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人体実験の歴史と整理・考察

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今まで埋めた紙面の中にはいくつか人体実験を取り上げたものもあった。
個々の興味深い実験に焦点を当て紹介していくのも乙なのだが、今回は視野を少々広げてまだ紹介していないものも含めて年代順に並べて眺め、各々の類似・相違点を整理していく。

目次

人体実験とは

人体実験とはその文字面の通り人間の身体を対象とした実験である。
人体に対するアプローチは医療技術の進歩のためには必要不可欠であり、これまでの歴史の中でも様々な人体実験が行われたという記録がある。
臨床実験や治験も同様に人体に対して行われる実験だが、ヘルシンキ宣言以降の「被験者の人権擁護」「インフォームドコンセント(被験者の実験参加の同意を得るための説明)」が守られた現代の実験をそう呼び、逆に「被験者の理解や同意を得ずに秘密裏あるいは強制的に行われた人体に対する実験」を人体実験と呼ぶ。

年代を第二次世界大戦以前・戦時中・戦後で分け、実際に行われたとされている実験を一部挙げながら整理していく。また今回は被験対象を人間に限定し、動物実験は別とする。

第二次大戦前に行われた人体実験

紀元前300 死刑囚の生体解剖
1200代 赤ん坊に対する言語習得実験(フリードリヒ2世)
1700後半 コーヒー実験(グスタフ3世)
1905 ギロチン実験(ガブリエル・ボーリュー)
1914~1918 第一次世界大戦
1920 赤ん坊に対する古典的条件づけ実験(ジョン・ワトソン)
1939 発話障害児に対するモンスター・スタディ(ウェンデル・ジョンソン)

医学の第一歩であり各時代において医学分野の発展のターニングポイントとして度々挙げられる生体解剖。何に置いてもまずその構造を知らねばならぬと先人たちは身体を解剖し研究してきたが、古くは紀元前よりその記録が残っている。技術発展のためとはいえ、当時なので当然麻酔無し生きたままの施術だったと思うと中々身震いを覚える。

18世紀以前だと死刑囚を被験者として国王の指示の元行われた実験が多い印象だが、単に古い資料だと国王に関する物が残りやすい傾向があり、中には資料ごと葬られた人体実験もあったのではないかとも思う所。

第一次大戦前後から1900年代にかけては博士主導の実験が増えるが、同時に赤ん坊や孤児などが被験対象になった実験も増えている点はジワジワと雲行きが怪しくなってきているのを感じる。

第二次世界大戦中(1939~1945)

1930~1940 マスタードガス実験(ドイツ軍)
1932~1972 タスキギー梅毒実験(アメリカ公衆衛生局)
1939~1945 毒ガス実験(カール・ゲプハルト)
1940~1945 細菌・生物学的実験(関東軍防疫給水部)
1941 低温実験(ドイツ空軍)
1941~1945 断種実験(カール・クラウベルク)
1942~1943 人骨の移植実験(カール・ゲプハルト)
1942 超高度実験(ジクムント・ラッシャー)
1942~1945 マラリア実験(クラウス・シリング)
1943~1944 双子実験(ヨーゼフ・メンゲレ)
1943~1944 毒物実験(ドイツ軍)
1944 海水実験(ハンス・エッピンガー)
1944 海軍生体解剖事件(旧日本海軍)
1945~1947 マンハッタン計画(ロバート・オッペンハイマー)

戦時中という時代背景を踏まえれば「まぁそうなるだろう」と妙に予想できてしまう内容ではある。実験の主導は各国の軍が握り、被験者となったのは強制収容所に収容された他国の捕虜や特定の人種だった。
開発された兵器が人体にどれほどの影響を及ぼすか、生物兵器への対抗として病原体の治療薬の開発も行われたが、この時代の実験の目的は『医学技術の進歩』とともに『敵国打倒』に収束されていく。

「高確率で死亡するとわかっている実験を」「本人たちに無許可・強制で」「千単位の人間を犠牲にしつつ行った」狂気の沙汰は到底許容できるものではない。
年表上では一国が特に猛威を振るってるように見えるが、あくまで抜粋な点、機密情報として開示していない国もある点、何なら我が国日本…某軍防疫給水部も上記の国が行っていた実験はほぼしている点を加味すると、おそらくこの件で他国に石を投げられる国は存在しないだろう。

終戦後に行われた実験

1945~1955 ビペホルムスタディ(スウェーデンのビペホルム病院)
1946~1948 グアテマラ人体実験(アメリカ・グアテマラ政府)
1947 ニュルンベルク綱領
1950 臺実験(臺弘)
1950 MKウルトラ計画(CIA)
1952 名古屋市立乳児院に対する人体実験
1953 ポートンダウンのサリン実験(イギリス軍)
1959 三人のキリスト実験(ミルトン・ロキーチ)
1961 ミルグラム実験(スタンリー・ミルグラム)
1961 ノイバウアー実験(ピーター・ノイバウアー)
1964 ヘルシンキ宣言
1968 傍観者効果実験(ビブ・ラタネ)
1971 スタンフォード監獄実験(フィリップ・ジンバルドー)

終戦後の1947年、大戦中に行われた非人道的な人体実験を受け、「医学研究にあたり人体を要した実験にはどのような配慮や倫理が必要か」をまとめたニュルンベルク綱領が確立した。

人体実験において被験者の人権や精神的・身体的健康を損なわないための倫理原則を定め、これを踏襲したヘルシンキ宣言が1964年に確立する。ゆえにニュルンベルク綱領確立以降に名が挙がっている上記の実験はこの倫理原則を遵守せず一時世間で騒がれた実験群である。

少なからず死者が発生しているものもあるが、中には政府がバックについて行われた実験もあるのはやはり闇が深いところである。

各時代の実験の類似点とまとめ

戦前から戦後にかけて行われた人体実験の相違点は時代背景とともに都度整理した。全体を通して類似点を挙げるなら、「どのような立場の人間が実験を行ったか」「どのような人間が被験者に選ばれたか」だろうか。
実験者に関しては専門の博士以外であると古くから国王・軍・政府といった権力者…『他人に対し暴力的な実験を強制で行える権力を持った存在』によって主導された形跡がある。

では被験者はどうかというと、もちろん乳幼児や孤児も狂気の沙汰なのだが、死刑囚や特定の人種といった、『権力者が実験台として消費しても問題ないと判断した存在』が選ばれている印象がある。特に人種に関してはとてもデリケートな部分なので言葉を選びあぐねるが、戦時中に大量に強制収容所に収容されていた時代背景から調べると、この辺りの筆者が書きたかった事柄がわかるかもしれない。

それ以外にも、もし上記の年表で気になる実験があれば、どれも平等にショッキングな内容ではあるが、知って損するものは一つもないので、是非自身で調べてみてほしい。

筆者の界隈で話題になっている暗殺者のパスタなるものを作ってみた。
案の定しょっっっっぱくなった

※画像はイメージです。

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