説も否定しきれるものではない。

もしもまなみちゃんが誘拐されたのだとするなら、家族や学校、警察などに身代金などの要求がない以上(まなみちゃんの事情を知らなかったため、犯人の想定と違い、連絡先を聞きだせなかった可能性もあるが)、単純に少女誘拐自体が目的ということもあり得る。
その目的であれば、まだまなみちゃんがどこかで助けを待っている可能性も決して0ではない。

それはもしかしたらあなたのすぐ身近で起こっていることなのかもしれない。
娘の帰りを待ち続ける家族のためにも、もしもまなみちゃんに関する情報などを持っている方がいれば、ぜひ警察に情報を寄せてほしい。

※画像はイメージです。

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